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会計士として監査法人で監査に従事している人間の日常の出来事や想いをつづります。会計士監査を受けている経理・財務の人、監査役の方、株式公開を目指している企業、会計実務や内部統制に関心のある方必読です。最近は国際会計基準(IFRS)の研究もしています。

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2009/09/24

会計士監査こぼれ話

------------------2009/9/24 NO.127


-- 「出荷基準が無くなる??」

                                   
                 発行部数1,230部   

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 みなさんこんにちは。
 今日は売上計上基準についての日本基準とIFRSの話です。現在、
日本における売上計上基準の主流は出荷基準です。日本基準では、
売上については企業会計原則に「実現主義の原則に従い、、、」と
規定されているのみであり、実現主義とは、1.財・役務の提供、
2.対価としての現金同等物の受領という2要件を満たした場合に
売上計上が可能と解されてます。厳密には相手に引渡しや検収をした
時期が実現と思いますが、引渡しデータの入手が難しいことや、
国内の出荷であれば1~2日で相手に到達すること、税務上出荷基準
が認められていること等により、実務的には大半のケースで出荷基準
が容認されてきました。(但し、検収期間が長い場合や中継地に在庫
が留め置かれるケース等は現状でも出荷基準を認めていないケースが
多いと思われます。)

 しかし、より詳細な収益に関する規定を持ったIFRSによれば、
収益は、「リスクと経済価値が相手に移転した時期」に認識すると
されており、出荷時には通常、「リスクと経済価値は相手に移転して
いない」ので、出荷時点での売上は認識できないとなってしまいます。
(通常の商売慣行では、軒先渡しと呼ばれますが、相手に商品を渡す
までは売り手の責任(危険負担)にあるのが普通です。逆にお客さん
が取りに来る場合は、出荷=引渡であるため、出荷基準でもOKなの
でしょう。)

 また、現在、米国とIFRSの設定主体であるFASBとIASBが
収益の基準について根本から議論をしておりますが、ここでも収益の
認識は「支配が移転したとき」という案が提案されており、いずれに
しろ出荷基準での売上計上は厳しい状況と考えられます。さらに日本
でもFASBとIASBの議論を受けて、国際的な基準と整合した収
益認識の基準を作ろうという動きがあります。

以上が、出荷基準が無くなる可能性が高い根拠です。

 であれば、実務上の対応はどうすればというところですが、検収なり
引渡のデータが取れる会社はいいのですが、そうでない会社は相手先の
協力も必要になるため、真正面からの取組はなかなか難しい状況です。
多くの会社でそういう意識が浸透すればやり易くなるんでしょうが、
現状はそこまでの認識はないと思われます。先行するUSやIFRSの
実務では出荷基準で計上した決算末日付近の売上を消去することによって
対応しているところもあるように聞きますが、そのような小手先の対応
で間に合うのかどうか。このあたり、IFRSを先行導入している欧州
の実務が聞こえてこない気がしますが、実際はどうなっているん
でしょうかね。

【発行責任者】
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ペンネーム 会 啓示(かい けいじ)

連絡先 kaikeiji2000@yahoo.co.jp
質問やご不明な点あればいつでも連絡下さい。
まぐまぐ紹介ページ http://www.mag2.com/m/0000128296.html
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