2008/02/24
会計士監査こぼれ話「日本版内部統制監査(監査証跡)」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−2008/2/24 NO.103 −− 「日本版内部統制監査(監査証跡)」 発行部数1,249部 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− みなさんこんにちは。 いよいよ来期から内部統制監査が始まるわけであります。 対象となる会社で準備万端、いつでも外部監査OKですという 会社はさすがにほとんど無いと思いますが、今の時期で全く 準備していないという会社もさすがに無いのではないかと思います。 進捗状況としては、対象会社の多くは文書化作業にある程度目処 をつけ、自社内での評価作業に移っているあたりでしょうか。 【難しい内部統制行為の証明】 さて、文書化等から始まって、実際の自己点検や内部監査等の検証 を進めていくと、ぶち当たるのが統制手続に関する監査証跡を どうするか、つまりどうやって内部統制行為を証明するかということです。 例えば、販売サイクルにおける受注入力に当たって、「入力後に プルーフリストを出力し、入力元の証憑と照合している」という 統制手続があったとします。これらを確実に実施はしているが、 プルーフリストは日々破棄してしまっている場合、監査証跡が無いため、 内部監査や会計士監査という当事者以外の第三者に行為を立証するのが 非常に難しいという状況があります。 また、受注入力に当たって、「受注伝票に営業部長の承認を得る」 という手続があったとします。しかし、忙しくて漏らしてしまっただけで、 状況をヒアリングして他の関連文書を見た結果、実態としては承認されて いるという心証を得た場合にはどう取り扱うべきかというのも悩ましい問題です。 【実質を見るか形式判断するか】 個人的には第一義的には実質判断すべきであると思います。会社の 内部統制が有効に機能しているかどうかというところが最も重要で あるからです。しかし、一方で内部統制監査は制度上はレビューではなく、 監査であるため、監査人は監査証拠により判断の根拠を立証する必要が あります。形式的な監査証拠が無い場合、実質判断の根拠を残す必要が ありますが、監査の経験年数、会社への理解度や監査人の気質等によって 担当者間の実質判断のブレは相当出てきてしまうというデメリットが あると思います。(去年の○○さんはOKだったのに今年はなぜ駄目 なんですかとか・・・) そう考えると、一律に形式的な判断をしてゆくほうが、監査をする側 にとっては楽は楽かも知れません。監査リスクも低くなると思います。 しかし、それが会社や社会にとってどうかと考えた時にジレンマを感じます。 (費用対効果を無視して、いたずらに会社の負担を増やしているだけなのでは ないだろうかと・・・) 本格的に評価作業に入っていくと、この手の判断に悩む話が多々出て 来ます。まあしばらくは(実務が定着するまでは)会社のことを良く わかっている上席者がケースバイケースでうまく対応してゆけるように するしかないんでしょうけどね・・・・。 【発行責任者】 ************************ ペンネーム 会 啓示(かい けいじ) 連絡先 kaikeiji2000@yahoo.co.jp 質問やご不明な点あればいつでも連絡下さい。 まぐまぐ紹介ページ http://www.mag2.com/m/0000128296.html ************************


