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2009/11/06

示現塾 高度に出る午前問題を解こう!(2009-11-06)

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            春の情報処理技術者試験日まで、あと163日
  2009年11月06日(金)                                      本格版 1867号
** =================================================================== **

  これは,2010年春の情報処理技術者試験のうち、応用情報技術者試験  午前問題
  及び高度試験  午前共通問題  に対応したものです。

  本日の問題テーマは,次の6つです。

  第1問-基礎理論            ・・・論理回路におけるX,Yの値
  第2問-コンピュータ構成要素・・・密結合  性能とプロセッサ数の積に等しく
                                    ならない要因
  第3問-データベース        ・・・受講エンティティの属性として適切なもの
  第4問-ネットワーク        ・・・CSMA方式のLAN制御
  第5問-セキュリティ        ・・・公開鍵暗号方式
  第6問-システム開発技術    ・・・UMLに関する適切な記述

** ------------------  やる気が出る(?)名言集  ----------------------- **

    先ず汗を出せ。

    汗の中から知恵を出せ、それが出来ない者は去れ。

    生きた知恵は、汗の中から出るもんや。
                                                       (松下  幸之助)

** =================================================================== **
第1問  基礎理論
分野-1-1        技術レベル-3        出題頻度-高        出典:AP21-A-23

図の論理回路において,S=1,R=1,X=0,Y=1のとき,Sをいったん0にした後,
再び1に戻した。この操作を行った後のX,Yの値はどれか。

          ─┤●                  │▲
ここで,    │●├─は AND回路,─┤▲├─は NOT回路を表す。
          ─┤●                  │▲


      S ───┤●            │▲    
              │●├─────┤▲├───┬── X
            ┌┤●            │▲        │
            │                            │
            └───────┐            │
            ┌───────┼──────┘
            │              └──────┐
            │                            │
            └┤●            │▲        │  
              │●├─────┤▲├───┴── Y
      R ───┤●            │▲    


ア  X=0,Y=0    イ  X=0,Y=1      ウ  X=1,Y=0    エ  X=1,Y=1

*-----------------------------------------------------------------------*
解説:(1) 初期値は、S=1,R=1,X=0,Y=1  であるから、

          1 
      S ───┤●           1│▲  0         0  
              │●├─────┤▲├───┬── X
            ┌┤●            │▲        │
           1│                            │0 ↓
            └───────┐     ←     │
            ┌───────┼──────┘
            │      ←      └──────┐
           0│                            │1 ↑
            └┤●            │▲        │  
              │●├─────┤▲├───┴── Y
      R ───┤●           0│▲  1         1 
         1

        となり、安定している。

    (2) ここで、S をいったん0にすると、下図になる。

          0 
      S ───┤●           0│▲  1         1  
              │●├─────┤▲├───┬── X
            ┌┤●            │▲        │
           0│                            │1 ↓
            └───────┐     ←     │
            ┌───────┼──────┘
            │      ←      └──────┐
           1│                            │0 ↑
            └┤●            │▲        │  
              │●├─────┤▲├───┴── Y
      R ───┤●           1│▲  0         0 
         1

    (3) さらに、S を1に戻すと、下図になる。

          1 
      S ───┤●           0│▲  1         1  
              │●├─────┤▲├───┬── X
            ┌┤●            │▲        │
           0│                            │1 ↓
            └───────┐     ←     │
            ┌───────┼──────┘
            │      ←      └──────┐
           1│                            │0 ↑
            └┤●            │▲        │  
              │●├─────┤▲├───┴── Y
      R ───┤●           1│▲  0         0 
         1

正解:ウ

** =================================================================== **
第2問  コンピュータ構成要素
分野-3-1        技術レベル-3        出題頻度-中        出典:SW19-A-29

密結合マルチプロセッサの性能が,1台当たりのプロセッサの性能とプロセッサ数
の積に等しくならない要因として,最も適切なものはどれか。

ア  主記憶へのアクセスの競合        イ  通信回線を介したプロセッサ間通信

ウ  プロセッサのディスパッチ処理    エ  割込み処理

*-----------------------------------------------------------------------*
解説:密結合マルチプロセッサは、複数のプロセッサが主記憶装置を共用して一
    つのOS 下で動作するものである。

    したがって、あるプロセッサが主記憶装置のある部分を更新するために、排
    他的に使用している場合、他のプロセッサがその部分を参照・更新しようと
    する時に、待ち状態が発生する。そのため、プロセッサの数を2倍にしても、
    全体性能は2倍よりは少ない値になる。

