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2009/11/11

示現塾 高度に出る午前問題を解こう!(2009-11-11)

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            春の情報処理技術者試験日まで、あと158日
  2009年11月11日(水)                                      本格版 1872号
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  これは,2010年春の情報処理技術者試験のうち、応用情報技術者試験  午前問題
  及び高度試験  午前共通問題  に対応したものです。

  本日の問題テーマは,次の6つです。

  第1問-基礎理論            ・・・二つの整数データの加算時に、あふれが
                                    生じる必要十分条件
  第2問-コンピュータ構成要素・・・キャッシュメモリ  実効アクセス時間
  第3問-データベース        ・・・関係DBのキー
  第4問-ネットワーク        ・・・行と列にパリティを付加して訂正できる
                                    ビット数
  第5問-セキュリティ        ・・・ディジタル署名  送信者の文書を受信者が
                                    認証できるもの
  第6問-システム開発技術    ・・・ユースケースを利用してモデル化すべきもの

** ------------------  やる気が出る(?)名言集  ----------------------- **

    諦めなくてよかった。

    私は、それを高橋から教えてもらったと思っている。
                                                        (小出  義雄)

** =================================================================== **
第1問  基礎理論
分野-1-1        技術レベル-3        出題頻度-中        出典:SW19-S-01

負数を2の補数で表現する32ビットの二つの整数データを加算したとき,あふれ
が生じる必要十分条件はどれか。

ア  ともに正で和が2^31以上,又はともに負で絶対値の和が2^31以上

イ  ともに正で和が2^31以上,又はともに負で絶対値の和が2^31より大きい

ウ  ともに正で和が2^31より大きい,又はともに負で絶対値の和が2^31以上

エ  ともに正で和が2^31より大きい,又はともに負で絶対値の和が2^31より大きい

  注:^は、指数を意味する。例えば、2^31 は、2の31乗である。

*-----------------------------------------------------------------------*
解説:負数を2の補数で表現する32ビットの整数データは、1ビット目を符号ビッ
    ト、残り31ビットを整数で表現している。

    また、2の補数は、次の手順で求める。
    (1) 絶対値の 1の補数を求める。=全ビットを反転させる。
    (2) 上記にプラス1する。

    例えば、以下の例がある。(符号ビットは、0:プラス  1:マイナスとする)

    10進数のプラス128 … 0 000 0000 0000 0000 0000 0000 1000 0000
    10進数のマイナス4 … 1 111 1111 1111 1111 1111 1111 1111 1100

    この表現によるプラスの最大値を、2進数で示すと
    0 111 1111 1111 1111 1111 1111 1111 1111  になり、
    10進数では、2,147,483,647 になる。

    したがって、選択肢イの前半のように、
    ともに正で和が2^31以上になった場合、あふれてしまう。

    この表現によるマイナスの最大値を、2進数で示すと
    1 000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000  になり、
    10進数では、-2,147,483,648 になる。

    したがって、選択肢イの後半のように、
    ともに負で絶対値の和が2^31より大きい場合、あふれてしまう。

    言い換えれば、この数値の表現範囲は、2^31-1 ~ -2^31 である。

正解:イ

** =================================================================== **
第2問  コンピュータ構成要素
分野-3-2        技術レベル-3        出題頻度-高        出典:AP21-A-11

キャッシュメモリのアクセス時間が10ナノ秒,主記憶のアクセス時間が60ナノ秒,
キャッシュメモリのヒット率が90%であるときの,実効アクセス時間は何ナノ秒か。

ア  15            イ  25            ウ  35            エ  55

*-----------------------------------------------------------------------*
解説:問題の条件に従って,以下の計算をする。

    実効アクセス時間 = ヒット率×キャッシュメモリアクセス時間
                                + (1-ヒット率)×主記憶のアクセス時間

                     = 0.9 × 10 + ( 1 - 0.9 ) × 60 = 15 ナノ秒

正解:ア

** =================================================================== **
第3問  データベース
分野-9-2        技術レベル-3        出題頻度-中        出典:SW17-A-63

関係データベースのキーに関する記述のうち,適切なものはどれか。

ア  外部キーの値は,NULL値であってはならない。

イ  外部キーの参照先は,代替キーでなければならない。

ウ  候補キーのうちの一つが主キーとなり,残りは代替キーとなる。

エ  代替キーのうちの一つが主キーとなり,残りは候補キーとなる。

*-----------------------------------------------------------------------*
解説:ア  外部キーの値は、NULL値であってもよい。

イ  外部キーの参照先は、主キーでなければならない。

ウ  候補キーとは、主キーになる候補となるキーであり、表のなかで、行を一意
    に識別する冗長性のない1つまたは複数の属性である。

    候補キーは、1つしかないケースと、複数あるケースがある。候補キーが複
    数ある時に、その代表的な1つを主キーとする。主キーにしなかった残りの
    候補キーを代替キーという。

