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「エンドレス・サマー」をモチーフに、終わりなき夏を題材にした短編集です。 Fantasy_since_1959 WebSpaceは、起業したいあなたのライティングをサポートします。

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2009/09/15

脚線美の誘惑─2009 Summer Edition 夢(ゆめ)/章前 後編

2009年9月15日発行
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Fantasy_since_1959 WebSpace   2009年9月号 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.fantasy.or.nu/  ━━
2006年08月03日
真夏の情景Vol.5

この歳で一目惚れをするとは思わなかった。俺は彼女を見た途端に
恋に落ちた。

とは言え、俺も一応分別はあると自負しているので、そんな態度は
微塵も見せなかったと断言できる。彼女は女子大生で、夏休みを利
用した職場の実習生だった。

俺の職場は性格上、美人が多い。そんな中で仕事をするには、女性
を女性として意識しないようにしないと仕事が回らない。いちいち
惚れていたのでは、敏感な彼女たちとの関係がぎこちなくなってし
まうからだ。

初めて彼女を上司から実習生として紹介され、彼女は俺の職場で体
験実習をすることになった。俺は彼女の実習担当として、真夏の二
日間、マン・ツー・マンでOJTをすることになった。彼女は仕事
をよく理解し、うまく立ち回った。直感と洞察力が鋭いのだ。

一日目の午前中の体験実習を終えて、俺は彼女と社員食堂で昼食を
取った。

「疲れましたか?」俺は飯を食べながら聞いた。

「少し・・・、でも、大丈夫です」彼女は朗らかに応えた。

「午後からはもっとハードになるから、がんばってね」

「はい!」小気味が良いほど、元気がいいのだ。

二日間の実習は、あっという間に終わった。彼女には実習の最後に
レポート提出の課題が残っていた。レポートを俺に提出して、俺が
許可をしたら帰宅できるのだ。

業務が終了し、閑散としたデスクで彼女はレポートを熱心に書き、
小一時間で俺に持って来た。俺は一通り目を通し、このレポートな
ら問題ないな、と思った。

指示を待っている彼女に俺は言った。「二日間、お疲れ様でした。
よくできたレポートだった。この体験を活かして、就職活動にもが
んばってください」

「ありがとうございました」彼女は丁寧に挨拶し、更衣室に去って
行った。

その時、クリップで留めてあるレポートの最後に、留めていない一
枚があるのに気が付いた。そこには親密なコメントと、彼女の携帯
電話の番号が書かれていた。

俺はいささか動転し、その後苦笑した。真夏の恋は打ち上げ花火の
ようなものだ。俺はその一枚をもう一度読み、ゆっくり歩いて行き、
オフィスのシュレッダーにかけた。

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【目次】
【1】脚線美の誘惑─2009 Summer Edition 夢(ゆめ)/章前 後編
【2】編集後記
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【1】脚線美の誘惑─2009 Summer Edition 夢(ゆめ)/章前 後編

 その日をきっかけにして、田沢は夢(ゆめ)とメールのやりとりをするよう
になった。彼女のそれは店への誘いの営業メールのようだったり、彼への思
慕の情を綴ったラブレターのようだったりした。彼は誘われるままに、時間
があるときは店に顔を出し、時間をつくっては昼食をともにしたり、一緒に
連れ立って映画を観たりした。そのようにして、ふたりはお互いに馴染み、
うちとけた関係になっていった。
 彼女の勤務が休みの晩、彼は彼女に有楽町の小料理屋の夕食に誘われた。
こじんまりとした日本家屋を店にした奥まった個室で彼女は待っていた。
 「今日はお願いがあって、いらしていただいたんです」
 彼が座敷に入るなり、端正な和服姿の彼女は小さな声で言った。
 「お願い?」
 彼はネクタイを緩めながら、机を挟んで彼女の前に胡坐をかくと、訝しげな
表情をした。仲居が注文を取りに来たので、麦酒と板長のお奨めコースを頼ん
だ。
 「君のお願いなら、可能な限りいつも聞いているじゃないか。そんなふうに
改まって言われると、なんだか恐いね」
 彼は運ばれてきた麦酒で乾杯すると、冗談めかした口調で言った。
 「本当はもう銀座を降りたいの」
 彼女の美しい理知的な表情に翳りが差した。
 「どこか誰も知らない辺境の地で、あなたとふたりであてのない暮らしをし
たいんです」
 彼は黙って麦酒に口をつけていたが、おもむろに口を開いた。
 「それが無理なのはわかっているだろう?」
 「わかっています!だから、せめて一泊でいいから旅行がしたいの。あなた
との思い出づくりをさせてください」
 彼女の真剣な口調に、彼は反論することができなかった。日本料理の典型の
ような品格のある料理の数々を口にしながら、いつしか会話は途切れていた。
 「わかったよ。それで、いつ行きたいと思っているんだ?」
 彼はゆっくりと聞いた。
 「できれば、明後日。その日は皆既日食なんです」
 「皆既日食?変なことにこだわるんだね」
 「日常生活から離れて、束の間の幻想の世界で遊ぶには、その日が一番いい
んじゃないかって思って」
 彼女にはいつもの洗練された美しい表情が戻っていた。

