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2009/03/21

今の美術業界を考える(その263)

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        今の美術業界を考える(その263)

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 未来を作るために               平成21年3月21日

最近は、100年に一度の変革期という言葉をよく耳にしますので、それでは
どういう未来を私たちは描くべきなのかを考えたいと思います。
そこで、私は常日頃から‘日本の文化を世界へ発信’といっておりますので
日本の文化とはどこからどこまでで、どういうものをいうのだろうかという
定義づけについて考えさせられることがしばしばです。
もちろん、商売ですから 銀座柳画廊の扱っている作家から、私たちの
関係するところから思考が始まるわけです。そうすると、大きな壁につきあたる
のです。それは何かというと、私は日本の現代史をほとんど勉強していない
という事実です。

多くの人が 感じていると思いますが、私たちが小学校、中学校、高校、
と勉強する中で日本史の授業は常に縄文時代から始まって、やけに豊臣秀吉
から江戸時代までの戦国時代を中心に勉強して、いつも近・現代史はさらりと
しか勉強してこなかったのです。受験でもこのあたりは、さらりとしか出て
きませんから深く勉強してこないのです。
ところが、アメリカの友人から聞いた話では、彼らは自分のお父さん、
おじいちゃんの話をさせて、‘さあ おじいちゃんの青春時代はアメリカは
どういう時代だったでしょうか?‘という授業の進め方をするので、
現代から過去へ遡る
方法で学ぶのだそうです。その発想の違いといいますか、現代から過去へ、
未来から現代へと思考をめぐらすことで、未来を考える習慣づけが付いている
ように感じます。
日本ではタブーとされているこの問題は、政治的な要素を多く孕んでいるため
語ることさえ難しいことは理解しています。しかし、フランス印象派の
作家たちも、イギリスの産業革命によって絵の具がチューブで供給されたこと
により、バルビゾン派といわれる人たちも含めて外で絵を描くことが可能に
なったからできた仕事なのです。ですから、芸術の世界でもその時代背景や
政治問題からくる思想的な背景は多くの作家たちに影響を及ぼしています。
また、当時のパトロンやコレクターの状況は、当時の経済状況に大きく左右
されるわけです。ですから、文化の仕事をしているとはいえ、経済、政治に
通じていなければ、大海をコンパスなしで航海しているようなもので、
周りの環境や状況を理解して初めて、どこに向かっているのかが理解できる
のだと思うのです。

100年に一度といわれるこの大チャンスにおいて、日本の現代の歴史を
もう一度勉強しなおそうと思っています。


                        文責    野呂 洋子



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