2009/07/26
会計士監査こぼれ話「内部統制監査 重要な欠陥」
------------------2009/7/26 NO.125 -- 「内部統制監査 重要な欠陥」 発行部数1,217部 ------------------------- みなさん、こんにちわ。 今回は内部統制監査について思うところをつらつらと。。。。 ●重要な欠陥はアメリカと比べて随分少ないんですねぇ。 3月決算の内部統制報告書が出揃って、いろいろと分析記事も出ている ところですが、経営財務No2926の集計によると、3月決算会社のうち重要 な欠陥を報告した企業は56社で全体の2.1%とアメリカでのSOX法 初年度の重要な欠陥(MW:Material Weakness)が16.3%であったの と比べると随分少なかったようです。 この差にはいろいろと理由はあるとは思いますが、一つには日本での制度 導入に当たってコストや厳格さで批判の多かったアメリカの制度を他山の石 として、勘定科目を絞り込んだりしたことが挙げられると思います。 二つ目としては、日本の会社は制度が導入されると真面目に取り組む会社が 多く、報告書に×が付くのは会社の恥という風潮もありますので、監査人と しっかりとコミュニケーションをとって重要な欠陥に該当しそうなところを 重点的に対応していかれたところも多かったのではないでしょうか。 最後に三つ目として、金融庁のQ&Aで「監査人と協議を前提とするドラフト であれば虚偽記載が発見されても重要な欠陥とは判断する必要がない」と明示 されたことが大きかったのではないでしょうか。 ●重要な欠陥はやはり決算財務報告プロセスの不備が多いようです。 経営財務No2926の事例一覧から重要な欠陥の中身をざっと見ると、圧倒的に 決算財務報告プロセスが多い印象で、特に監査人から指摘があって財務諸表を 修正したことがきっかけとなったケースが多く見受けられました。 ●ドラフトについての金融庁Q&Aの実務上の線引きは難しいですね 実質的には財務諸表を修正していても前述の金融庁Q&Aに従い、ドラフト 段階の協議予定のものであるからという理由で重要な欠陥としなかった ケースも中にはあるのではないでしょうか。このあたり、金融庁のQ&Aで 仰っている、「監査を受ける前提としてのドラフト」「監査人との協議を目的 とするドラフト」の線引きは理屈上は理解できるのですが、決算日程もタイトな 中で、なかには会社の決算作業と監査が並行している現場も決して珍しくない 実状からは、実務的な線引きは大変難しいのではないかと思います。(全ての 会社が決算作業終了後に監査を開始する実務となってない限りは) 例えば、よくあるパターンとして、監査初日にお邪魔したときに、経理課長が 「税金引当金以外は締まってます。内部のチェックは今やっているところ です。」と言って残高試算表を持って来られた時はどう取り扱えばよいのか とか、それで作業を進めて、例えば固定資産で重要な誤りを発見して会社に 伝えると、「あっ、そこは未だチェックが終わっていないので確認して おきます」と言われたとき、重要な欠陥に当たるのかどうかはなかなか 難しいところです。 まあこの辺りは、強制的に線引きしてしまうと実務が立ち行かなくなることは 明白ですので、ある程度の期間は実務の動向を見てどう定着するかを見極めて から次の手を考えるといったところなんでしょうか。 【発行責任者】 ************************ ペンネーム 会 啓示(かい けいじ) 連絡先 kaikeiji2000@yahoo.co.jp 質問やご不明な点あればいつでも連絡下さい。 まぐまぐ紹介ページ http://www.mag2.com/m/0000128296.html ************************