    もし、候補キーが1つしかない時は、その候補キーが主キーとなり、代替キ
    ーはないことになる。

エ  代替キーは、主キーにならなかった候補キーの残りである。

正解:ウ

** =================================================================== **
第4問  ネットワーク
分野-10-2       技術レベル-3        出題頻度-中        出典:SW19-S-57

図のように16ビットのデータを4×4の正方形状に並べ,行と列にパリティを付加
することによって何ビットまでの誤りを訂正できるか。ここで,■A の列と
★B の行がパリティを表している。

                            ■A
          ┌─┬─┬─┬─┬─┐
          │ 1│ 0│ 0│ 0│ 1│
          ├─┼─┼─┼─┼─┤
          │ 0│ 1│ 1│ 0│ 0│
          ├─┼─┼─┼─┼─┤
          │ 0│ 0│ 1│ 0│ 1│
          ├─┼─┼─┼─┼─┤
          │ 1│ 1│ 0│ 1│ 1│
          ├─┼─┼─┼─┼─┘
       ★B│ 0│ 0│ 0│ 1│
          └─┴─┴─┴─┘

ア  1          イ  2            ウ  3            エ  4

*-----------------------------------------------------------------------*
解説:パリティビットには、奇数パリティと偶数パリティがある。偶数パリティ
    は、ある一定の単位ごとに検査用に余分に付けた冗長ビット(パリティビット)
    を付加し、そのビットも含めてビットの1の個数が偶数になるように冗長ビッ
    トの値を決める方式である。図は、この偶数パリティになっている。

      パリティビットは、1つだけでは、誤りがあることがわかるだけで、どのビ
    ットが誤っているかは分からない。例えば、下図のような★B行がない場合は、
                            ■A
          ┌─┬─┬─┬─┬─┐
          │ 1│ 0│ 0│ 0│ 1│
          ├─┼─┼─┼─┼─┤
          │ 0│ 1│ 1│ 1│ 0│←
          ├─┼─┼─┼─┼─┤
          │ 0│ 0│ 1│ 0│ 1│
          ├─┼─┼─┼─┼─┤
          │ 1│ 1│ 0│ 1│ 1│
          └─┴─┴─┴─┴─┘
      2行目の1の個数が偶数になっていないので、この行に誤りがあるとはわかる
    が、どの列に誤りがあるかは、わからない。しかし、下図のような★B行があ
    る場合は、
                            ■A
          ┌─┬─┬─┬─┬─┐
          │ 1│ 0│ 0│ 0│ 1│
          ├─┼─┼─┼─┼─┤
          │ 0│ 1│ 1│ 1│ 0│←
          ├─┼─┼─┼─┼─┤
          │ 0│ 0│ 1│ 0│ 1│
          ├─┼─┼─┼─┼─┤
          │ 1│ 1│ 0│ 1│ 1│
          ├─┼─┼─┼─┼─┘
       ★B│ 0│ 0│ 0│ 1│
          └─┴─┴─┴─┘
                        ↑
      4列目の1の個数も偶数になっていないので、2行4列目のビットが誤っている
    とわかる。2個のパリティでは、このように1ビットの誤りしか訂正できない。
    例えば、下記の例の場合、2行1列目と、2行4列目のビットを反転させた。

                            ■A
          ┌─┬─┬─┬─┬─┐
          │ 1│ 0│ 0│ 0│ 1│
          ├─┼─┼─┼─┼─┤
          │ 1│ 1│ 1│ 1│ 0│?
          ├─┼─┼─┼─┼─┤
          │ 0│ 0│ 1│ 0│ 1│
          ├─┼─┼─┼─┼─┤
          │ 1│ 1│ 0│ 1│ 1│
          ├─┼─┼─┼─┼─┘
       ★B│ 0│ 0│ 0│ 1│
          └─┴─┴─┴─┘
            ↑           ↑
      そうすると、2行目の1の個数は偶数になっているので、誤りがある行がわ
    からなくなり、訂正不能になる。

正解:ア

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第5問  セキュリティ
分野-11-1       技術レベル-3        出題頻度-中        出典:AP21-A-38

公開鍵暗号方式を用いて送信者が文書にディジタル署名を行う場合,文書が間違い
なく送信者のものであることを受信者が確認できるものはどれか。

ア  送信者は自分の公開鍵を使用して署名処理を行い,受信者は自分の秘密鍵を
    使用して検証処理を行う。

イ  送信者は自分の秘密鍵を使用して署名処理を行い,受信者は送信者の公開鍵
    を使用して検証処理を行う。

ウ  送信者は受信者の公開鍵を使用して署名処理を行い,受信者は自分の秘密鍵
    を使用して検証処理を行う。

エ  送信者は受信者の秘密鍵を使用して署名処理を行い,受信者は自分の公開鍵
    を使用して検証処理を行う。

*-----------------------------------------------------------------------*
解説:ディジタル署名は,通信文を公開鍵暗号方式によって暗号化し,正規の受
    信者だけが内容を見ることができ,更に,送信者の認証も行えるようにする
    ための仕掛けである。

