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2009/01/27

口語訳ISO14001 with環境豆知識 ~3.5環境

No.233                       09.01.26
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  口語訳:ISO14001(最新版) with 環境豆知識

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  土日は用事がありまして、東京まで出かけておりました。何の用事であっ
 たかは、発表出来る様になりましたら発表致します。加えて昨日、急な仕事
 が入りましたので、メルマガの発行は遅れてしまっております。

  発行が遅れているうちに、困ったニュースが伝えられましたね。既に、
 このメルマガでも何回かお伝えしている「中央卸売市場(築地市場)」の移転
 先予定地の「豊洲:東京ガス工場跡地」の問題です。

  07年11月の調査で土壌中5.1mg/kgだけが発見されていた『ベンゾピレン』
 ですが、08年の民間業者の調査で590mg/kgも検出されていたにも関わらず、
 「予定の議題になっていない」という言い訳で、専門家会議では報告されず
 に、後日電子メールで委員に報告されたのだという事です。

  ベンゾピレンは「証拠が充分に揃っているとは言えないが『おそらく発ガ
 ン性がある』と思われる」物質と公的に認められています。こんなものが、
 以前の調査の100倍以上も見つかっているのに、今後の浄化計画を考える専門
 家会議に報告されないのでは、適切な計画が建てられやしません。

  東京都は他にも隠し事をしているのではないかと疑ってしまいます。東京
 都には、関係者・市民の信頼を得ようという気はないのでしょうか。

  では、233号。  


★環境豆知識−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

  製薬会社のファイザー(バイアグラの発売元としても有名)が各都道府県の
 200人づつ、計9400人にアンケート調査したところによりますと、世の中の
 7〜8割の人は「症状が改善されたから」と、勝手に薬を飲むのをやめて
 しまう事があるのだという事です。
 (http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2009/2009_01_20.html)

  これが、咳止めとか、痛み止めの様に「症状を緩和する」事が目的の薬
 ならば特に問題はありません。しかし抗生物質や抗菌薬の様に、病気の原因
 になっている微生物などを取り除こうとする薬でも同じ様にするという事で
 すから、大問題です。

  抗生物質、抗菌薬、抗ウィルス薬などは病原菌やウィルスなどの「病原体」
 を減らす為の薬です。病原体が体内から減ってくれば症状は治まって来ます
 が、病気は治っていません。まだその程度では、病原体は身体からなくなっ
 ていませんので、薬は必要なのです。まぁ、身体の方でも免疫などの病原体
 を撃退する仕組みがありますから。自覚できない程度の症状が続きながらも、
 いずれ治る事の方が多いです。


  そこまでなら「大問題」ではありませんが、大問題はその先です。治りか
 けのその人の身体の中では、病原体が随分少なくなっているわけですが、
 なくなってはいないわけです。その、減った病原体と、生き残った病原体の
 違いは何だったのでしょうね。

  普通に考えても、薬に強かった病原体が生き残って、薬に弱かった病原体
 は先に死んだわけです。ですから、その生き残った病原体は「薬で死ににく
 い」病原体なのです。一旦治まって再発する病気や、治りかけの人に感染さ
 れた病気は、今度は「薬で死ににくい」病原体ばっかりで起きる事になり
 ます。ですから、『薬は効きにくく』なります。

  それを繰り返して行くと、例えば先週のトビラコーナーでお伝えした様に、
 「『タミフル』が効かない『Aソ連型インフルエンザ』ウィルス」が発生し
 てしまったりする事になります。そのまま繰り返しますと、タミフルはA香
 港型にも効かなくなるでしょうし、他の薬もインフルエンザに効かなくなり
 ます。

  33号で、家畜に使う抗生物質が主な原因になって「耐性菌」が発生する
 仕組みをお伝えしましたが、人間での薬の使われ方も相当いいかげんなので
 すね。これで、家畜や養殖漁業で使われる事がいない抗インフルエンザ薬に
 まで、あっという間に耐性ウィルスが現れたわけがわかりました。


  このまま、いいかげんな薬の使い方が続けられますと、世界は薬が効かな
 い病気であふれてしまいます。そうなると、現在では簡単に薬で治る病気で、
 将来はたくさんの人が死んでしまう事になります。そう考えると、これは
 環境問題の一種に入って来ますね。

  皆様、「『症状が治まったら薬を飲むのをやめて良い』と医師・薬剤師に
 言われていない薬は、必ず最後まで飲み切る」事を徹底して下さい。

  ファイザーの調査でも、「余った薬は、後日同じ症状が出たら使う」と
 いう人がほとんどでしたが、『後日同じ症状が出たときには、同じ薬は効か
 なくなっている』タイプの薬がたくさんあります。


