2009/07/05
示現塾 高度に出る午前問題を解こう!(2009-07-04)
*-----------------------------------------------------------------------* ■■ 示現塾 ■■ 高度に出る午前共通問題を解こう! ITストラテジスト,ネットワークスペシャリストのセミナー開催・受付中! 午後問題や解答用紙のダウンロード http://zigen.cosmoconsulting.co.jp 秋の情報処理技術者試験日まで、あと107日 2009年07月04日(土) 本格版 17256号 ** =================================================================== ** これは,2009年秋の情報処理技術者試験のうち、応用情報技術者試験 午前問題 及び高度試験 午前共通問題 に対応したものです。 本日の問題テーマは,次の6つです。 第1問-アルゴリズムとプログ ラミング ・・・抽象データ型に分類されるもの 第2問-システム構成要素 ・・・スーパコンピュータ 第3問-データベース ・・・ビューを作る目的 第4問-ネットワーク ・・・セグメントAに割り当てるサブネットワ ークアドレス 第5問-セキュリティ ・・・給与システムでのインテグリティ確保 第6問-システム開発技術 ・・・プログラムに含まれる推定総バグ数 ** ------------------ やる気が出る(?)名言集 ----------------------- ** 人は、「ガーン」と頭を殴られるような経験を経て、 人生というものを、学んでいくものだ。 (アーセン・ベンゲル) ** =================================================================== ** 第1問 アルゴリズムとプログラミング 分野-2-1 技術レベル-3 出題頻度-高 出典:SW18-S-10 次の条件 a ~ d を満たすデータを処理するために,内部データ構造の要素(1)~ (3)を考えた。これらを用いて実装できるデータ構造は,どの抽象データ型に分類 されるか。 〔条件〕 a データはすべて同じ型をもつ。 b データは時系列的に発生する。 c 処理の済んだデータを記憶しておく必要はない。 d 未処理のデータ数は常に n 未満になることが分かっている。 〔内部データ構造の要素〕 (1) データと同じ型の要素をもつ大きさ n の配列A(A[0],A[1],…,A[n-1]) (2) 0 以上 n 未満の整数が記憶できる変数 X と Y (3) 0 以上 n 未満の値をとる仮引数 i に対して,i+1 を n で割った余りを 返す関数 succ(i) ア キュー(FIFO) イ スタック(LIFO) ウ 根付き木 エ 優先度キュー *-----------------------------------------------------------------------* 解説:〔条件〕にしたがって、〔内部データ構造の要素〕にデータを当てはめて みる。 話を簡単にするために、n を 5 とする。 〔条件〕 a データはすべて同じ型をもつ。 b データは時系列的に発生する。 ★発生したデータを、e,f,g,h,i とする。 〔内部データ構造の要素〕 (1) データと同じ型の要素をもつ大きさ n の配列A(A[0],A[1],…,A[n-1]) ★発生したデータを、それぞれ、A[0],A[1],A[2],A[3],A[4]に格納する。 〔条件〕 c 処理の済んだデータを記憶しておく必要はない。 d 未処理のデータ数は常に n 未満になることが分かっている。 ★次に、データh が 発生する時に、A[0] に格納されている e は処理済みに なっているはずである。 〔内部データ構造の要素〕 (3) 0 以上 n 未満の値をとる仮引数 i に対して,i+1 を n で割った余りを 返す関数 succ(i) ★この succ(i)を使って、{(i=4)+1}÷5=0 を算出し、データhをA[0] に格納する。 このように、時系列どおりに処理していく(先に発生したものから、先に処 理する)ケースに使われるのは、キューである。 〔内部データ構造の要素〕 (2) 0 以上 n 未満の整数が記憶できる変数 X と Y ★このX,Yは、未処理データの先頭と最後尾を示すポインタと思われる。 正解:ア ** =================================================================== ** 第2問 システム構成要素 分野-4-1 技術レベル-3 出題頻度-低 出典:SW19-S-22 スーパコンピュータの特徴として,適切なものはどれか。 ア 処理装置内の演算器で一度に扱えるビット数を非常に大きくして,文字列処 理の性能向上を図っている。 イ 大容量の磁気ディスク装置と仮想記憶技術を用いることによって,非常に大 きなメモリ空間を実現し,性能向上を図っている。 ウ 特定の応用分野に特化したハードウェア回路を個別に用意し,目的に応じて 組み合わせることによって,性能向上を図っている。 エ ベクトル命令を備えたプロセッサを数個~十数個,又はマイクロプロセッサ を数百~数千個結合することによって,性能向上を図っている。 *-----------------------------------------------------------------------* 解説:ア スーパコンピュータは、科学的及び工学的な問題を解くための計算 機であり、文字列処理は得意ではない。 イ 仮想記憶技術は、パソコンでも使用されており、スーパコンピュータだけ の技術ではない。 ウ スーパコンピュータは、特定の応用分野に特化したハードウェア回路を個 別に用意している訳ではない。高速な計算能力と高い信頼性を持った汎用 的な計算機である。 エ スーパコンピュータは、大規模な科学技術計算に使用するために設計され たコンピュータである。飛行機、自動車、船舶などの構造計算、気象など 自然現象の解析と予測などに使用されている。 正解:エ ** =================================================================== ** 第3問 データベース 分野-9-3 技術レベル-3 出題頻度-高 出典:SW19-A-64 関係データベースにおいて,ビューを作る目的として,適切なものはどれか。 