2009/06/23
示現塾 高度に出る午前問題を解こう! (2009-06-23)
*-----------------------------------------------------------------------* ■■ 示現塾 ■■ 高度に出る午前共通問題を解こう! ITストラテジスト,ネットワークスペシャリストのセミナー開催・受付中! 午後問題や解答用紙のダウンロード http://zigen.cosmoconsulting.co.jp 秋の情報処理技術者試験日まで、あと118日 2009年06月23日(火) 本格版 1745号 ** =================================================================== ** これは,2009年秋の情報処理技術者試験のうち、応用情報技術者試験 午前問題 及び高度試験 午前共通問題 に対応したものです。 本日の問題テーマは,次の6つです。 第1問−アルゴリズムとプログ ラミング ・・・2分木での探索時の最大比較回数のオーダ 第2問−システム構成要素 ・・・2階層型クライアントサーバ方式のス トアドプロシージャ化 第3問−データベース ・・・地域別の三つの商品表 同等の結果が得ら れる関係式 第4問−ネットワーク ・・・クラスCのプライベートIPアドレス 第5問−セキュリティ ・・・個人情報保護に関するコンプライアンス・ プログラム 第6問−システム開発技術 ・・・連想コード(mnemonic code) ** ------------------ やる気が出る(?)名言集 ----------------------- ** 学ぶこと以外は、飽きがくる。 (ウェルギリウス) ** =================================================================== ** 第1問 アルゴリズムとプログラミング 分野−2-1 技術レベル−3 出題頻度−中 出典:SW19-S-09 すべての葉が同じ深さであり,かつ,葉以外のすべての節点が二つの子をもつ要 素数nの完全2分木がある。どの部分木をとっても左の子孫は親より小さく,右の 子孫は親より大きいという関係が保たれている。2分木で探索する場合,ある要素 を探索するときの最大比較回数のオーダはどれか。 ア log2 n イ n log2 n ウ n エ n^2 注:log2 n の“2”は、対数の底であり、もう少し小さくlogの下に書かれて いるものと、補って読む。n^2 は、n の2乗の意味である。 *-----------------------------------------------------------------------* 解説:下記の図は、要素数15の完全2分木の例である。 26 / \ / \ / \ 15 35 / \ / \ / \ / \ 9 19 33 40 /\ /\ /\ /\ 6 10 18 20 32 34 38 51 完全2分木の探索は、図の最上部にある“根”から、最下部の“葉”に向か って、数値を比較しながら、進めていく。 この図で、20を探索する場合、下記のようになる。 (1) 根である26と、20を比較すると、20の方が小さいので、20は左の子(15)側 にあるとわかる。 (2) 15と、20を比較すると、20の方が大きいので、20は右の子(19)側にあると わかる。 (3) 19と、20を比較すると、20の方が大きいので、20は右の子(20)側にあると わかる。 (4) 20と、20を比較すると、一致するので探索が完了する。 この例からもわかるように、最大比較回数は、図の深さと一致する。図の深さ は、要素数+1のlog2 (n+1)になる。つまり、2の何乗すれば、n+1になるかの 数である。 オーダは、O記法のオーダであり、関数のおおまかな傾向を示すために、計算結 果に大差ないものを省略する。 したがって、log2 (n+1)のオーダを取れば、log2 n になる。 正解:ア ** =================================================================== ** 第2問 システム構成要素 分野−4-1 技術レベル−3 出題頻度−中 出典:SM17-05 2階層型のクライアントサーバ方式の業務システムを,ストアドプロシージャを 使って書き直す場合,最も期待できる効果はどれか。 ア クライアントとサーバ間の通信回数が減少する。 イ サーバのCPU負荷が減少する。 ウ サーバのディスクアクセスの回数が減少する。 エ データベースヘの,より複雑なアクセスが可能となる。 *-----------------------------------------------------------------------* 解説:ア ストアドプロシージャは、プロシージャ(手続きを実行するプログラム 部分)を、サーバに事前に登録する仕組みである。クライアントは、このプロ シージャを起動し、サーバがそれを実行して、結果のみをクライアントに返す。 従って、最適化された共通のアクセス手法をサーバに登録し、クライアント のアプリケーションに提供することができる。 ストアドプロシージャは、データの抽出処理をサーバ側で実行し、結果のみ をクライアントに返すため、データの抽出処理をクライアント側で実行する場 合と比較して、クライアントとサーバ間の通信回数が減少する。 イ サーバのCPU負荷は、増加する。 ウ サーバのディスクアクセスの回数は、増加することが多い。 エ データベースヘの、より複雑なアクセスが可能となることはない。ストアド プロシージャは、他の方法より複雑なアクセスを可能にするものではない。 正解:ア ** =================================================================== ** 第3問 データベース 分野−9-3 技術レベル−3 出題頻度−中 出典:SW19-S-63 地域別に分かれている同じ構造の三つの商品表,“東京商品”,“名古屋商品”, “大阪商品”がある。次のSQL文と同等の結果が得られる関係式はどれか。ここ で,三つの商品表の主キーは“商品番号”である。また,X−YはXからYの要素を 除いた差集合を表す。 