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会計士として監査法人で監査に従事している人間の日常の出来事や想いをつづります。会計士監査を受けている経理・財務の人、監査役の方、株式公開を目指している企業、会計実務や内部統制に関心のある方必読です。最近は国際会計基準(IFRS)の研究もしています。

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2009/02/15

会計士監査こぼれ話「継続企業の注記と意見不表明」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−2009/2/15  NO.121


−− 「継続企業の注記と意見不表明」

                                   
                 発行部数1,230部   

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みなさんこんにちは。

景気の悪い話が続いていますね。

【日本の製造業全体が赤字!?】
 2/7の日経新聞1面によると、2/6までに決算発表をした3月決算期
企業の2009/3の損益予測を集計すると上場企業の製造業全体(588社)
で最終損益が赤字になるそうです。これはかなりの異常事態と思います。
 各社とも、ここ数年の需要増に対応して設備の拡充等行なっていたと
思いますが、それらが需要の急減により全て逆回転し、固定費の負担が
急激に重くなっています。これらの固定費をどうするかは各社喫緊の
課題だと思いますが、新聞報道を見ていると大手企業の多くは、
来年からは需要減の状況でも利益が見込める水準に持っていく意図で、
この3月決算で一気に損失処理をしてしまうケースが多いように思います。
(なので、製造業全体の最終損益も赤字になるんでしょうけど)

【意見不表明のほとんどが継続企業注記に関するもの】
 そんな中、上場企業の倒産もかつてないくらいのペースで発生して
いるようですが、2/9の経営財務2905によると3月決算の四半期レビュー
(第一四半期及び第二四半期)において「結論の不表明」が12社あり、
内11社は継続企業の注記に関連するものだったそうです。
「結論の不表明」とは財務諸表監査における「意見不表明」であり、
意見表明のための合理的基礎を得られない、つまり心証を得られない
場合の監査報告書に相当するものです。

【継続企業の注記とは??】
 継続企業の注記が付されるのは、債務超過や借入金の返済不履行、
その他継続的な損失の計上等、その要件は実務指針に例示として
挙げられておりますが、簡単に申し上げると要は経営的に非常に
悪い状態であり、企業の存続が危うい状況に立たされている時が
継続企業の注記の対象になります。この場合、会社は継続企業の前提に
関して疑義が存在している状況、またそれを解消するための対応及び
経営計画を財務諸表に注記する必要があります。これがいわゆる継続企業
の注記と呼ばれるものです。

【経営者の経営計画の妥当性についてのせめぎあい】
 継続企業の前提に関して疑義がある場合、経営者は向こう一年間の
経営計画を策定し、その妥当性を監査人が検証することになりますが、
資金ショートが予想される場合は資金調達に関して相当の実現可能性を
示さないと、「意見不表明」になるケースが多いようです。
先の経営財務に事例として例示されている、ある会社では「スポンサー候補
との協議がまとまっていない」ため、意見不表明とされています。
つまり協議や交渉をしているという事実だけでは、監査人はなかなか
納得してくれないということです。

【資金調達交渉は早め早めに行なうべし】
 経営環境が厳しい折、第三四半期及び期末もGC注記の対象となるような
ケースが増えてくると思いますが、GC注記に当たりそうな会社で資金繰りに
不安のある会社は、意見の不表明を避けるためには早めに資金調達交渉を
行い確約を得ておくことが不可避だと思います。


【発行責任者】
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ペンネーム 会 啓示(かい けいじ)

連絡先 kaikeiji2000@yahoo.co.jp
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まぐまぐ紹介ページ http://www.mag2.com/m/0000128296.html
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