2009/10/07
啄木の歌とともに・・・
第236号 2009.10.7(毎週水曜日発行) 2004.6 創刊 ******************************************************************************* 啄木の歌とともに (その四) 「あ こ が れ」 -33- ******************************************************************************* 啄木の歌を手本に手慰み 一日一首 ただあるがまま (一郎) ******************************************************************************* 参考資料「石川啄木作品集 第一巻」昭和出版社(昭和三十八年十二月一日発行) =============================================================================== あ こ が れ =============================================================================== 啄木 秋風高歌(雑詩十章甲辰初秋作) 黄金向日葵 我が戀は黄金向日葵(ひぐるま)、 曙いだす鐘にさめ、 夕の風に眠るまで、 日を趁(お)ひ光あくがれ、まろらかに 眩(まば)ゆくめぐる豐熱の 彩(あや)どり饒(おほ)きこがねの花なれや。 これ夢なれば、とこしへの さめたる夢よ、こがねひぐるま。 これ影ならば、あたたかき 瑞雲(みづぐも)まとふ照日(てるひ)の生ける影。 圓(まろ)らかなれば、天蓋の 遮りもなき光の宮の如。 まばゆければぞ、王者にすなる如、 百花、見よや芝生にぬかづくよ。 今はた、似たり、かなたの日輪も、 わが戀の日にあこがれて ひねもすめぐる空の向日葵(ひぐるま)に。 (八月二十二日) 我が世界 世界の眠り、我れただひとり覺め、 立つや、草這う夜暗(やあん)の丘の上。 息をひそめて横たふ大地(おほつち)は 我が命に行く車にて、 星(ちりば)めし夜天の浩蕩(こうたう)は わが被(かづ)きたる笠の如。 ああこの世界、或は朝風の 光とともに、再びもとの如、 我が司配(つかさどり)はなるる時あらむ。 されども人よ知れかし、我が胸の 思の世界、それこの世界なる すべてを超えし不動の國 なれば、 我悲しまず、また失はず、 よし、この世界、再びもとの如、 蠢く人の世界となるとても。 (八月二十二日) 黄の小花 夕暮野路を辿りて、黄に咲ける 小花(をばな)を摘めば、涙はせきあへず。 ああ、ああこの身、この花、小さくも いのちあり、また仰ぐに光あり。 この野に咲ける、この世に捨てられし、 運命(さだめ)よ、いづれ、大慈悲の かくれて見えぬ惠みの業(わざ)ならぬ。 よし我、黄なる花の如、 霜にたふるる時あるも、 再び、もらす事なき天(あめ)の手に 還るをうべき幸(さち)もてり。 ああこの花の心を解くあらば 我が心また解きうべし。 心の花しひらきならば、 またひらくべし、 見えざる園の門。 (八月二十二日) 君が花 君くれなゐの花薔薇(はなさうび)、 白絹かけてつつめども、 色はほのかに透きにけり。 いかにやせむとまどひつつ、 墨染衣袖かへし 掩へども掩へどもいや高く 花の香りは溢れけり。 ああ祕めがたき色なれば、 頬にいのちの血ぞ熱(ほて)り、 つつみかねたる香りゆゑ 瞳に星の香りも浮きて、 佯(いつ)はりがたき戀心、 熄(き)えぬほざらの火の息に 君が花をば染めにけれ。 (九月五日夜) 波は消えつゝ 波は消(き)えつつ、碎(くだ)けつつ 底(そこ)なき海の底(そこ)より湧き出でて、 朝より眞晝、晝より夜に朝に 不斷の叫びあげつつ、帶の如、 この島根をば戀ふなり。 ああ詩人(うたびと)の興來(きようらい)の 波も、消えつつ、碎けつつ。 はかり知られぬ『祕密』の胸戸(むなど)より、 劫風(ごふふう)ともに千古の調(てう)にして、 不滅の(ふめつ)の敎宣(をしへの)りつつ、勇ましく 人の心の岸には寄するかな。 (九月十二日夜) (雜詩十章のうち五章を掲載) =============================================================================== 注:メルマガで表示されない旧漢字は新字体を使用しています。 =============================================================================== 参考「goo辞書」http://dictionary.goo.ne.jp/ ******************************************************************************* 参考資料「石川啄木作品集 第一巻」昭和出版社(昭和三十八年十二月一日発行) ******************************************************************************* ご意見、ご感想、短歌の投稿をお待ちしています。 ichirof55@hotmail.com ******************************************************************************* ◇◇ひとりごと◇◇ 2009年10月06日 何も知らない国の 何も知らない映画の 何も語らない内容の 何に感動して 何の涙を流したのだろう Closing Credits DVD「シリアの花嫁」(2004年イスラエル映画)より http://ichirof60.ddo.jp/siawase/syria.wmv (自宅サーバーのため、オフラインのときは再生されません) 『シリアの花嫁』公式サイト http://bitte942.rsjp.net/hanayome/ 2009年10月07日 毎日ドラマを観ているのも 新作映画のDVDが気になるのも あらたな物語と人との出会に期待しているのだろう 希望と勇気を見出したい 「シリアの花嫁」の姉の名アマルの意味は希望だという 一郎 =============================================================================== ◎◎おすすめします◎◎ =============================================================================== 最後の一文字を読み終えた瞬間、思わずホッとして頂けるような詩 をお届けします。疲れた体に、疲れた心に、癒しの言葉を。 あなただけにそっとお教えする偉人の言葉付き。 メルマガ「★ カラーブラインド ★」 http://blog.mag2.com/m/log/0000172982/ blog 「詩人tomoの出会いが人を変えてゆく」 http://ameblo.jp/tomo1663/ ******************************************************************************* このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。 ............................................................................... 配信中止はこちらへ: http://www.mag2.com/m/0000133102.htm ******************************************************************************* [編集/発行人] 一郎 [HP] http://www.interq.or.jp/black/ichiro/ [mail] ichirof55@hotmail.com