 明後日、旅行当日、週の半ばだったが、彼は休暇を取って、彼女と新幹線の
グリーン座席に座っていた。彼女は彼がリクエストしたグレーのミニワンピー
スを着ていた。非の打ちどころのない完璧な美しさだった。
 彼女が手配した宿は、東京から新幹線で二時間程度の場所にある温泉地だっ
た。駅からタクシーで小一時間の場所に、その典型的な日本旅館は建っていた。
荘厳な造りではあるが、新築かと見間違えるほどに手入れがいき届いた、格式
のある旅館だった。
 午後三時、女将に案内されて五階建ての最上階にある部屋に入った。ホテル
で例えると、スイートルームになるのだろうか、部屋数だけで四室、専用の露
天風呂と室内の家族風呂が付いていた。
 彼らは青畳のかぐわしい香りがする二十畳はあるかと思われる部屋で、仲居
が運んできたお茶を飲んだ。
 「男の究極の遊び、というのを思い出したよ」
 彼は照れ臭そうに言った。
 「何?」
 「日本海に面した旅館に部屋を取る。そこで、風呂上がりにどてらに着替え
て、堀炬燵にいい女と足を突っ込む」
 「うんうん」
 「一緒に蟹の身をせせりながら、差しつ差されつ酒を呑む」
 「情景が見えるわね」
 「部屋の隅には目の見えないひね沢庵のようなおばん芸者をひとり置き、三
味線の名曲『雪降り』を弾かせる」
 「いやに具体的なのね」
 「窓の外には牡丹雪が降っている・・・・・・」
 彼女はくすくす笑うと
 「究極の遊びかどうかはわからないけれど、十分後に露天風呂に来て」
 と言って、部屋を出て行った。

 夕食を知らせる部屋の電話が鳴っているのを、ふたりは奥の間の布団の中で
抱き合いながら聞いていた。
 「夕食、どうする?」
 彼女は囁くように聞いた。
 「腹は減ってない」
 「私も」
 「後で外に食べに行こう」
 彼は言いながら、彼女に唇を重ねた。

 小旅行から帰り、彼は仕事に没頭した。一週間ほど経過して、彼女に連絡を
取ろうとしたが、携帯は解約され、彼女は店を辞めており、完全に姿を消して
いた。              

                                  了
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【2】編集後記

 メールマガジン Fantasy_since_1959 WebSpace をご購読いただき、あり
がとうございます。

 誠に勝手ながら、弊誌は2010年3月まで休止いたします。

 2010年4月号より、パワーアップして復刊いたしますので、読者の皆さまの
ご理解とご愛顧を賜りますようよろしくお願いいたします。

                                Fantasy
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If there's anything you need
All you have to do is say
You know you satisfy everything in me
We shouldn't waste a single day

**So don't stop me falling
It's destiny calling
A power I just can't deny
It's never changing
Can't you hear me,I'm saying
I want you for the rest of my life

*Together forever and never to part
Together forever we two
And don't you know
I would move heaven and earth
To be together forever with you

If they ever get you down
There's always something I can do
Because I wouldn't ever wanna see you frown

I'll always do what's best for you

There ain't no mistaking
It's true love we're making
Something to last for all time
It's never changing
Can't you hear me,I'm saying
I want you for the rest of my life

*Repeat

**Repeat

*Repert to fade

   TOGETHER FOREVER(by RICK ASTLEY)
 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=XLsJryWc5XE

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