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2008/05/03

障害、後見Q&A(第30回 08・05・03)

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    障害年金、成年後見Q&A第30回(08・05・03)

【障害年金Q&A】

Q、私の知人は、精神障害のため、治療スタッフに対する拒絶、拒食など
  自閉的生活を送っており、今後とも常時病院において医師及び看護師
  の介護、介助を受けなければほとんど自分の用を足すこともできない
  し、入院先ににおいても監護、治療が困難な状況にあり、この症状は
  持続すると診断されています。
   そこで、精神障害により2級以上の障害厚生年金が支給されるだろう
  と、裁定請求をしたところ、3級にされてしまい、不服です。どうした
  らよいでしょうか。

A、裁定に不服がある場合は、不服申し立て・審査請求制度を活用するこ
  とができます。不服申し立て・審査請求は、「行政庁の違法又は不当
  な処分その他の公権力の行使に当たる行為に関し、国民に対して広く
  行政庁に対する不服申し立ての道を開くことによって、簡易敏速な手
  続きによる国民の権利、救済を図るとともに、行政の適正な運用を確
  保することが目的」です。

   具体的には、行政庁の処分のあったことを知った日から60日以内に
  、まず都道府県社会保険地方事務局に置かれている社会保険審査官に
  不服申立の審査を請求します。社会保険審査官が請求を拒否した場合
  には、60日以内に厚生省に設置されている社会保険審査会に再審査請
  求ができます。社会保険審査会で再審査請求が棄却された場合は、最
  終的には裁判所への提訴で司法の判断を求めることができます。

   ところで、あなたの知人の現在の日常生活活動能力、労働能力は、
  病院の診断書によれば、自閉的で、食事をはじめ身のまわりのことは
  独力でできず、労働能力は全くありません。日常生活状況は、簡単な
  買物もできず、入浴・洗面・着衣も一人ではできない程度です。
   日常生活能力の程度も、精神症状が認められ、身のまわりのことは
  入院先の介護者の援助によってかろうじてできるが、適切な援助や保
  護が必要な状態です。

   『障害認定基準の説明』(「厚生出版社」)によれば、「精神の障
  害の程度は、その原因、諸症状、治療及びその病状の経過、具体的な
  日常生活状況等により、総合的に認定するものとし、日常生活の用を
  弁ずることを不能ならしめる程度のものを1級に、日常生活が著しい
  制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする
  程度のものを2級に認定する、としています。
   また、上記の2級の程度は、「かならずしも他人の助けを借りる必
  要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を売ることが
  できない程度のもの」とされています。これと、あなたの知人の日常
  生活とを比べてみれば、あなたの知人は、2級以上の困難な状態にあ
  ると、考えられます。
   社会保険審査官に対し、審査請求を求める根拠があるのではないで
  しょうか。
   
【成年後見Q&A】

Q、年配者の中には、成年後見制度の利用について、「自分の戸籍簿に宣
  告された旨と後見人、保佐人の氏名が載せられるからいやだ。そんな
  ことになったら子や孫の就職にも差し支える」という方もいます。
  いまでも、そのような形で登記されるのですか?

A、確かに、旧法の下での成年後見登記はそうした形で行われてきました
  が、批判もつよくあり、H12年4月1日から施行された新しい成年後見
  制度では、このような現状を踏まえ、また保佐や補助制度では同意権
  、代理権の範囲について多様性があるので、戸籍への記載では到底対
  応できないことから、成年後見開始などを戸籍簿には記載せずに、新
  たな公示制度として成年後見登記制度を設けました。
  なお、成年後見登記事務は、当面東京法務局一か所で全国の事務を取
  り扱っています。

   後見登記等ファイルに記録される事項は、成年後見では、例えば、
  後見等の種別、開始審判をした裁判所、その審判の事件の表示及び確
  定の年月日など10項目。任意後見契約では、例えば、任意後見契約
  に係る公正証書を作成した公証人の氏名及び所属並びにその証書の番
  号及び作成の年月日など10項目とされています。
   この後見登記等ファイルに記載された事項を証明する文書を登記事
  項証明書と言いますが、登記事項証明書は、後見登記等ファイルに記
  載された方のプライバシーにかかわる事項が記載されたものですから
  誰でもこれを入手できるわけではありません。

   つまり、本人や成年後見人等の関係人以外の全くの第三者は、この
  登記事項証明書を入手することはできません。取引をする際に、その
  相手方が法定後見等を受けているおそれがある場合には、その本人や
  親族などに登記事項証明書をとってもらい、これを見せてもらうこと
  が大切です。

   また、法定後見または任意後見を受けていない人については、自分
  が成年被後見人、任意後見契約の本人等とする記録がない旨の登記事
  項証明書の交付を請求することができます。


     【お知らせ】

  本号をもちまして、障害年金・成年後見Q&Aをひとまず、終了させ
  ていただきます。何回か、遅れが出たことをお許しください。
  地味なテーマですが、大事なことと考えていますので、構想を新たに
  して、また6月ごろから発行するつもりです。
  ご購読いただきました皆さんに、感謝します。では、また。

  ご意見、ご質問は以下のメールからどうぞ。
  e-mail:north-peak-suda@jcom.home.ne.jp

  社会保険労務士、行政書士 須田事務所のホームページもどうぞ。
  http://members.jcom.home.ne.jp/north-peak-suda/

  配信中止はホームページのメルマガからできます。

  参考資料 

  障害年金 『障害者が自立できる年金を』鈴木静男著
       
  成年後見 『高齢者の財産管理』本橋美智子

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