      ディジタル署名の運用を開始する前に,送信者は,公開鍵と秘密鍵の鍵ペ
    アを作成して,その公開鍵を受信者に送信する。

      そして,次の手順で通信文を伝達する。

        ┌───┐                                        ┌───┐
        │通信文│─────┐                ┌────→│通信文│
        └───┘          │                │          └───┘
            │           (3)│             (5)│              │
        (1) │              ↓                │           (6)↓
            ↓        ┌─────┐    ┌─────┐ ┌──────┐
     ┌──────┐ │  通信文  │    │  通信文  │ │ メッセージ │
     │ メッセージ │ ├─────┤─→├─────┤ │ダイジェスト│
     │ダイジェスト│ │ディジタル│(4) │ディジタル│ └──────┘
     └──────┘ │   署名   │    │   署名   │        ↓
            │        └─────┘    └─────┘     (8)↑
        (2) │              ↑                │       ┌──────┐
            ↓           (3)│             (5)│       │ メッセージ │
      ┌─────┐        │                │       │ダイジェスト│
      │ディジタル│────┘                │       └──────┘
      │   署名   │                          │              ↑
      └─────┘                          │           (7)│
                                              │        ┌─────┐
                                              └───→│ディジタル│
                                                        │   署名   │
                                                        └─────┘

      (1) 通信文から,ハッシュ関数(異なる通信文から同じハッシュ値はで
          きない,ハッシュ値から元の通信文はわからない)を使って,ハッ
          シュ値(=メッセージダイジェスト)を作る。
      (2) メッセージダイジェストを,送信者の秘密鍵で暗号化し,ディジタ
          ル署名を作成する。送信者の秘密鍵で暗号化する点がポイントであ
          る。送信者の秘密鍵は,送信者しかもっていないはずだから送信者
          しか暗号化できない(=送信者が特定される)。
      (3) 通信文とディジタル署名を一緒にする。
      (4) 送信する。
      (5) 通信文とディジタル署名を分ける。
      (6) 通信文から,ハッシュ関数を使って,ハッシュ値(=メッセージダ
          イジェスト)を作る。(1) と同じことをする。
      (7) ディジタル署名を送信者の公開鍵で復号化し,メッセージダイジェ
          ストを作る。送信者の公開鍵は,事前に送信者から受信者に送付さ
          れている。
      (8) (6)と(7)のメッセージダイジェストを比較する。
          一致していれば,OKである。不一致の場合,通信文が改ざんされ
          ているか,もしくは公開鍵と秘密鍵のペアが異なっているかのどち
          らかである。

      上記の(2)が選択肢イの前半の“送信者は自分の秘密鍵を使用して署名処
      理を行い”に,上記の(7)(8)が選択肢イの後半の“受信者は送信者の公
      開鍵を使用して検証処理を行う”に該当している。

正解:イ

** =================================================================== **
第6問  システム開発技術
分野-12-1       技術レベル-3        出題頻度-中        出典:AP21-S-43

ユースケースは,システムへの機能的要求を明確にする手段として,利用者とシ
ステムとのやり取りを定義したものである。ユースケースを利用してモデル化す
るのが適切なものはどれか。

ア  インターネットを活用した新しいITサービスを企画する。

イ  コンピュータ室の空調設備の工事を行う。

ウ  処理時間を短くするために並列プロセッサで処理を行う。

エ  預金者がATMから現金を引き出す。

*-----------------------------------------------------------------------*
解説:ユースケースは、システムの機能的要求を定義するための技法である。
    ユーザから見たシステムの使用例(シナリオ)を記述したもの、とも言える。

    シナリオは、ユーザがシステムの使用する場合の例を文章で表現したもので
    ある。

    例えば、下記のようなものである。

      顧客が、本のWebショップから欲しいものを選び、買い物かごに入れる。
    顧客が精算ボタンをクリックすると、精算画面が表示され、購入する本の送付
    先住所と精算方法(振込み・クレジットカード決済など)を選択し、必要な
    情報を入力する。顧客が最終確認ボタンをクリックすると、購入手続きは完
    了し、電子メールで購入した本、価格等を顧客等に通知する。

    選択肢エ以外は、「○○をする。次に△△をする。」ような手順を書けない、
    もしくは書きづらいものであり、ユースケースを利用してモデル化するには
    無理がある。

正解:エ

** =========================  与謝蕪村の俳句  ======================== **


                       霜百里  舟中に我  月を領す


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  発行・編集責任者      金子  則彦

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