2009/03/16
口語訳ISO14001 with環境豆知識 ~4.3.1環境側面
No.240 09.03.16 ▲▼△▽▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼ 口語訳:ISO14001(最新版) with 環境豆知識 ▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼△▽▲▼ 時々寒くなる事もありますが、季節はすっかり春になりました。当地も 黄砂の嵐にやられています。 ところで、今年の冬は史上二番目の暖冬だったとの事です。冬が暖かいの は暖房費も安上がりで済みますので歓迎したいのですが、夏に水不足になら ないか心配です。 ちなみに、史上最も暖かい冬だったのは07年の事でした。やはり地球は 暖かくなっている様です。これについて、「地球が『温暖化』していると 言うと、危機感が薄れてしまう。『高温化』していると言うべきだ!」と 言い始めた人達が居ます。 これについては筆者も同意見です。「温暖化? その方が良いじゃないか」 とか「自然の変動の範囲なんじゃないの?」と考えている人が、世の中に かなり居るからです。「高温化」と言った方がその人達に少しでも危機が 伝わる様な気がします。 今週から「温暖化」「温暖化ガス」は、「高温化」「高温化ガス」と言い 換えてみる事にします。 では、240号。 ★環境豆知識−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− かなり意味が分かりにくいと位置付けられている環境用語に「セクター別 アプローチ」があります。本当に分かりにくいのですね。環境問題に関心が 高い人達の集まりでさえ、ほとんど誰も理解していませんでした。では、 少々解説を致しましょう。 「セクター別アプローチ」という用語が知られる様になったのは、07年の 12月に気候変動防止枠組み条約の締約国会議で、日本が提唱してからです。 もっと前から使われては居た様ですが、それこそ誰も知らない言葉でした。 「セクター」とは、そのまま訳せば「業種」です。もうちょっと広い意味 で「分野」と理解した方が良いかもしれません。「アプローチ」とは直訳で 侵入経路、近づく..となります。「やり方」という意味で理解すれば良い でしょう。 すると「セクター別アプローチ」とは「業種(分野)毎に何かやって行く やり方」となります。この場合の反対語は「京都議定書の時の目標設定法」 ですね。京都会議では、「えいやっっ!」と政治的決断で高温化ガス削減の 目標値を決めました。次はもっと理論的に目標値を決めよういうのが、日本 政府の主張だという事になります。 「日本が主張している『セクター別アプローチ』」は次の通りです。 発電、製鉄、セメント、運輸..各分野で、各国が削減出来そうな”生産量 あたりの”高温化ガス排出量を設定し、それを積み上げて、各国の削減目標 にしようというのです。これによって、中国、アメリカの様にエネルギー 効率が悪い国は、日本や欧州の様な国から技術導入して大きな削減目標を 立てられるだろうし、途上国も部分的な目標を立てて削減に参加できるかも しれないとメリットが主張されています。 最大の問題点は、「生産量当たりの削減目標」を設定しようとしている トコロです。生産量当たりの高温化ガス排出量20%削減しても、生産量が30 %伸びれば排出量は増えてしまいます。結局、地球高温化は進んでしまうの です。この半年だけを考えれば経済縮小傾向ですから問題ありませんが、 特に発展途上国では当然大きく経済拡大すると考えなくてはならないハズ です。 しかしその他の部分は、理論的には政治的に削減目標を立てるよりも優れ ています。政治的に立てる目標なんて、当てずっぽうで何かやる様なレベル です。 そんな理論的には優れている「セクター別アプローチ」ですが、どうやら 誰にも評価されている様子がありません。現実的ではないからです。目標を 立てる元になるセクター別の削減可能量を各国でいくつも設定しなければ なりません。そこにたどり着くまでに国際的に調整しなければならない項目 が多すぎます。セクターは、いくつ、どれを設定するのか。既存設備につい て、どれくらいまで入れ替えられると設定するのか。導入技術は最新のもの で削減可能量を計算するのか.....そんなトコロまで合意しようすると 10年以上かかりそうです。当てずっぽうでも、何か対策をした方が良いで しょう。 また、主張しているのが日本だというのが、国際的評価を得られない最大 の原因になっています。オイルショック以来省エネが進んでいる日本は、 セクター別アプローチで目標設定すると、削減目標が最も減るだろうと見ら れるのです。それでは、どの国も賛成しませんね。 ☆本題のISO14001解説−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 4.3.1 環境側面 ▼環境側面 会社は、”会社の活動に関する『環境側面』”には何があるか一通り全部 (著しくないものも含めて)把握して下さい。 また同じ様に、”会社の製品に関する『環境側面』(製品が使われるときや、 捨てられた時など)”、”会社のサービスに関する『環境側面』”にも何が あるか把握して下さい。 