2008/02/04
会計士監査こぼれ話「工事進行基準」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−2008/2/4 NO.102 −− 「工事進行基準」 発行部数1,238部 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− みなさんこんにちわ 2009年3月期は内部統制監査、四半期監査、リース会計基準等々 新基準が目白押しですが、建設業関係はその翌年にとても頭の痛い 問題を抱えています。 それは工事進行基準です。 従来は工事完成基準と工事進行基準の選択適用だったのですが、 実現主義の例外である工事進行基準は例外的な位置づけで、 基本的には工事完成基準、税務上の要件を満たす大規模工事案件は 工事進行基準を適用するというケースが多かったのかと思います。 しかし、昨今の国際会計基準への収斂の流れを受け、損益計算を 適正に示すため、今後は工事進行基準が原則的な処理となります。 営業サイドは売上が早く計上される点で歓迎する向きもあるよう ですが、経理や監査人はシステムの大掛かりな変更が必要になる ことや、売上に対するリスクが高まるため、変更には消極的な意見 が多いかと思います。(でもやらなきゃいけないんでしょうけど。。。) 新基準については、先般、ASBJより基準と適用指針が出され ました。読んでも解釈がよくわからない点もありますが、その簡単 な内容を紹介すると、 【工事だけでなく、造船やソフトウェアも含まれる。】 工事契約の範疇には基本的な仕様や作業内容を顧客の指図に基づいて 行われるものが含まれる。影響があるのは建設業だけではなさそうです。 【進行基準と完成基準の分かれ目は?】 進捗部分に成果の確実性が認められる場合、すなわち工事収益総額、 工事原価総額及び工事進捗度について信頼性をもって見積もることが できる場合は工事進行基準が適用される。となっております。 じゃあ出来ない場合はどうなるかというと、工事完成基準の適用と なります。このあたり会社が収益基準を変えたくないために安易に できないと主張して進行基準の適用を回避しようとした場合、どういう 取扱いになるのかよくわかりません。(たぶんその実態判断は監査人 が行うことになるんでしょうが・・・) また事後的に成果の確実性を獲得した場合はその時点から工事進行基準 を適用するとなっております。例えば工事開始段階では細部が決まって いないため、収益や原価の総額が決まっていないケースがこれに 該当するかと思いますが、工事開始後のどの時点で成果が確実になったか は恣意的な要素が入る余地がかなりあるのではないかと思います。 【売上計上の方法は?】 売上計上額は売上総額×進捗度で計算されます。進捗度の見積方法と して、原価比例法、直接作業時間比率、施工面積比率が挙げられており ますが、原価比例法が最も多くなるのではないでしょうか。原価比例法は 原価の発生割合と同じ割合の売上が発生しているという考え方で、 売上と原価の工事開始時の予算、工事の発生に応じた原価の計上が重要な ポイントになってきます。 上記以外でもどの単位で認識をしていくか、追加工事があった時の取扱い等 実務上は煩雑な点がいろいろありそうです。でもこれにより、監査上は とてもリスクのあった建設業界特有の9月、3月の売上集中は無くなって いって欲しいですね。 【発行責任者】 ************************ ペンネーム 会 啓示(かい けいじ) 連絡先 kaikeiji2000@yahoo.co.jp 質問やご不明な点あればいつでも連絡下さい。 まぐまぐ紹介ページ http://www.mag2.com/m/0000128296.html ************************


