中高年のためのギター教室
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<メールマガジン> 中高年のためのギター教室(追加号)
発行者;広垣 進(伊勢市)
ホーム … http://www.amigo.ne.jp/~hiro7167/
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「ミスをなくすには」 広垣 進
メールマガジンの読者の方から「ミスをなくすには、どうすればいいで
すか」みたいな質問をお受けしました。
実は、それは、私にとっても極めて難しい課題で、若い頃からけっこう
苦労しています。
CDやネットで演奏を公開する際、あまりにもミスを頻発するので、何
度もくり返し録音と消去を繰り返した後、表現の不足を棚に上げ「やっ
とノーミスで弾けた。もうこれでいいや」という状況でケリをつけてし
まうことが多いという始末です。
ただ、「苦労している」ということは、何がしか、皆様の参考になるよ
うなことを書き記せるのでは………という気もします。
あくまで私のレベルの話ですがよろしくお願いします。
○
私が自らの演奏を振り返り、「ミスが多いな」と思うのは、主として以
下の場合です。
1)体調不良や疲れからくる集中度の不足
部屋の温度や騒音といった外的な環境については、対応の仕方はおのず
と決まってきます。
静かなおちついた部屋がいいに決まっていますし、暑くても寒くてもい
けないことは明らかです。
難しいのが、弾く人本人(つまり私自身)の問題です。
健康維持が大事なのはもちろんです。
「疲れたな」と思いながら弾くようでは、ミスのない演奏は望めません。
睡眠については、「長さ」のほかに「深さ」も重視しなくてはいけない
でしょうね。
夜遅く消化の悪いものを食べていてはだめです。
また、「たっぷり食事をとったら、よけいに疲れてしまった」というこ
とだってあります。
2)反復練習(弾きこみ)の不足
これも詳しい説明はいらないでしょう。
若い頃、コンクールの課題曲となったバッハの「小プレリュードBWV999」
を3000回通して弾き、本番にのぞんだことがありましたが、結局、曲の
冒頭でミスをしました。
なかば意地になって、最高で1日に100回も弾いたこともありましたが、
きっと「密度の濃い3000回」ではなかったんだと思います。
練習回数をかぞえる場合は、ある程度集中して弾けた演奏だけを対象に
したほうがいいでしょう。
また、技術的に不安のある曲の場合は、「通し練習」の回数を数えるよ
りは、問題となる箇所を繰り返し(遅めの速度で)弾き、その回数を数
えたほうが、はるかに効果的だと思います。
そうそう、「ノーミスでの演奏をめざす」ということなら、「ノーミス
で弾けた回数だけを数える」という方法がありますね。
……これは非常にシビアです。実は私もやったことがありません。
が、プロを目指す方は、ここまでやったほうがいいでしょう。
3)テンポ設定のミス
おそらく、これはだれしも経験あるかと思います。
そのたいていは「速く弾きすぎた」ことによるミスの頻発です。
遅く弾きすぎても、別なミス……たとえば、テンポが維持できない、フ
レーズがつなげられない……というミスを生じる可能性があります。
第1には、メトロノームを使って、反復練習する方法でしょう。
ただし、この方法だけですと、表現力に乏しい演奏となる可能性もあり
ますので、注意が必要です。
もうひとつは……こちらのほうが大事だと思うのですが……おちついた
テンポで弾いたときの音楽の表情をしっかりおぼえこむことです。
「弾きたいと思っていたテンポより速いテンポで弾き始めてしまう(あ
るいは、途中から速くなる)」というのは、音楽を描いていない証拠で
す。(………と、私自身にも言い聞かせるつもりで述べました)
「落ちついた音楽の表情を創ること」を目的としてメトロノームを利用
するのは、有効だと思います。
4)姿勢やタッチに無理がある
姿勢やタッチに無理があると、音楽の表情に関係のない「力み」が、不
意に入ってしまいます。
また、指のかたちや動きに制約がかかります。
その結果、ミスをしやすくなります。
「ラクに弾ける姿勢(あるいはタッチ)がいい」とはだれしも思ってい
ます。
「背筋をのばして」ということも古今東西の常識です。
これは、ギター以外にも(ほかの器楽、声楽、いえ、きっと多くのスポ
ーツでも)あてはまることが多いでしょう。