正解:ア

** =================================================================== **
第3問  データベース
分野-9-2        技術レベル-4        出題頻度-中        出典:DB18-27

次のデータモデルにおいて,“受講”エンティティの属性として適切なものは
どれか。ここで,長方形はエンティティを表し,その中には,エンティティ名
を記した。また,長方形の間の線は関連を表し,1    * は1対多のカーディナ
                                            ̄ ̄ ̄ ̄
リティを表す。関連にはロールを付した。
┏━━━┓
┃      ┃は説明文である。                     ┏━━━━━━━┓
┗━━━┛                                     ┃制約:        ┃
                                               ┃  受講生は教師┃
                                               ┃ではない。    ┃
                                               ┗━━━━━━━┛
                                              /
                                            /
    ┌────┐        ┌────┐*   教師   1┌────┐
    │        │1      *│        ├──────┤        │
    │  教科  ├────┤  受講  │*  受講生  1│   人   │
    │        │        │        ├──────┤        │
    └────┘        └────┘            └────┘

ア  氏名          イ  成績          ウ  単位数          エ  入学年

*-----------------------------------------------------------------------*
解説:ア  氏名は、“人”の属性である。

イ  受講エンティティは、チェンの考えたリレーションシップ(関連)であり、
    連関エンティティとも呼ばれるものである。

      連関エンティティの主キーは、関連するエンティティの主キーを組合せた
    ものとなる。本問の場合、教科IDと人IDが、受講エンティティの主キーであ
    る。
      主キー以外の属性に、成績がある。これは、人の中でも受講者が、教科で
    何点だったかを示す属性である。インスタンスを示せば、次のようになる。

            教科ID    人ID    成績
           =======   ======  ======
             0001     1000     90
             0001     1001     75
             0001     1002     40
              :       :      :

ウ  単位数は、“教科”の属性である。

エ  入学年は、“人”の属性である。

正解:イ

** =================================================================== **
第4問  ネットワーク
分野-10-2       技術レベル-3        出題頻度-中        出典:SW18-S-57

LAN のアクセス制御方式であるCSMA/CD方式に関する説明として,適切なものは
どれか。

ア  送出した信号の衝突を検知した場合は,ランダムな時間の経過後に再送信
    する。

イ  送信権を与えるメッセージ(フリートークン)を得たノードがデータを送
    信する。

ウ  ディジタル信号をアナログ信号に変換(変調)して通信を行う。

エ  転送する情報を,セルと呼ばれる固定長のブロックに分割して転送する。

*-----------------------------------------------------------------------*
解説:ア  CSMA/CD は、Carrier Sense Multiple Access with Collision 
    Detection の略であり、LAN で利用される通信方式の一つで、Ethernetが
    採用している。

    CSMA/CD は、具体的には、次の手順で通信する。
    (1) データを送信したいノード(機器)は、ケーブルの通信状況を監視し
        (Carrier Sense)、ケーブルに誰も通信していないと送信を開始する。
    (2) もし複数のノードが同時に送信を開始するとケーブル内でデータが衝
        突して壊れるので(Collision Detection)、両者は送信を中止する。
    (3) 複数のノードは、お互いに重なりにくいランダムな時間を待って送信
        を再度試みる。

イ  トークンパッシングの説明である。

ウ  CSMA/CD方式は、ディジタル信号だけで通信する。

エ  ATM(Asynchronous Transfer Mode)の説明である。

正解:ア

** =================================================================== **
第5問  セキュリティ
分野-11-1       技術レベル-3        出題頻度-中        出典:SV19-36

公開鍵暗号方式に関する記述として,適切なものはどれか。

ア  AESなどの対称鍵暗号方式があり,鍵の配送は必要ない。

イ  RSAや楕円曲線暗号などがあり,復号時には暗号化鍵は使用しない。

ウ  暗号化鍵と復号鍵が同一である。

エ  共通鍵の配送が必要である。

*-----------------------------------------------------------------------*
解説:ア  AESなどの対称鍵暗号方式は、共通鍵暗号方式である。公開鍵暗号方式
    では、公開鍵をネットワークを通じて配送できるので、便利である。

イ  RSAや楕円曲線暗号は、公開鍵暗号方式の代表例であり、暗号化時に公開鍵を
    復号時に秘密鍵を使用する。したがって、復号時には暗号化鍵は使用しない。

ウ  暗号化鍵と復号鍵は、同一ではない。

エ  共通鍵はない。

正解:イ

** =================================================================== **
第6問  システム開発技術
分野-12-3       技術レベル-3        出題頻度-中        出典:DB19-31

