2009/04/22
啄木の歌とともに・・・第229号
第229号 2009.4.22(毎週水曜日発行) 2004.6 創刊 ******************************************************************************* 啄木の歌とともに (その四) 「あ こ が れ」 -25- ******************************************************************************* 啄木の歌を手本に手慰み 一日一首 ただあるがまま (一郎) ******************************************************************************* 参考資料「石川啄木作品集 第一巻」昭和出版社(昭和三十八年十二月一日発行) =============================================================================== あ こ が れ =============================================================================== 啄木 壁なる影 夜風にうるほひ、行春淡き 有明(ありあけ)燭(ともし)の火影ぞ搖れて、 ああ今、ほのかに、幻ふかく 起伏(おきふし)さだめぬ影こそ壁に。 詩歌の愁ひに我が身は痩せて、 くだつ夜、低唱、無興(ぶきよう)の窓に。 こは何、落ちくる壁なる影よ。ーーー 静かに、静かに、捲(ま)きてはひらく。 たとへば、大海青波鳴りて 涯なき涯にとただよふそれか。 或は、無終の歴史の上に 湧き、また沈める流轉(るてん)の跡か。 めぐれる影にと思は耽る。ーーー ああ今、我聞く、音なき波に 遠灘(とほなだ)どよもす響ぞこもれ、ーーー 思の青渦、とく、またゆるく。 とく、またゆるかに影こそ搖れば、 うかべる光に心は漂ふ。ーーー この影、幻、ああ聞きがたき 天海(あまうみ)『秘密』のそのおとづれか。 思は高めば、、影また深く、 見えざる文こそ壁には照れる。ーーー 幾夜の我が友、そよ、わがいのち、 秘密に泳げる我が影なりき。 燈火(ともしび)うするる。 薄れよ。暗も 心の壁なる我が影消さじ。 ああ我(われ)汝(な)に謝す、我が夜は明けば、 この影、まことの光に生きむ。 (第五節から終節まで) (甲辰六月二十日) ----------------------------------------------------------------------------- 一郎 壁 高校生の時 私の家族はやっと一間の部屋から 二間ある市営住宅に移った 父と私が四畳半の部屋 母と姉が六畳の部屋で寝た 襖と壁で二つの部屋はさえぎられている 四畳半と壁を隔てて台所がある そしてトイレと風呂場も 父は襖の横の壁をためらわず床の下に落としてた 壁が無くなって六畳から台所やトイレへ行く通路になった 父は合理主義者だった 邪魔なものは壁でも壊す いらない物は惜しみなく捨てる 母が小さな庭で育てた草花も 父には邪魔で引き抜いてしまう 父の性格を知っているから 母も負けてはいない また草花を植えている 捨てるのが趣味のような父だったが 石を拾ってきては小さな庭に並べていた 父は将棋や囲碁がかなり強いようだった 当然私は負けてばかりだった 負けるのはいやだったが 強くなりたいとは思わなかった 強くなるために勉強するのが嫌いだった 父は労働運動の活動家だった 「門前の小僧」ではないが 労働歌が私の愛唱歌だった 高校生になった私は父の紹介されるままに 青年運動に入っていった 集会などで父に会うことはなかったが 運動の先輩として父の存在をいつも意識していた 父は私の前にそびえる越え難い壁のような存在になった 二十一歳になる前に私は家出してしまった 父という壁の前で逃げだしてしまった 父が部屋の壁をいとも簡単に壊せるのは 自身が石のように固い壁だったからだろう 私には部屋の壁は壊せない 心が傷つかぬ程度の壁を張りめぐらせ 無関心を装いじっとしているだけだった =============================================================================== 注:メルマガで表示されない旧漢字は新字体を使用しています。 =============================================================================== 参考「goo辞書」http://dictionary.goo.ne.jp/ ******************************************************************************* 参考資料「石川啄木作品集 第一巻」昭和出版社(昭和三十八年十二月一日発行) ******************************************************************************* ご意見、ご感想、短歌の投稿をお待ちしています。 ichirof55@hotmail.com ******************************************************************************* ◇◇ひとりごと◇◇ 第229号をお送りします。 詩集 カラーブラインド blog http://colorbd.livedoor.biz/ 詩集カラーブラインド blogでは、詩人tomoさんによる最新の詩を掲載しています。 2009年03月28日 今を感じてみよう http://colorbd.livedoor.biz/archives/51611603.html ------------------------------------------------ 2009年4月22日 一郎 今 今 毎日3〜4枚 DVDで韓国ドラマを観ている 時には涙を流して 時にはイライラしながら 今 これまでで一番落ち着いた時間を 過ごしているのかも知れない 早朝六時間ほど働いているだけだから たっぷりドラマを観る時間がある 今 二種類の薬を毎日飲んではいるが 生活はこれまでとさほど変わりはない 変わりのない毎日が続いている 穏やかな毎日だ 今 私の周りではあまり変化はないが 知り合いの周りでは不幸が続いている いずれ私の周りでも不幸が始まるだろう それは特別なことではなく自然なことなのだ ******************************************************************************* [編集/発行人] 一郎 [HP] http://www.interq.or.jp/black/ichiro/ [mail] ichirof55@hotmail.com ******************************************************************************* <お知らせ> 次週の発行は、4月29日(水曜日)の予定です。 ******************************************************************************* 日刊メルマガ「花を歌うかな」もどうぞよろしく。 http://www.mag2.com/m/0000155181.html Yahoo!ブログ「万葉集を歌うかな」は随時更新。 http://blogs.yahoo.co.jp/ichirof57 Yahoo!ブログ“それぞれの「一握の砂」”への歌の投稿をお待ちしています。 http://blogs.yahoo.co.jp/ichirof58 =============================================================================== ◎◎おすすめします◎◎ =============================================================================== 最後の一文字を読み終えた瞬間、思わずホッとして頂けるような詩 をお届けします。疲れた体に、疲れた心に、癒しの言葉を。 あなただけにそっとお教えする偉人の言葉付き。 メルマガ「★ カラーブラインド ★」 http://blog.mag2.com/m/log/0000172982/ ブログ「カラーブラインド blog」 http://colorbd.livedoor.biz/ blog 「詩人tomoの出会いが人を変えてゆく」 http://ameblo.jp/tomo1663/ ******************************************************************************* このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。 ............................................................................... 配信中止はこちらへ: http://www.mag2.com/m/0000133102.htm *******************************************************************************


