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2009/10/03

今の美術業界を考える(その291)

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        今の美術業界を考える(その291)

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 生き抜く力                2009年10月3日
                                                
ある本を読ませてもらった中に、考えさせられる言葉がありました。
‘命は生きよう生きようとしている’という事実です。にもかかわらず
日本人の自殺の多さを嘆いている文章でした。
また、自然界の中において自殺をする生き物は人間くらいのものだ
そうです。しかし、それも10歳以下の子供で自殺をするという話は
聞いたことがありません。子供は必ず、どんな境遇にあっても‘生きよう’
とします。

最近感じるのは、日本人で自殺する人が多いのは、社会として
かなり歪んでいるのではないかと思います。教育問題も、ゆとりだとか
お受験だとかいわれておりますが、根本は子供達に‘生き抜く力’を
身につけることだと思います。かくいう私も、どれだけ‘生き抜く力’
があるのだろうかといわれれば、あまり自信はありませんが、少なくとも
‘生き抜いていくための努力はしよう’と思っています。

 漠然と未来のことを考えるときに、この‘生き抜く力’を磨いていく
 必要性をひしひしと感じています。日本の未来が人口減、資源がない、
 低い農業自給率などから放っておくとお先真っ暗な予想がたてられて
 います。その大きな原因は、日本人は未だに心理的に鎖国しているから
 ではないかと思っています。 特に文化の分野においては、銀座の画廊も
 鎖国状態です。知っている人たちの中で、理解できる人だけが理解
 すればいいという考えで商売していれば、どんなに素晴らしい宝物を
 持っていても存在していないのと同じです。また、私たち日本人はとても
 優しい人たちで、思いやりのある素晴らしい人種だと思いますが、その
 お人よしの性格を政治の世界でも、ビジネスの世界でも、文化においても
 利用されるだけ利用されているようにも感じます。
 ひっそりとした日本人の文化はとても素晴らしいと思うのですが、
 これからどのような日本人のあり方が良いのかとても悩みます。中国人
 を見ていると、あのたくましさはアジア人というよりアメリカ人だと
 思います。今の子供達が大人になる頃には、今よりもっとグローバル
 な社会になっていると思います。国際結婚も、もっと身近になると
 思います。そうした時に、日本の男性がどれだけ世界の女性たちに人気が
 あるのだろうかと思います。
 芸術・文化を仕事にしている我々は、今こそ日本の未来のためにも頑張って
 仕事をするときなのでしょう。はしたないと言われようとも、素晴らしい
 美術品は人の目に触れて始めて、価値があるものです。決して死蔵させる
 ことなく、未来に継承していくためにも、我々画廊は生き抜いていく
 ことが大切なのだと思います。

                        文責    野呂 洋子




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