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石川啄木の短歌から一日一首を読み、思い浮かんだイメージを歌にします。「三行日記」のつもりで気軽に書いていきます。「一握の砂」「悲しき玩具」「一握の砂以前」の短歌を終了し、現在は詩集「あこがれ」を取り上げています。

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2009/09/23

啄木の歌とともに・・・第235号 2009.9.23

第235号 2009.9.23(毎週水曜日発行)              2004.6 創刊
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   啄木の歌とともに

    (その四) 


  「あ こ が れ」

      -31-


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啄木の歌を手本に手慰み
一日一首
ただあるがまま  (一郎)
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参考資料「石川啄木作品集 第一巻」昭和出版社(昭和三十八年十二月一日発行)

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 あ こ が れ    

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啄木

    光の門

よすがら堪へぬなやみに氣は沮(はゞ)み、
黒蛇(くろへみ)ねむり、八百千(やはち)の梟(ふくろふ)の
暗聲(やみごゑ)あはす迷ひの森の中、
あゆみにつるる朽葉の唸(うめ)きをも
罪にか誘ふ陰府(よみぢ)のあざけりと
心(こころ)責(せ)めつつ、あてなくたどり來て、
何かも、どよむ響のあたらしく
胸にし入るに、驚き見まもれば、
今こそ立ちぬ、光の門に、我れ。

ああ我が長き悶(もだえ)の夜は退き、
香もあたらしき朝風吹きみちて、
吹き行く所、我が目に入るところ、
自由と愛にすべての暗(やみ)は消え、
かなしき鳥の叫びも森影も、
うしろに遙か谷間にかくれ去り、
立つは自然の揺床(ゆりどこ)、しろがねの
砂(すな)布(し)きのべし朝の磯の上。

不朽の勇み漲(みなぎ)る大洋(おほわた)の
張りたる胸は、はてなく、紫の
光をのせて、東に、曙(あけ)高き
白幟のぼる雲際(くもぎは)どよもしぬ。
ああその光、ーーー青渦底もなき
海底守る秘密の國よりか。
はた夜と暗と夢なき大空の
紅玉匂ふ玉階(たま)(はし)すべり來し
天華(てんげ)のなだれ。或は我(あ)が胸の
生火(いくひ)の焔もえ立つひらめきか。ーーー
蒼空かぎり、海路と天の門の
落ち合ふ所、日輪おごそかに
あたらしき世の希望に生れ出で、
海と陸とのとこしへ抱く所、
ものみな荒む黒影夜と共に
葬り了へて、長夜の虚洞(うつろ)より、
わが路照らす日ぞとも、わが魂は
今こそ高き叫びに醒めにたれ。

明け立ちそめし曙光の逆もどり
東の宮にかへれる例なく。
一度醒めし心の初日影、
この世の極み、眠らむ時はなし。
ああ野も山も遠鳴る海原も
百千(もゝち)の鐘をあつめて、新らしき
光の門に、ひるまぬ進軍の
歓呼の調の閧(とき)をば作れかし。

よろこび躍(をど)り我が踏む足音に
驚き立ちて、高きに磯雲雀
うたふや朝の迎への愛の曲。
その曲、浪に、砂(いさご)に、香藻(にほひも)に、
い渡る生(せい)の光の聲撒けば
わが魂はやく、白羽の鳥の如、
さまよふ樂の八重垣うつくしき
曙光(しょくわう)の空に融け行き、翅(は)をのべて、
名だたる猛者(もさ)が弓弦(ゆんづる)鳴りひびき
射出す征矢(そや)もとどかぬ蒼穹(あほぞら)ゆ、
青海、巷、高山、深森の
わかちもあらず、皆わがいとし兒の
覺めたる朝の姿と臨むかな。

                      (甲辰八月十五日夜)

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参考「goo辞書」http://dictionary.goo.ne.jp/
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参考資料「石川啄木作品集 第一巻」昭和出版社(昭和三十八年十二月一日発行)

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◇◇ひとりごと◇◇

第235号をお送りします。
長い間発行をお休みし、申し訳なく思っています。
3ヵ月以上も休刊状態が続けば、廃刊になる旨の通知がまぐまぐ!から届きました。
そこで取り急ぎ発行することにしました。

いまは事情があってお休みしていますが、まだまだ啄木の作品にかかわっていきたいと
思っています。
すぐに毎週発行する状態には戻れませんが、できるだけ発行を続けたいと思っています。
今後ともどうかよろしくお願いいたします。

一郎

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