ここでは、私が最近注意を注いでいるタッチのことを、すこし詳しく述
べたいと思います。
私は、昨年から本年に1年間ほどかけて、タレガやセゴビアの演奏写真
に代表される、爪の親指側を使う古典的、伝統的なタッチを真似てみよ
うと心がけました。
そして「伝統的なタッチで弾くと、音はクリアでシャープなものになる」
ということを確認しました。
それまでは、右手首をのばし気味にして、むしろ爪の小指側を使って弾
く方法を多用していたのですが、「これはいい」とばかりに、「伝統的」
なタッチを習得しようと努力しました。
ところが、さらに練習を続けていくと、「爪の親指側を使うと音はクリ
アに、シャープになるけれども、音型によっては(たとえば、対位法的
な動きや低音、高音のバランスコントロールが必要な場合)には、手首
を伸ばして(爪の小指側で)弾いたほうがぐっとラクだ」ということを
発見しました。
自分の演奏を録音したMDやカセットテープを聴いても、音楽の「しな
やかさ」に差があるように思います。
少なくとも私の場合、現実に、「ミスが少なく、リラックスして弾ける」
という理由で、結果的に「手首を伸ばして弾いたほうがいい」と思える
曲(あるいはその一部)もかなりの割合で存在するのです。
この「タッチの差」は私の癖であって、他の方には適用できないのかも
しれませんが、このことを見つけてからは「ここのところは爪の親指側
で弾いたほうがラクか、小指側で弾いたほうがラクか」ということを考
えるようになりました。
その結果、ミスもすこし減り、表現に幅がでてきたように思います。
5)運指に無理がある
必ずしも印刷、市販されている楽譜の運指が合理的とは限りません。
むしろ「机の上で考えただけ」というのが多いように思います。
私は……おそらく、一部の作曲家先生には叱られるでしょうが……基本
的には、運指を自由に変えられる力も「表現力」のひとつと考えます。
「ラクに弾ける指づかい」を知ることは大事です。
その次は「自分のもとめる音が出しやすい指づかい」を知ることです。
もうひとつ言うと、聴いた人に「心地よい音だ」と思ってもらえる指づ
かいを知ることです。
「心地よい音」が出せるかどうかは、「音がレガートにつなげられる指
づかい」を発見できるかどうかにかかっている……とも言っても過言で
はないでしょう。
「無理な運指のまま、やたらとがんばろうとすること」……これは、避
けたいものです。
では音をつなげるには、どういう運指を考えればいいのでしょうか。
たとえば、音から音へ、同じ弦で弾く場合は、左手の同じ指をすべらせ
る方法があるでしょう。
逆に、異なる弦で弾く場合は、左手は同じ指をつかわないようにするの
がいいでしょう。
以上、私が運指を考える際の基本2点だけを紹介しました。
すべての場合について、文章で記すのは不可能ですのでご了解下さい。
6)フレージングとリズムに難あり
「フレーズをたっぷりと長くとったほうが、ミスが少ない」
……ということがあてはまるのは、私だけでしょうか?
たとえば、有名な「禁じられた遊び」を1小節ずつ「気合」を入れて弾
くのと、4小節まとめてワンフレーズと考えてゆったりと弾くのとでは、
どちらがミスが少ないでしょうか?
私の場合、まちがいなく後半のほうがミスが少ないです。
フレーズを「こまぎれ」にしてしまうと(あるいは何も考えないで弾く
と)、余分な緊張があちこちに生じ、ミスしやすくなる………というの
は私の「仮説」であり、まだ、これについて言及された文章に出会って
いません(………だまされたと思って、皆さんもお試しください)。
リズムも、必要以上に細かく数えるとダメです。
たとえば、4拍子の曲を、細かく8分音符単位で8拍に数える場合も、
ミスが多くなるような気がします。
逆に4拍子の曲を、2分音符単位で2拍に数えるのはどうでしょうか?
これまた、何となく、ミスが減るような気もしますが………。
(これまた根拠はありません。お試しください。私の場合だけかも……)
もっとも、指定外の拍子ばかり考えていきますと、曲本来の持つリズム
感が変わっていきますので、ある部分「邪道」とも言えますが。
7)無頓着な呼吸法
同じ曲の同じパッセージを、「息を吐きながら弾く」「息を止めて弾く」
「息を吸いながら弾く」この3種類の方法で弾いて比べてみると、呼吸と
集中度の関係がよくわかります。
いかがでしょうか?
息を吐いているときと止めているときに比べ、吸っているときは精神を、
(あるいは神経を)集中させにくいような気がしませんか?
