2009/03/26
口語訳ISO14001 with環境豆知識 ~4.3.2法規制など
No.241 09.03.23 ▲▼△▽▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼ 口語訳:ISO14001(最新版) with 環境豆知識 ▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼△▽▲▼ 今週は記事は早めに書いてあったものの、発行作業を忘れて出張に出て しまいましたので、こんなに遅い発行になってしまいました。 さてこの連休から、休日の高速道路料金割引の運用が一部始まりました。 筆者の車は貨物車登録ですし、ETCも付いていませんので全く関係ありませ んが、東京湾アクアラインのPA「海ほたる」や、木更津側では賑わいを 見せた様です。 しかしこの高速道路割引は、環境的に見ても経済的に見てもあまり望まし くない政策です。 日本の高速道路は、家庭に例えると「あれば使うのだろうけれども、必ず しも居らない家電を借金してまで買い揃えている」状態にあります。借金を 返す支払いを減らして、使いまくって消耗させているわけですから、将来に 国民全体でそのお金を返さなくてはならない時に、より苦しまなくてはいけ なくなります。 また、これだけ高速道路料金を減らしますと、公共の交通機関を利用する よりも割安になってしまうケースが増えます。公共交通機関で移動した方が 環境に良いのに決まっているところを、少人数で個別に動くことになります から、燃料が余計に使われてしまいます。また、出かけないで済むはずの ところへ出かけていって、燃料その他を無駄遣いしているケースも相当ある 事でしょう。 経済的に緊急事態ですから仕方ないという考えもあるでしょうが、後に 破綻しないか心配ですし、環境的にはかなり悪い行いです。アメリカだった らば環境アセスメント法(NEPA:日本のアセス法の様に土木開発行為だけ ではなくて、全ての政策に適用)がありますから、少なくともそう簡単には 通らなかっただろうと思うのですが... では、241号。 ★環境豆知識−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 先週は、「セクター別アプローチ」を紹介しました。正確に言えば、 「日本政府が、気候変動防止の枠組みで提案している『セクター別アプロー チ』を紹介しました。 何となく釈然としなかったのではありませんか? 「それって、セクター (分野)別アプローチって言うのがふさわしいの??」と思われた方が多かっ たのではないでしょうか。気が付かれた方はスルドイですね。 国際的にも、気付いている人は言っているのですが、日本政府が提案して いる「セクター別アプローチ」は「積み上げ式目標設定」と言うべき手法 です。「積み上げ式」と言うなら、先週の説明でわりと納得頂けるのでは ないでしょうか。おそらく、この主張を考えた官僚の誰かが「このまま 『積み上げ式』と言って提案すると、日本の削減目標を小さくしたいだけだ としか受け取られない」と考えて、それまでに存在した用語で、耳当たりが 理論的で、まったく使えないわけではない用語から「セクター別アプローチ」 を持ち出してきて、ムリヤリ当てたのでしょう。それで、名前と中身が一致 しなくなってしまっているのだと思われます。 では、元々あった「セクター別アプローチ」という用語は、どういう意味 だったのでしょうか。 一つには、「国」別に取り組むばかりでなくて、「国際的な同業者組合的 な団体」で地球高温化ガス排出削減に取り組んでもらおうという考えです。 先進国の同業者から、エネルギー効率に優れた技術を途上国業者に教えて もらって、地球全体のその業種からの排出削減をしてもらおうという考え方 です。これならば「セクター別」というのは「国別ではなくて」という意味 になっていて、普通に「業界別」と訳した時の感覚のままですから、違和感 なく受け取れます。 発展途上国でも、一部の業種に限られるけれども排出削減が期待できる策 として、環境的には有効です。しかし、これは先進国の業者側に何かの埋め 合わせがなければ、先進国側の競争力がなくなってしまいます。実現には ハードルをいくつか超えて行かなければならない取り組み手法と言えます。 もう一つは、例えば「製鉄」はエネルギーをたくさん使う業種ですが、 世界のドコでも出来ます。「発電」などと違って消費地の近くでやる必要は ありません。そうすると、「国別」の削減目標しか設定しない場合、目標が 設定されていない途上国へ製鉄所をどんどん移転すると、先進国で排出が 削減された様な格好になってしまいます。それを何とかする為に、「業種別」 で削減実態を考えなくてはならないのではないか、という考え方です。 その通りですよね。地球高温化は地球単位で起きています。先進国から 原因が移転しただけでは全く解決しません。「自社からゴミは排出しません」 なんて言って、出入り業者に全部引き取らせているだけのゴミ問題と同じ事 です。 そんなわけで、日本政府が「セクター別アプローチ」と言っている考え方 は、考え方だけでなく、その呼び方も各国にあまり受け入れられていない わけです。