ア 記憶容量を節約するため イ 処理速度を向上させるため ウ セキュリティを高めたり表操作を容易にするため エ デッドロックの発生を減少させるため *-----------------------------------------------------------------------* 解説:ア ビューを使っても、記憶容量は節約できない。 イ ビューを使う方が、ビューを解釈する時間分、遅くなる。ビューは呼ばれた 時に、仮想表を作成するからである。ただし、DBMSによっては、ビューの結 果をハードディスクに書き込み、処理速度を向上させることができるものも ある(例:OracleのMaterialized View )。 ウ SQLのGRANT ON ビュー名 TO ユーザ名 を使えば、そのビューのアクセスを 制限できる。また、ビューを定義しておけば、結合処理や抽出処理はビュー がやってくれるので表操作が容易になる。 エ ビューは、デッドロックを防止するために作成するものではない。 正解:ウ ** =================================================================== ** 第4問 ネットワーク 分野-10-3 技術レベル-4 出題頻度-中 出典:NW19-26 可変長サブネットマスクを利用できるルータを用いた図のネットワークにおいて, すべてのセグメント間で通信可能としたい。セグメントAに割り当てるサブネット ワークアドレスとして,適切なものはどれか。ここで,図中の各セグメントの数 値は,上段がネットワークアドレス,下段がサブネットマスクを表す。 ■ セグメントA │ ■ ■\ │ \ ■ \ ■ \┌───┐セグメントC ┌───┐│セグメントD │ルータ├──────┤ルータ├■ /└───┘172.16.1.224└───┘■172.16.1.64 ■ / 255.255.255.252 │255.255.255.192 セグメントB │ / ■ ■/ 172.16.1.32 ■ 255.255.255.224│ 注:■■は、1つの長方形と ■ 解釈してください。 ネットワークアドレス サブネットマスク  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ア 172.16.1.0 255.255.255.128 イ 172.16.1.128 255.255.255.128 ウ 172.16.1.128 255.255.255.192 エ 172.16.1.192 255.255.255.192 *-----------------------------------------------------------------------* 解説:可変長サブネットマスクは、名前のとおり、サブネットマスクの長さを変 えることができる、いう意味であり、可変長サブネットマスクを利用できる ルータは、複数のサブネットマスク長に対応できる。 本問においては、セグメントB のサブネットマスクは、255.255.255.224 で あり、2進数で表現すれば、11111111.11111111.11111111.11100000 となり、 サブネットマスク長は、27ビットである。同様に、セグメントC のサブネット マスクは、255.255.255.252 であり、サブネットマスク長は、30ビットであ る。このように、サブネットマスク長が違っていても、パケットをルーティン グできるルータが設置されている。 さて、本問の場合、IPアドレスは、全セグメントにおいて、172.16.1までは共 通しており、またサブネットマスクも、255.255.255までは、共通している。 そこで、差のある最後の8ビットにのみ注目して解説する。 セグメントB のネットワークアドレスの最後の8ビットは 32、サブネットマス クは、224 である。2進数で示せば、以下のとおりになる。 ネットワークアドレス 32 → 0010 0000 サブネットマスク 224 → 1110 0000 したがって、先頭の3ビット 001 がネットワークアドレス部になる。言い換え れば、各ホストに割り当て可能なIPアドレスは、0010 0001 ~ 0011 1111 に なる。このような割り当て可能なIPアドレスなどを、各セグメントごとにまと めれば、以下のようになる。 ┌──────┬──────┬─────┬─────────┐ │ │ネットワーク│サブネット│ 各ホストの │ │ │ アドレス │ マスク │ IPアドレス範囲 │ ├──────┼──────┼─────┼────┬────┤ │セグメントB │ 00100000 │ 11100000 │00100001│00111111│ ├──────┼──────┼─────┼────┼────┤ │セグメントC │ 11100000 │ 11111100 │11100001│11100011│ ├──────┼──────┼─────┼────┼────┤ │セグメントD │ 01000000 │ 11000000 │01000001│01111111│ └──────┴──────┴─────┴────┴────┘ 同様に、選択肢ア~エも表にまとめてみる。 ┌──────┬──────┬─────┬─────────┐ │ │ネットワーク│サブネット│ 各ホストの │ │ │ アドレス │ マスク │ IPアドレス範囲 │ ├──────┼──────┼─────┼────┬────┤ │ 選択肢ア │ 00000000 │ 10000000 │00000001│01111111│ ├──────┼──────┼─────┼────┼────┤ │ 選択肢イ │ 10000000 │ 10000000 │10000001│11111110│ ├──────┼──────┼─────┼────┼────┤ │ 選択肢ウ │ 10000000 │ 11000000 │10000001│10111111│ ├──────┼──────┼─────┼────┼────┤ │ 選択肢エ │ 11000000 │ 11000000 │11000001│11111110│ └──────┴──────┴─────┴────┴────┘ 各ホストに割り当てるIPアドレスは、ネットワーク全体で、重複してはなら ない。