次のデータモデルに関する記述のうち,適切なものはどれか。ここで,モデルの
表記にUMLを用いる。クラス名の先頭の“/“は,それが導出クラスであることを
示す。
                    ┌───┐  
                    │ 品目 │                  入庫と出庫が同一の保有       
                    └─┬─┘                  にリンクしないこと
                        │1                    /
                       *│                    /
┌────┐      ┌──┴──┐      ┌────────┐
│ /在庫  │      │   保有   │1    *│トランザクション│
├────┤*    1├─────┼───┼────────┤
│数量    ├───┤          │入庫  │数量            │
│        │      │期首在庫量│      │                │
│指定日  │      │          │1    *│移動日          │
│        │      │          ├───┤                │
└────┘      └──┬──┘出庫  └────────┘  予約は30日
      /                 │*                    ↑           以内とする
     /                 1│             ┌───┴───┐     /      
    /               ┌─┴─┐     ┌─┴─┐0..1  ┌─┴─┐/
   /                │ 倉庫 │     │ 実績 ├───┤ 予定 │ 
  /                 └───┘     └───┘  0..1└───┘ 
数量=保有の期首在庫量
      +入庫のトランザクションの期首から指定日までの実績の数量の合計
      +入庫のトランザクションの本日から指定日までの予定の数量の合計
      -出庫のトランザクションの期首から指定日までの実績の数量の合計
      -出庫のトランザクションの本日から指定日までの予定の数量の合計

ア  “/在庫”クラスは,“トランザクション”クラスにインスタンスが追加さ
    れるたびに更新されなければならない。

イ  “トランザクション”クラスの移動日は,“/在庫”クラスの数量を日ごと
    に集計するために利用される。

ウ  “トランザクション”クラスの一つのインスタンスは,入庫と出庫のどち
    らか一方の移動を記録する。

エ  “保有”クラスのインスタンスは品目コードごとに作られる。

*-----------------------------------------------------------------------*
解説:ア  “/在庫”クラスが、“トランザクション”クラスにインスタンスが
    追加されるたびに更新されなければならないかどうかは図から読み取れない。

    選択肢アの文を補って、「“/在庫”クラスのインスタンスは」と考えても
    同じである。静的な図であるクラス図では、更新タイミングはわからない。

    また、本問にある“導出クラス”とは、オブジェクト指向の用語では、サブ
    クラスになる(派生クラスと言う場合もある)。しかし、図を見ると、
    “/在庫”クラスには、スーパクラスがなく、奇妙な問題になっている。

    もし、本問が言う“導出クラス”を、データベース設計の用語である“導出
    項目”(数量×単価=金額  の金額のような他の項目から計算して求められ
    る項目)と同様に考え、必要な都度、“保有”クラスのインスタンスと、
    “実績”クラス、“予定”クラスのインスタンスから、計算して求めるの
    だと強引に解釈すれば、「“/在庫”クラスは、“トランザクション”クラス
    にインスタンスが追加されるたびには更新しない」となる。

イ  “/在庫”クラスに付けられている注釈を見ると、

      数量=保有の期首在庫量
        +入庫のトランザクションの期首から指定日までの実績の数量の合計
        +入庫のトランザクションの本日から指定日までの予定の数量の合計
        -出庫のトランザクションの期首から指定日までの実績の数量の合計
        -出庫のトランザクションの本日から指定日までの予定の数量の合計
      
      となっているので、期首から本日までは実績数量を加減算し、本日から指
      定日までは、予定数量を加減算したものを期首数量に加算して指定日の在
      庫数を求めるのたどわかる。“トランザクション”クラスのデータは、
      数量と移動日しかないので、在庫数を計算するための日の判定は、“移
      動日”を用いるしかない。

ウ  “トランザクション”クラスは、スーパクラスであり、“実績”クラスと
    “予定”クラスをサブクラスに持つ。したがって、“トランザクション”ク
    ラスの一つのインスタンスは、“実績”クラスと“予定”クラスのいずれか
    のインスタンスになる。入庫と出庫のどちらか一方を記録するものではない。
    “トランザクション”クラスのデータは、数量と移動日しかないので、入庫
    か出庫かは数量のプラス・マイナスによって表現すると推測される。

エ  “保有”クラスのインスタンスは品目コードごと、倉庫コードごとに作られ
    る。品目:保有=1:多、保有:倉庫=多:1になっているからである。

正解:イ

** =========================  与謝蕪村の俳句  ======================== **


                 わたり鳥  雲の機手(はたて)の  にしき哉


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  発行・編集責任者      金子  則彦

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