更に、自社に関するものだけでなく、取引先などの関係先に頼めば「ちゃん と管理してもらえる様になるだろう」、あるいは「改善してもらえるだろう」 と思われるものまで同様に、何があるか把握して下さい。 これらの『環境側面』に何があるか把握するときには、今、現にあるもの だけでなく、時々から数年に1回しか発生しないもの、事故でも起こらない 限り発生しないがその様な場合には発生するもの、将来発生することが予想さ れるもの(例えば、仕事のやり方などを変更中だったり、工場を建設中だったり その計画があるとき)、までを含めて考えて下さい。 ここまでに把握した『環境側面』は一覧表などにして、見える形(文書)に して下さい。 ▼著しい環境側面 一通り把握した『環境側面』のうち、環境的に見て問題が大きく、「ちゃん と管理するべきだ」又は「改善するべきだ」と思われるものはどれだか決めて 下さい。その決めた『環境側面』を”著しい環境側面”と呼びます。 決めた”著しい環境側面”も、一覧表などの見える形にして下さい。 【解説】「・・・するべきだ」と考えるものを、”著しい環境側面”と決め て下さい。「・・・したい」ものは”著しい環境側面”とは限りません。 また、「管理や改善が難しいから」といって、勝手に除いて考えてしまう と、環境マネジメントシステムに歪みができてしまいます。 また、”著しい環境側面”は相対的なものです。例えば経営コンサルタ ント事務所で”著しい”と判断される環境側面も、発電所では全然”著し く”ないでしょう。 ▼手順(やり方) これらの『環境側面』を一通り把握するやりかたと、どれが”著しい環境 側面”だか決めるやり方は、あらかじめ定めておいてそれに沿って行って下さ い。必要な場合は、そのやり方を直して下さい。 定めた”著しい環境側面”は、環境マネジメントシステムを組み上げて、 その通り行って、必要な場合に改める一連の活動をするときに、いつも忘れず に考慮に入れて下さい。 【解説】”著しい環境側面”は、何かの事情がなければ改善テーマにするの が基本です。96年版では、この段落は「”環境目的(改善活動のテーマ)” を決めるときに考慮して下さい。」と書かれていました。それ自体は変わ っていないのですが、「環境目的を決めるときだけでなく、いつも考慮 して下さい。」というのが04年版の言いたいことです。 尚、”何かの事情”には、既に改善してしまっているので技術的にもう 改善は難しい、技術がないわけではないけれども金銭的に難しい、事故は もう十分に起こりにくい、という様なものが考えられます(4.3.3項参照)。 これらの『環境側面』に何があるか、”著しい環境側面”はどれかという事 は、時間が経つと移り変わってしまいます。適度な間隔で、新しい情報に直し て下さい。 【解説】「環境マネジメントシステムを今から組み立てる会社では」環境 方針の制定に先立って、著しい環境側面を特定したり、その為に必要な 情報を集める(初期レビュー)を行うべきであるのは、ISO14001成立の ずっと前からの常識です。また、ISO14001にも96年版まではA3.1項に 書かれていました。 しかし04年版からは、ISO9001との整合性の為という事か、その様な事 は削除されてしまい、書かれていません。これ以降に環境マネジメント システムを学ぶ人に伝わらないかもしれないのは非常に問題なのですが、 『初期レビューを行う』のはずっと前からの常識です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1月末にWebサーバを移転しました。不具合を発見された方はご連絡下さい。 口語訳:ISO14001は「ISOで小難しい言葉を使わない運動」を強く推進して います。 口語訳:ISO14001は、ISO14001の口語日本語訳です。JIS Q 14001の口語訳では ありません。 口語訳:ISO14001は、うちわ(社内など)で利用頂いて結構ですが、印刷物・Web などの多数へ配布する媒体に無断で引用するのはご遠慮下さい。 尚「環境豆知識」は、無断でない限り、かなり広範囲に許諾するつもりです。 ご質問、ご意見、ご相談、原子力発電撤退は大歓迎です。 他の項目の解説は: http://www.kiriishi.net/14001/top.htm バックナンバーは: 環境豆知識インデックスからご利用下さい 環境豆知識インデックスは: http://www.kiriishi.net/14001/mame.htm マネジメント改善研究所ホームページ: http://www.kiriishi.net/ メールマガジンの登録・解除は: http://www.kiriishi.net/14001/mag2.htm 情報セキュリティ版メルマガは http://www.kiriishi.net/7799/mag2.htm ご意見、ご感想、ご質問は: info3@kiriishi.net ○発行 マネジメント改善研究所 ○編集 切石 庄之介 Copyright マネジメント改善研究所 マネジメント改善研究所は、石川県金沢市にあります。 春一番で電車が止まらない限り、土日祝日を問わず編集人自ら全国に出張可能です。 ここまで