この観点で、各選択肢をチェックすると、次のようになる。 選択肢ア…セグメントD と重複する可能性がある。例:01111111 選択肢イ…セグメントC と重複する可能性がある。例:11100011 選択肢エ…セグメントC と重複する可能性がある。例:11100011 したがって、重複する可能性がない選択肢ウが正解になる。 正解:ウ ** =================================================================== ** 第5問 セキュリティ 分野-11-2 技術レベル-3 出題頻度-中 出典:AU16-17 給与システムにおいて,情報セキュリティの要素の一つであるインテグリティの 確保に該当するものはどれか。 ア 運用担当者が,給与システムの処理時間を短縮するためにシステム構成を 変更する。 イ 給与明細表が,支給日までに確実に印刷される。 ウ 権限のない従業員が,給与データを書き換えることはできない。 エ 権限のない従業員が,給与データを読むことはできない。 *-----------------------------------------------------------------------* 解説:情報セキュリティの3要件として、Confidentiality(機密性)、Integrity (完全性)、Availability(可用性)の3つがある。この3要件を満たしている とセキュリティは確保されていると言える。 ア セキュリティとは直接の関係がないが、広く考えられば、Availability(可用 性)に関する記述である。 イ Availability(可用性)に関する記述である。 ウ Integrity(完全性)に関する記述である。 エ Confidentiality(機密性)に関する記述である。 正解:ウ ** =================================================================== ** 第6問 システム開発技術 分野-12-5 技術レベル-3 出題頻度-中 出典:SW17-A-46 あるプログラムについて,互いに独立したテストA,Bを実施したところ,それぞれ 30個及び40個のバグが検出された。また,そのうち20個は共通のバグであった。 プログラムに含まれる推定総バグ数は幾つか。 ア 50 イ 60 ウ 70 エ 80 *-----------------------------------------------------------------------* 解説:問題で指定されている具体的な数値を当てはめて考える。 テストAが見つけたバグ(NA)は30、テストBが見つけたバグ(NB)は40、 共通のバグ(NAB)は20である。 NA = 30 ┌──────┬─────┐ │ (a) 10 │ NAB 20 │ └──────┴─────┘ ┌─────┬──────┐ │ NAB 20 │ (b) 20 │ └─────┴──────┘ NB = 40 上図のように、テストA だけで発見されたバグは、(a)の10、テストB だけが 発見したバグは、(b)の20 になる。 ここで、テストB のみをやめ、テストA のみがテストを続行したとする。 テストAは、共通のバグ20 に対し、独自に発見したバグが 10 あるので、0.5倍 の発見率があると考える。 テストB が独自に発見したのは、(b)の20 なので、テストA がテストを続行 すれば、その0.5倍の10は、エラーが発見できると予測する。 ┌──────┬───┬────────┐ │ NAB 20 │ │ (b) 20 │ ├──────┤ ↓ ├────────┤ │ (a) 10 │0.5倍 │ (c) 20×0.5=10│ └──────┴───┴────────┘ したがって、総バグ数は、20(NAB)+10(a)+20(b)+10(c)=60 と予測される。 ちなみに、テストA はテストをやめ、テストB のみがテストを続行したとして 考えても、下記のように同じ結果になる。 ┌──────┬────────┐ │ NAB 20 │ (b) 20 │ ├──────┴────────┤ │ → 1倍 │ ├──────┼────────┤ │ (a) 10 │ (c) 10×1 =10 │ └──────┴────────┘ 正解:イ ** ========================= 与謝蕪村の俳句 ======================== ** けしの花 籬(まがき)すべくも あらぬ哉 *///////////////////////////////////////////////////////////////////////* 以下のワークショップ(セミナー)の受講者募集中! ITストラテジスト試験対策 第1回 平成21年 7月12日(日)論述式試験の攻め方・IT人材育成 第2回 平成21年 7月26日(日)記述式試験の攻め方・業務改善 第3回 平成21年 8月 9日(日)経営戦略・情報戦略・IT投資 第4回 平成21年 8月23日(日)システム全般構想の立案 第5回 平成21年 9月13日(日)個別システム化計画 第6回 平成21年10月 4日(日)システム分析・業務改革 ネットワークスペシャリスト試験対策 第1回 平成21年 7月19日(日)TCP/IP・ルーティング 第2回 平成21年 8月 2日(日)LAN・スイッチ・VLAN 第3回 平成21年 8月16日(日)ARP・DNS・DHCP 第4回 平成21年 9月20日(日)ADSL・PPPoE・携帯電話 詳しくは、http://zigen.cosmoconsulting.co.jp をアクセスしてください。 *///////////////////////////////////////////////////////////////////////* ■■ 示現塾 ■■ 高度に出る午前共通問題を解こう! 発行・編集責任者 金子 則彦 このメールマガジンを解除するには、 http://zigen.cosmoconsulting.co.jp/mailmag/mailmag_index.htm にてお手続きください。



