2009/04/13
口語訳ISO14001 with環境豆知識 ~4.4.2 訓練
No.244 09.04.13 ▲▼△▽▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼ 口語訳:ISO14001(最新版) with 環境豆知識 ▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼△▽▲▼ お知らせです。 ISO認証取得が社会に一巡していること、未曾有の不況、等々により 当方も認証取得コンサルティングを中心に据えて成立させて行くのは困難な 状況となっています。 認証取得コンサルティング業務の比率は相当に下げざるを得ませんので、 「環境版」「情報セキュリティ版」と毎週2本発行しているメルマガも、 当面互い違いに隔週刊と変更させて頂き、来週は「環境版」、再来週は「情 報セキュリティ版」という様な発行と致します。 さて、 先週月曜日午前の段階でお知らせした「北朝鮮のミサイル」の件ですが、 やはり水深1500mの海に落ちたに(1段目)もかかわらず、海面が変色するほど の事態になってしまったとの事です。 おそらく、ヒドラジン系燃料が相当に余った状態で落ち、海洋汚染を引き 起こしたのでしょう。しかし、発ガン性物質が周辺に拡散したと思われる のに、漁業について制限された様な話が全く聞こえません。農水省が、その 辺の知識を持ち合わせないせいでしょうか? 海上保安庁や防衛省は内閣に その様な報告を行わないのでしょうか? 文部科学省や環境省には、必要な 知識があると思われますが、何もしている様子がありません。何かしたら その結果を問われるが、何もしなかった場合には責任が問われない体質なの で、法的義務がない限り縦割り行政のせいにして責任回避(漁業制限をした 場合に補償問題になる可能性が高い)しているのでしょうね。困ったもので す。 では、244号。 ★環境豆知識−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 今週はテレビCMなどで知られている『エネファーム』についてお話し しましょう。 「エネファーム」というのはつまり、「家庭用燃料電池」です。家庭用 燃料電池を普及させていくに当たって、家庭用燃料電池と言っていては長っ たらしいですし、とっつきにくいですが、各社でバラバラの愛称を付けたの では愛称が普及しないので、共通の愛称を付けようという事で、東京ガス、 大阪ガスなどのガス会社とエネオスの計6社共通の愛称として「エネファー ム」と名付けられました。 「燃料電池」は、水素と空気中の酸素を結合させて水を作り、そこで発生 するエネルギーから電気と熱を作り出します。ここだけを見れば、二酸化 炭素を排出しません。また、発電時にどうしても発生してしまう熱まで利用 するのが前提なので、とてもエネルギー効率に優れています。 しかし、「水素」はどこにでもあるわけではありません。何とかしなけれ ばならないのですが、エネファームでは主にLPガスや天然ガスから水素を 取り出す事にしています。ですから、そこで二酸化炭素が発生します。また、 LPガスを燃料にする場合、LPガスは石油や石炭から作られますから、 結局石油・石炭を消費してしまいます。 加えて、「エネファーム」は太陽光パネルと違って、発電設備ではありま せん。常に発電していたら熱が余ってしまいます。それでは発電所での発電 よりもエネルギー効率が悪くなりますから、お湯を沸かすときだけついでに 発電します。つまり、『給湯設備(温水器)』と考えて下さい。 さらに、水素と酸素から、水とエネルギーを得る時に触媒として「白金」 が必要なのですが、「白金」は枯渇の危機にある金属です。自動車の排気管 の触媒、貴金属としての需要もあり、将来的に世界中の家庭に燃料電池を 普及させるほどには埋蔵されていません。 簡単に言いますと、「電気温水器やガス湯沸かし器と比べれば、エネルギ ー効率に優れていて環境に良い設備」だと思われます。しかし、これで環境 問題を解決してしまったりするわけではありませんし、いくつかの問題も 抱えています。 現実的な問題としては、設備費用が上がるでしょう。エネオス品が320万 円、東京ガス品が346.5万円(どちらも税込み・工事費別)します。政府の 補助が140万円受けられますし、発電する分で電気代も安くなりますが、ガス 代はかかります。いかがでしょう? 結局『エネファーム』は、「オール電化」などと言って電力会社に荒らさ れているガス会社の市場を守るための、経営戦力商品でしかないのかもしれ ません。 「環境に良い設備を導入したい」という事ならば、現状では太陽光発電 パネルの方が良い様に思われます。ただ、こちらもゲルマニウム枯渇問題 などを抱えていて、全く問題がないわけではありません。 太陽光温水器の方が、抱えている問題が少ないかもしれませんね。但し、 太陽光温水器も天気の悪い日は灯油やガスで追い炊きする必要がありますよ。 ついでに、 『エコウィル』とは、『エネファーム』の燃料電池部分がエンジンになって いるところが違うだけの似た施設です。ガスを燃料に発電するのですが、 その排熱を利用してお湯も作ります。常時発電すると効率が悪いので、お湯 が要るときだけ発電します。エンジンよりは燃料電池の方がエネルギー効率 が優れていますが、価格は相当違うと思われます。(エコウィルの価格が 公開されていませんので、サービス地域でない当方には調べられませんでし た)ちなみに、エコウィル設置に対する政府補助額は13万8千円で、エネファ ームより一桁少ないです。 ☆本題のISO14001解説−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4.4.2 能力、訓練及び自覚 ▼必要な能力 重大な環境影響の原因となるかもしれない作業を行う社員は、必要な能力を 持っていなければなりません。