☆本題のISO14001解説−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

3. 用語の定義
3.5 環境
 会社とその活動をとりまいているもの。
地球環境や自然環境の他に、『人』も環境に含まれると考えて下さい。

【解説】序文に、作業環境はISO14001では”環境”とは扱わなくて良いと書い
 てあります。「とりまいていない」という事でしょう。もちろん、自主的に
 取り扱う事にしてもよいです


【ちょっとだけ上級な解説】
  ISO14001に書いてある「環境」の定義を全部直訳すると、「会社の活動を
 とりまくもの。例えば 大気、水、土壌、天然資源、植物相、動物相、人な
 どの相互関係を含む。」と書いてあります。

  というわけで、口語訳では難しいことを全部省いて「会社とその活動を
 とりまいているもの。地球環境や自然環境の他に、『人』も環境に含まれる
 と考えて下さい。」と表現しています。

  ところで、日本規格協会の翻訳(JIS Q 14001)には、「大気、水、土地、
 天然資源、植物、動物、人およびそれらの相互関係を含む、組織の活動を
 とりまくもの」と書いてあります。

  ここで『動物相、植物相』という言葉が問題になります。原文(英語)では、
 ”fulora、fauna”と言います。あんまり一般には馴染みのない、やや学術的
 な言葉です。Microsoft Officeについてくる辞書にも、和英には載っていま
 すが国語辞典には載っていません。そのため規格協会の翻訳者は、自分に
 馴染みのある「動物、植物」と勝手に訳してしまったのでしょう(どんな英和
 辞書にも、そんな訳は載っていません)。

  『動物相、植物相』というのは、そこにどんな種類の動植物が、どんな数
 の割合で、どんな相互バランスをとりながら生息しているかという事です。
 一語で言い換えると「生態系」という事も出来ます。「動物、植物」とは
 言い換えられません。「三毛猫が一匹通りかかった」とか、「花が一輪咲い
 ている」という事ではないのです。

  例えば、ブラックバスがため池に密放流されて、ゲンゴロウや希少なトン
 ボが絶滅し、メダカもほとんど居なくなってしまったが、ブラックバスは数
 を増やし釣りファンは喜んでいる、という状況について考えてみて下さい。

  「動物」と言ってしまうと、ブラックバスが増えているんだからいいじゃ
 ないかという論が成り立ってしまいます。しかし、「動物相」は全く様変わ
 りしてしまっていて、完全に破壊されてしまっているわけです。ですから、
 「動物」と言ったときと「動物相」と言った時では全然話が違ってきます。

  別の例で言えば、崖を切り開いて山に道を通したとします。切り開いた所
 は、そのままにしておくと崩れてしまいますから、モルタルなどで固めなけ
 ればなりません。しかし傾斜に少し余裕のある場所は、「植物の種を蒔いて、
 植物の根で固まってもらおう。」という環境配慮(?)をする事が出来ます。
 それによって、水を自然に土に染み込ませることも出来ますし、モルタル
 寿命ごとに再工事しなくて済みます。しかしそんなところに蒔く種は、北米
 や豪州産の○○グラスという草や、ハンノキなどのやたらと育つのが早い木
 で、元々そこには生えていない草木になります。そうした場合、モルタルで
 固められるよりは「植物」が生えていて環境に良いですが、「植物相」は
 全く破壊されます。 もしかすると、タネが広がって周辺の「植物相」まで
 広範囲に変化させてしまうかもしれません。

  最近では、撒いた種が外来生物法の指定を受けたり、指定が取り沙汰され
 たりして騒ぎになる事が出てきました。

  「動物、植物」と「動物相、植物相」はそれくらい違う語なのに、日本
 規格協会は混同してしまい、日本での『環境』の理解を妨害する事になって
 しまっているのです。

  ちなみに”fulora、fauna(植物相、動物相)”は、14001の96年版では
 ”植物、動物”と訳されていましたが、02年に発行されたISO19011(監査と
 監査員の規格)では正しく”動物相、植物相”と訳されています。しかし、
 14001:04ではまた元の誤訳に戻ってしまいました。日本規格協会の翻訳者
 は、関連規格の訳もあまりよく見ていない様です。

【追補】「土地」と「土壌」も少々意味が違いますが、『動物相/植物相 →
 動物/植物』の様に本質を変えるほどまでは違いません。


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〜先週号の訂正〜
 「記録」の項番が3.5になっていましたが、3.20の誤りでした。
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