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2008/05/14

法律・経済最新ニュースのかんたん解説 197号

法律・経済最新ニュースのかんたん解説        読者数 5,654名
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 Vol.197                2008/5/14 (毎週水曜日発行)
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┏ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  1. リース取引に関する会計、税務の取り扱い
  2. 建設業〜経営事項審査の改正〜
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◎ リース取引に関する会計、税務の取り扱い
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 平成19年 3月30日企業会計基準委員会が「リース取引に関する会計基準」を発表し
ました。その内容は従来のリース会計(支払額を費用処理する)を改めて、売買処理が
義務付けられました。それに伴い、平成19年度税法改正において、リース会計基準と
の整合性を図るため、ファイナンスリース取引については、平成20年4月1日契約分か
ら、売買があったものとして、所得金額の計算を行うものとした。また、消費税の取
り扱いも売買があったものとして、契約時に一括して消費税を控除することとされた。
 改正の根拠は、売買とリースはその経済効果はほとんど同一でありながら、まった
く違う処理がなされていることの矛盾と、国際会計への調和の必要があったというこ
とです。例えば経営分析で主要な比率に総資本利益率があります。利益/総資産(総
資本利益率)=利益/売上(売上高利益率)*売上/総資産(総資産回転率)と計算しま
すが、売買とリースでは売上高利益率はあまり変わらなくとも、総資産回転率は分
母の値が大きく変わる場合があり、リースのほうが数値はよくなります。そこで、ほ
とんどの企業がリ−ス料として処理していたのです。
 リース取引は原則売買処理としても、会計監査が適用されている大企業は順守しな
ければなりませんが、中小企業は強制されません。ただし、税法には従わなければな
らない。中小企業は従来通りリース料として処理をしてもかまわないのですが、税務
署はそれを減価償却費とみなすということです。税務申告において別表16(4)リー
ス期間定額法による償却費の計算に関する明細書を作成して、償却限度額の超過に気
をつけなければなりません。また、消費税の計算においても売買とみなされるので、
契約時(使用開始時)において総リース料の金額の105分の5を仮払消費税として処
理する必要があります。ただし、利息相当額が明示されている場合は、その金額は非
課税なので、同額を除いた金額で計算することになります。なお、租税特別措置法の
扱いは、リース税額控除は廃止され、取得と同じ扱い(リース料総額の100%の
7%)となりました。特別償却については、リースは買取りと違って所有権が移転しま
せんので適用されません。

                        公認会計士 魚住正治

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◎ 建設業〜経営事項審査の改正〜
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 平成20年 4月に改正された建設業の経営事項審査制度について前回に引き続きお知
らせします。
  今回は、改正された経営状況分析の評点( Y点)を評価項目にする改正経営事項審
査についてお話します。公共工事を行いたい建設業者は、毎決算年度ごとに決算変更
届(事業年度報告書)を提出し、経営事項審査を受審する必要があります。経営状況
分析というのは、経営事項審査の審査項目のひとつで、事前に経営状況分析機関に財
務諸表等を提出し、点数化された結果通知書Y点を取得することです。
  前回お話したように経営状況分析は、新たな評価体系と評点分布に大幅に改正され
ました。経営事項審査については、経営状況分析以外の審査項目についても大きく改
正されました。それでは、それぞれの審査項目について説明します。

○ X1点・・業種別の完成工事高を評価。ウェイトがこれまでの0.35から0.25に引き
  下げられました。完工高の上限が引き下げられ、評点の上限も引き下げられると共
  に評点の下限も引き下げられました。これによって完工高が 5億円以下の層で、評
  点に大きな差が出るようになったといわれています。
○ X2点・・自己資本額(純資産額)・利払前税引前償却前利益(EBITDA)を評価。
  利払前税引前償却前利益(EBITDA)とは、営業利益+減価償却費を指します。減価
  償却費を評価の対象となったことにより機械設備を保有する企業が評価され、ペー
  パーカンパニーが排除される傾向とされています。
  ウェイトが、0.1から0.15に引き上げられました。上記 X1と異なり、売上高が小さ
  い層では、評点の差がそれほどつかないよう設計されています。
○ Y点・・経営状況分析の評点。大企業では分布幅が広がる一方で、小規模企業にお
  いて高すぎる評点が出ないよう、企業実態に即して評点が算出されるよう設計され
  ました。
○ Z点・・技術職員数と元請完工高をそれぞれ数値化したものの合計額を評価。元請
 の完工高を新たに評価対象とするとともに、1人の技術者が複数業種で重複カウント
  することを 2業種までに制限されるようになりました。技術者の中でも、一定の要
  件を満たす基幹技能者については加点の対象となりました。
  ウェイトも0.2から0.25に引き上げられました。
○ W点・・その他の項目(社会性等)。社会保険・労働保険など労働福祉の状況や防
  災協定の締結、営業年度等について加点・減点の幅が拡大されました。特に社会保
  険等未加入については、マイナス評価を受け、 W点全体に影響を及ぼすようになり
  ます。また、建設業法に基づく行政処分など法令順守の状況も評価の対象となりま
  した。
  また、経理の信頼性向上の取組み(会計監査人の設置等)は加点評価されます。
  企業の社会的責任の果たし方によって差がつく評価となっています。
  今回の改正によって、完工高(売上)が良いだけでなく、元請工事高などその内容
  が重視されるようなりました。技術者については資格だけでなく技能者講習を受け
  ているか、元請のマネジメント能力が重視されます。財務内容も、採算性の向上が
  一層求められます。今回の経営事項審査の改正が量より質であるといわれる所以で
  あると思います。
    新しい基準での経営事項審査の適用は平成20年 4月 1日申請分からですが、発注
  者が新経審での評点を求めると考えられていますので、直近の決算日で新基準の経
  営事項審査を受ける予定がない業者については、新経審での再審査を受ける必要が
  あります。
  ご注意ください。

                            行政書士   谷 口  恵 子

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