その社員が能力を持っているかどうかという事 は、ハッキリさせておいて下さい。能力を持つための手段としては、適切な 教育・訓練を受けることのほかに、経験を積むということがあるでしょう。 この”能力をもっているという事をハッキリさせる事”の記録は残して下さい。 【言葉の解説】 ”原因となるかもしれない”は、原文でhave possible to causeが使われ ています。「何回かに1回以上(常にを含む)発生する」の他に、「事故 などのときには...かもしれない」まで含むと受け取る必要があるで しょう。 ”社員”には、4.2項などと同じように、会社に属しているかどうかという 事にはこだわらずに、派遣社員、嘱託社員の様な人までを含めて下さい。 ”能力”は、04年版のJIS訳では”力量”と訳されています。ISO9001の訳 と合わせたものですが、”力量”というのは日常使わない言葉なので、 口語訳:ISO14001では96年版訳のまま”能力”とします。原文では ”competence”となっています。 余談ですが、9001の訳で”力量”という訳になっているのは、competence の定義にskillという言葉が使われていて、そちらを「能力」と訳してしま ったために、competenceを仕方なく「力量」と訳したものです。 ”教育”には、educationが使われています。入社前の学校教育を考慮して も良いと思われます。 【解説】認証審査上、「能力を持っている事はどのようにすれば確認できる のですか?」「テストをしました、これが記録です。」というやりとりが よく見られます。社外の人に説明しやすい方法ではありますが、ペーパー テストが唯一の能力確認方法ではありませんし、全ての場合にそこまでの 確認が必要とも限りません。必要の度合いによって、調整して下さい。 ▼必要な訓練 会社は、どのような作業をする人にどのような訓練が必要なのかということ をハッキリさせておいて下さい。訓練が必要だという事がハッキリしたら、 会社は訓練を行うか、その代わりに何かして下さい。この、訓練かその代わり の何かは、行った記録を残しておいて下さい。 【解説】”訓練”とは、原文に”Training”とあります。机に座って講義を 受けるようなものよりは、OJT(On the Job Traing)のイメージに近いで しょう。もちろん、講義であっていけないわけではありません。但し欧米 文化では、講義を伴う訓練であっても演習が主体になる事が大半ですから、 ISO14001を作成した人たちの意図は『トレーニング』という事でしょう。 日本で「訓練」と言ったら、勝手に「教育訓練」と連想されるのとは、 対照的です。 尚、JIS訳は”Training”を勝手に「教育・訓練」と訳しています。 その為、講師がテキストを作成して・・等という誤解がある様です。原文 にはあくまでも、「教育」なんて書かれていません。(上段の、学校教育 を意味しているeducationの部分は別。) ”その代わりの何か”には、「元々訓練を受けている人を社内で異動させ る」、「訓練をうけている人を雇う」などがあります。「社外で講習を 受けてくる」は、”訓練を行う”の方に入れて良いのではないかと思い ますが、いずれにしてもそれでOKです。 ▼全社員の自覚(意識) 全社員が次の事を自覚(意識)できるように、会社は手順を整えて、実施して、 必要な場合には手順を改めて下さい。 ・環境マネジメントの為に、各社員が何をやらなければならないのか。 ・なぜ環境マネジメントを行うのかという事。 ・環境マネジメントを行うと、どのように環境に良いのか。また、環境配慮 しないで作業した場合、どのように環境に悪いのかといったこと。 ・社内ルールを守らなかったら、どんな事が起こるのかということ。 【解説】 ”全社員”については、上段と同様、派遣社員、嘱託社員などまでを含め て下さい。 ”環境マネジメントの為にやらなければならない事”には、「緊急事態が 起きない様にしておく方法」、「緊急事態が起きたときに行うべきこと」 を含めておいて下さい。04年改訂で削除されてしまったのですが、改訂前 は明記されていました。当然、やらなくてもよくなったというわけでは なく、しつこいので書かなくしただけと思われます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 口語訳:ISO14001は「ISOで小難しい言葉を使わない運動」を強く推進して います。 口語訳:ISO14001は、ISO14001の口語日本語訳です。JIS Q 14001の口語訳では ありません。 口語訳:ISO14001は、うちわ(社内など)で利用頂いて結構ですが、印刷物・Web などの多数へ配布する媒体に無断で引用するのはご遠慮下さい。 尚「環境豆知識」は、無断でない限り、かなり広範囲に許諾するつもりです。 ご質問、ご意見、ご相談、原子力発電撤退は大歓迎です。 他の項目の解説は: http://www.kiriishi.net/14001/top.htm バックナンバーは: 環境豆知識インデックスからご利用下さい 環境豆知識インデックスは: http://www.kiriishi.net/14001/mame.htm マネジメント改善研究所ホームページ: http://www.kiriishi.net/ メールマガジンの登録・解除は: http://www.kiriishi.net/14001/mag2.htm 情報セキュリティ版メルマガは http://www.kiriishi.net/7799/mag2.htm ご意見、ご感想、ご質問は: info3@kiriishi.net ○発行 マネジメント改善研究所 ○編集 切石 庄之介 Copyright マネジメント改善研究所 マネジメント改善研究所は、石川県金沢市にあります。 今のところ、土日祝日を問わず編集人自ら全国に出張可能です。 ここまで