これは、スポーツを専門的に行う方なら常識です。
息を吸いながら難しい箇所を弾こうとすると、ミスは増えます。
言いかえれば「息を吐きながら(あるいは止めたまま)、難しい箇所を
弾けばよい」ということです。
人間の身体のこのしくみを演奏に生かすのは、さほど難しいことではあ
りません。
楽譜に、ブレス(息つぎ)の記号”V”を鉛筆で書きこみ、それを忠実
に守って練習を繰りかえし、身体に覚えこませるだけです。
8)ミスしやすい音の把握、ミスが目立つ音の把握ができていない
いつもケアレスミスをしてしまう音があるとします。
これの対策は比較的簡単で、自分の演奏の録音を聴きながら、楽譜にチ
ェックを入れていくのがいいでしょう。
2回弾いて、2回ともまちがえる箇所は要注意です。
そこを集中的にとりくむことが必要です。
「ごまかしが効く音」「効かない音」の問題もあります。
ただし、これは、活字にしていいかどうかわかりません。
「ごまかしていい」というと語弊がありますが、要するに「ミスが目立
つか、目立たないか」という視点です。
メロディーライン、とりわけ最初の音や最高音は大事です。
これに対し、伴奏部分(特に中音域)は大事ではない……とは言いませ
んが、メロディーや低音と同じ音量で弾く必要はありません。
いや、むしろ抑え気味に弾かれたほうが無難です。
この「抑えるべき音」をミスした場合は、比較的「ごまかし」が効きま
す(わかる人にはわかります、もちろん……)が、「抑えてはいけない
音」をミスした場合はアウトです。
9)選曲ミス、楽譜の選定ミス
運指を一生懸命考えながら、いくらゆっくり弾いても弾けない曲……そ
れは「選曲ミス」と言わざるをえません。
これについてふれるのは、割愛しておきましょう。
○
しかし………
「ギターを弾いていること自体が君のミスだ」って言われたらどうしよ
うもありませんね(笑)。
私も、人のことは言えません………。
今日も明日もその次の日も、ボロボロとミスしながら弾いている自分が、
こんな文章を書いているのも、何だか妙なものです。
……「ノーミスで弾けない理由」ばかり書いていると、何だか気が重く
なってきます。
でも、これまでの反省の意味もかね、あえて作文してみました。
これを機に、私自身ももう少し注意していきたいと思います。
今日はこのくらいにしておきます。
「ノーミスで、しかもダイナミックに弾きたい」というのは、私にとっ
て、きっと一生の課題でしょう。
(2004年11月20日完成の原稿を一部修正)
↓Please use this site for a more necessary English translation.
http://www.excite.co.jp/world/english/?before=&wb_lp=JAEN
……英訳の必要な方は、このサイトをご利用下さい……
――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ブログ「私の音楽日記」⇒ http://blog.goo.ne.jp/hiro7167
6月19日(木) 「感謝感激」
市内、藤里町のIさんを中心に、「広垣進と音楽の会」というのを作っ
ていただくことになりました。
「広垣さんといっしょに音楽を楽しみながら、活動をサポートする会」
とあります。
涙が出るほど嬉しく思います。
同時に身のひきしまる思いもします。
10月に発足予定、当面、私のコンサートに無料もしくは割引料金でご
来場、それから手製CDのご進呈……という2つの特典(?)がありま
す。
チラシが限られていますので、「コンサートニュース伊勢」配布協力者
の方々に1枚ずつおとどけすることにしましょう。
ただ、いえることは、チラシを見てご支援いただく方が増える……なん
て甘いことは考えてはいけないということです。
今のところは、ひとつひとつのコンサートやCDをていねいに仕上げて
いくしか方法はありません。
がんばります。
よろしくお願いします。
6月22日(日) 「もうすこし踏ん張ろう」
今日は、地元のギターグループ「ろくげん」さんのコンサート。
もう17回にもなるんですね。
社会人のグループでこれほど長く続けられるというのは、ある意味、
「驚き」と言ってもいいかもしれません。
会場で、これからの私の活動でお世話にならなきゃ……と思われる方々
に何人もお会いしました。
「この方々とゆっくりお話したいな」と思いましたが、仕事にも、活動
にも、生活にも追われている身です。
まっすぐ家に帰り、「投げ出そうか、それとも、もうすこし踏ん張ろう
か」と迷っていたテデスコのソナタの第3楽章「メヌエット」の、いく
つかある難所を集中的にさらいました。
感覚が少しもどってきました。
「ここは、こんな練習をやって、弾けるようになったっけ」と思い出し
たところもあります。
弾いていくことに決めました。
もちろん、若い頃のように「勢い」で弾くことなんて、できるわけがあ
りません。
技術的な不安はたくさんあります。
でも「今の年齢だからこそ、こう弾ける」というのも絶対あるはずです。
それをさがしていくのは、また、楽しい作業でもあります。
6月26日(木) 「覚えないと弾けない曲」
テデスコのソナタの暗譜(のやりなおし)があと少しです。
若い頃一生懸命弾いた曲なら2〜3日で覚えなおしがきくものですが、
2週間かかりました。
「覚えたから弾ける曲」ではありません。
でも、「覚えなかったら絶対弾けない曲」です。
6月27日(金) 「51歳の笑顔」
NHK「スポーツ大陸」で、11年ものブランクを経て37歳でプロ復
活をなしとげたテニスの伊達公子さんを見ました。
笑顔が本当にいいですね。
ブランクがあったからこその笑顔かもしれませんし、37歳にしてこれ
だけのことができる……という意味の笑顔かもしれません。
私はといえば、51歳です。
同じ理屈からすれば、伊達さんよりもいい笑顔が作れるはずです。
がんばらなくっちゃ。
↓メルマガ「私の音楽日記帳」バックナンバー(まぐまぐ版)
http://blog.mag2.com/m/log/0000086287
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