詳しくお知りになりたい方は、東北大学の資料が参考になるでしょ う。(http://www.cir.tohoku.ac.jp/~asuka/セクトラルアプローチ29.pdf) 尚、政府発表では「日本の提案した『セクター別アプローチ』は各国から 評価を受け..」と、まるで「高評価」を受けたかの様に言っていて、マス コミもそのまま伝えていますが、実際は「考慮には値すると、ある程度の 『評価を受け』ている」に過ぎません。むしろ、反発を受けている方が多い くらいの様です。ダマされません様に。 ☆本題のISO14001解説−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4.3.2 法的及びその他の要求事項 ▼適用される法規制等の把握 会社は、会社に適用される環境関係の法律(条例含む)や、その他社外との 環境関係の取り決めを一通り把握して下さい。 【解説】「会社に適用される法律」は、04年改訂で厳密には「会社の環境 側面に適用される法律」と表現される様になりました。ですから例えば 「〜の排出」に適用される法律は、「一般に環境法と呼ばれていない法律」 でも、そんな定めがある事を把握して→守って→ちゃんと守っている事 を確認する事が必要になります。 あまり良い例が思い浮かびませんが、例えば「道路運送車両法は社有車 の排ガスを規制している法律だが、一般に環境法とは呼ばれていない。」 という考えで除外していた会社では、考えに入れなければならないでしょ う。但しこの場合、普通に車検整備すれば順守されるので、行動は変え なくて良いでしょう。 『適用される』の考え方で、環境法解説本の鈴木敏央さんが興味深い事を 言っていました。「努力義務事項に関しては、やらなくても違反になら ないのだから”適用される法律等”に入れる必要はないだろう。やったと したら、会社が自主的にその努力義務に同意してやっているのだから” 会社が同意するその他の事項”に入れるべきだろう。」との事で、筆者も 同感です。つまり、審査の場などで「法規制リストに環境基本法が入って いませんね。」というやりとりは、我々の考え方では「ちょっと違うん では?」という事になります。 ▼適用される法規制等の参照 またそれらの法律(条例含む)や約束事は、具体的にどのように決められて いるのか確認できる状態にしておいてください。 ▼会社への適用 これらの法規制や取り決めによって、会社が何をしなければならないのか、 どんな基準を守らなければならないのかハッキリさせておいて下さい。 これらの把握するやり方、確認できる状態にするやり方は、ちゃんと定めて おいて下さい。必要な場合には、それらのやり方は直して下さい。 【解説】つまりは、会社に法律などが適用されるのに「知りませんでした」 というのはダメですよ、という事です。 言葉の問題ですが、法律(原文でlegislation)に条例は含まれます。英語 では国の法律と地方の条例には区別がないのです。 ”社外との取り決め”には、都道府県、市町村との協定、地域との協定、 業界団体の自主規制、企業グループの自主規制などが考えられます。 ▼環境マネジメントシステムへの反映 これらの法規制などで守らなければならない事は、環境マネジメントシステ ムを作り上げ、実施して、必要なところを直して行く上で、ちゃんと考えて 行って下さい。 【注】わざわざ、言われるまでもありません。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1月末にWebサーバを移転しました。不具合を発見された方はご連絡下さい。 口語訳:ISO14001は「ISOで小難しい言葉を使わない運動」を強く推進して います。 口語訳:ISO14001は、ISO14001の口語日本語訳です。JIS Q 14001の口語訳では ありません。 口語訳:ISO14001は、うちわ(社内など)で利用頂いて結構ですが、印刷物・Web などの多数へ配布する媒体に無断で引用するのはご遠慮下さい。 尚「環境豆知識」は、無断でない限り、かなり広範囲に許諾するつもりです。 ご質問、ご意見、ご相談、原子力発電撤退は大歓迎です。 他の項目の解説は: http://www.kiriishi.net/14001/top.htm バックナンバーは: 環境豆知識インデックスからご利用下さい 環境豆知識インデックスは: http://www.kiriishi.net/14001/mame.htm マネジメント改善研究所ホームページ: http://www.kiriishi.net/ メールマガジンの登録・解除は: http://www.kiriishi.net/14001/mag2.htm 情報セキュリティ版メルマガは http://www.kiriishi.net/7799/mag2.htm ご意見、ご感想、ご質問は: info3@kiriishi.net ○発行 マネジメント改善研究所 ○編集 切石 庄之介 Copyright マネジメント改善研究所 マネジメント改善研究所は、石川県金沢市にあります。 春一番で電車が止まらない限り、土日祝日を問わず編集人自ら全国に出張可能です。 ここまで


