会計士監査こぼれ話  RSSを登録する

会計士として監査法人で監査に従事している人間の日常の出来事や想いをつづります。会計士監査を受けている経理・財務の人、監査役の方、株式公開を目指している企業、会計実務や内部統制に関心のある方必読です。最近は国際会計基準(IFRS)の研究もしています。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2008/12/21

会計士監査こぼれ話「海外子会社からの受取配当金が益金不算入へ」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−2008/12/21  NO.118


−− 「海外子会社からの受取配当金が益金不算入へ」

                                   
                 発行部数1,214部   

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

みなさんこんにちは。
自動車メーカーの3月決算の下方修正ぶりは凄まじいですね。
海外での需要減と円高が主要因と思いますが、自動車メーカーは
裾野が広いので、自動車関連へ販売している会社を中心にこれから
結構大きな影響が出てくると思います。

 先の12月12日に2009年度与党税制改正大綱が発表されました。
この中には以前より話のあった海外子会社からの受取配当金の益金不算入
が盛り込まれています。この改正はいろいろと影響が大きいのではない
でしょうか。

 そもそも、配当金は法人税課税後の利益が積み上がった剰余金を分配する
ものであり、これに対して税金をかけるというのは、2重に課税をしている
ということになるので本来的には課税対象にすべきではありません。
ですので、国内の子会社からの受取配当金については、従来より益金不算入
とされ、2重課税は回避されておりました。
一方、海外子会社は海外で納税して、日本に配当する場合、日本での
受取配当金に対して税金はかかるが、海外で納税した分は外国税額控除により
日本の税金から差し引くことが出来るため、一応2重課税への配慮はされて
おりました。しかしながら、外国税額控除には3年という期限があり、
これを超えてしまうと控除が出来なくなってしまうので、必ずしも使い勝手の
いいものではありませんでした。

 このようにせっかく海外進出して稼いだ剰余金も日本へ配当で資金を戻そうと
すると税の問題が出てくるため、機動的に資金を動かすのがなかなか難しく、
現地で再投資先があれば直接再投資を行ったり、海外で持株会社を作ってそこで
資金をプールして再投資したりということが結構行われてきました。しかし、
この改正によって日本に資金を一旦戻すことが容易になりますので、資金の
動きは活発になり会社の財務戦略はやりやすくなるでしょう。


 また、会計処理面では、海外子会社の剰余金については、配当しないという
方針が明確でない場合(配当しないということをはっきりと決めてない場合。
こういう場合がほとんどだと思いますが)、将来の配当受取時の追加の税負担
を繰延税金負債として計上していますが、この改正により、将来の税負担は
無くなるので、繰延税金負債を取り崩して利益(税金のマイナス)とすること
になるのでしょう。繰延税金負債は海外子会社の剰余金に対してのもの
ですので、海外子会社の剰余金が積みあがっている会社では結構な額に
なります。これは3月決算での数少ない利益のプラス要因になると
思います。

【発行責任者】
************************
ペンネーム 会 啓示(かい けいじ)

連絡先 kaikeiji2000@yahoo.co.jp
質問やご不明な点あればいつでも連絡下さい。
まぐまぐ紹介ページ http://www.mag2.com/m/0000128296.html
************************


最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る