2009/05/23
今の美術業界を考える(その272)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今の美術業界を考える(その272) ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ NYのオークション結果より 2009年5月23日 世界中の画商が注目していたと思われる、NYのオークションでしたが、 意外にも底堅い結果をだしておりました。 もちろん、こういう時期ですから 以前のようにはいきません。 オークションカタログも三分の一くらいに薄くなりました。しかし、 落札結果と落札率は予想以上に堅調なものでした。 私がこの業界に入って15年たちますが、前のバブルの崩壊のときは 落札率が50%から60%。ひどいと40%台まで海外のオークション でも落ち込むことがありました。小さなオークション会社は潰れて いきました。もちろん、今回も予断は許しませんし、まだまだ何が おこるかわかりません。世界の株価と同じで、現在は小康状態を保って いるようにも見えています。 今回のオークションで感じたことは、かえって日本のオークション会社の 対応と結果です。金融恐慌がおきてから、カタログが厚くなるというか 出品が増えたように感じます。しかし、高額な作品は見当たりません。 質を量でカバーしようとする思いと、落札予想価格を引き下げることで 現金化を促しているように感じます。しかし、私は思うのですが、過去 1980年代の日本の大バブルで見られたように、一度大幅に値段を下げた 作家の値段が上がっていくのはとても難しいのです。しかも、日本の市場は 海外よりずっと小さなものですから、支えるコレクターが亡くなってしまい 相場が下がってしまうと、なかなか上がっていくことは難しいのです。 これは、日本のコレクター側にも問題があると思っています。特に欧州の コレクターは先祖のコレクションを守りながら自分のコレクションを加えて いきますが、日本では残念ながら親のコレクションを否定して(全て売却 して)自分の新たなコレクションをしていきます。今回の不況の中でも 印象派をはじめとして、ピカソやシャガールなどの名品はしっかりした値段 が保たれています。しかし、日本の洋画や日本画はどうでしょうか。 もちろん、私たち画商に大いに問題がありますが、日本の美術業界全体の システムに大きな問題があると思っています。銀座で商売をしていて感じる のは海外の方々の日本文化に対する期待と、日本の美術を知りたいし、買いたい という要望です。日本の美術は現代の作家も含めて期待されているのです。 それにも、かかわらず 日本の美術業界や、行政も含めて、システムの問題で 評価されず、オークションの機能も 評価を高めるためではなく、換金のため のオークションでは お客様は ついてこれないのだと思うのです。 評価が下がるような状況では、欧米のオークション会社のように出品制限を していくべきだと思います。 もっともっと、日本の文化が高く評価され、多くの人に愛されるためにも 仕事を通じて、1点でも多くの人が美術品を購入するためのお手伝いを していきたいと思っています。 文責 野呂 洋子 ▼▼ ご意見・ご感想を ▼▼ このコラムへのご意見・ご感想をお待ちしております。 ⇒ info@yanagi.com ▼▼ 柳画廊の最新情報 ▼▼ 柳画廊ホームページをご覧ください ⇒ http://www.yanagi.com ▼▼ 購読解除・受信メールアドレスの変更について ▼▼ 下記URLよりお願いいたします ⇒ http://www.yanagi.com/mail/sample.shtml ▼▼ メールマガジン バックナンバー ▼▼ 以下にバックナンバーを掲載しております ⇒ http://www.yanagi.com/mail/mailmagazine.shtml ※メールマガジン配信システム※ このメールマガジンはインターネットの本屋さん「まぐまぐ」のシステムで配 信しています。 【発行責任者】株式会社 銀座 柳画廊 【お問い合わせ】http://www.yanagi.com/contact.shtml