SELECT * FROM 大阪商品 WHERE 商品番号 NOT IN (SELECT 商品番号 FROM 東京商品) UNION SELECT * FROM 名古屋商品 WHERE 商品番号 NOT IN (SELECT 商品番号 FROM 東京商品) ア (大阪商品 ∩ 名古屋商品)− 東京商品 イ (大阪商品 ∪ 名古屋商品)− 東京商品 ウ 東京商品 −(大阪商品 ∩ 名古屋商品) エ 東京商品 −(大阪商品 ∪ 名古屋商品) *-----------------------------------------------------------------------* 解説:問題文のSQLを再掲する。 SELECT * FROM 大阪商品 (a) WHERE 商品番号 NOT IN (SELECT 商品番号 FROM 東京商品) (b) UNION SELECT * FROM 名古屋商品 (c) WHERE 商品番号 NOT IN (SELECT 商品番号 FROM 東京商品) (a)のWHERE句は、NOT IN があるので、大阪商品から東京商品を除いた商品が 抽出される。関係演算の記号で書けば、大阪商品 − 東京商品 になる。 (c)のWHERE句は、NOT IN があるので、名古屋商品から東京商品を除いた商品が 抽出される。関係演算の記号で書けば、名古屋商品 − 東京商品 になる。 (b)は、UNION なので、(a)と(c)の和を取る。 したがって関係演算の記号で書けば、 (大阪商品 − 東京商品) ∪ (名古屋商品 − 東京商品) になる。 これは、(大阪商品 ∪ 名古屋商品)− 東京商品 と等しいので、 選択肢イが正解になる。 ベン図で表現すれば、点で示された部分が抽出される部分である。 東京商品 ┌─────────┐ │ │ 大阪商品 │ ┌───┼─────┐ │ │ │・・・・・│ │ │ │・・・・・│ │ │ │・・・・・│ │ │ │・・・・・│ │ ┌─┼───┼───┐・│ │ │ │ │・・・│・│ └───┼─┼───┘・・・│・│ │・│・・・・・・・│・│ │・└───────┼─┘ │・・・・・・・・・│ │・・・・・・・・・│ │・・・・・・・・・│ └─────────┘ 名古屋商品 正解:イ ** =================================================================== ** 第4問 ネットワーク 分野−10-3 技術レベル−3 出題頻度−中 出典:SW19-S-54 クラスCのプライベートIPアドレスとして利用できる範囲はどれか。 ア 10.0.0.0 〜 10.255.255.255 イ 128.0.0.0 〜 128.255.255.255 ウ 172.16.0.0 〜 172.31.255.255 エ 192.168.0.0 〜 192.168.255.255 *-----------------------------------------------------------------------* 解説:プライベートIPアドレスは、LAN 内のみで使用するアドレスである。これ に対し、インターネット上のホストを一意に識別するアドレスが、グローバ ルIPアドレスである。 プライベートIPアドレスは、自由に使用できるIPアドレスであるので、どん なIPアドレスでも構わないが、RFC 1918が下記のプライベートIPアドレスの 範囲を規定しているので、その範囲内がよく使用される。 クラスA … 10.0.0.0〜10.255.255.255 (10.0.0.0/8) クラスB … 172.16.0.0〜172.31.255.255 (172.16.0.0/12) クラスC … 192.168.0.0〜192.168.255.255 (192.168.0.0/16) なお、上記の範囲を知らなくても、本問は解ける。クラスC は、2進数の 110 で開始しなければならないので、IPアドレスの先頭8ビットの10進数は 192以上にならざるを得ない。したがって、選択肢エのみがクラスC に該当 している。 正解:エ ** =================================================================== ** 第5問 セキュリティ 分野−11-2 技術レベル−3 出題頻度−中 出典:SM16-48 “個人情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項”(JIS Q 15001)に関する記述のうち,適切なものはどれか。 ア 勤労者の団結権に関する事項を含む個人情報の収集は,いかなる場合でも行 ってはならない。 イ 個人情報の利用及び提供は,いかなる場合でも情報主体が同意を与えた収集 目的の範囲内で行わなければならない。 ウ 情報主体以外から間接的に個人情報を収集する場合には,必ず情報主体の同 意を得なければならない。 エ 情報主体から直接に個人情報を収集する場合には,必ず情報主体に収集目的 を通知しなければならない。 *-----------------------------------------------------------------------* 解説:ア 勤労者の団結権に関する事項を含む個人情報の収集は,基本的に行っ てはならない。ただし、明示的な情報主体の同意、法令に特別の規定がある 場合、及び司法手続上必要不可欠である場合は、この限りではない。 イ 次の場合は、情報主体の同意を必要としない。 a) 法令の規定による場合 b) 情報主体及び、又は公衆の生命、健康、財産などの重大な利益を保護する ために必要な場合 ウ 次の場合は、情報主体の同意を必要としない。 a) 情報主体からの個人情報の収集時に、あからじめ自己への情報の提供を予 定している旨に従い情報主体の同意を得ている提供者から収集を行う場合 b) 情報処理を委託するなどのために個人情報を預託される場合 c) 情報主体の保護に値する利益が侵害されるおそれのない収集を行う場合 エ そのとおりである。コンプライアンスプログラムは、民間企業等がその活動 の実態に応じた個人情報保護のために策定する実践遵守計画のことである。 平成9年に、通商産業省(現在の経済産業省)は、個人情報保護ガイドラ イン(正式名称:民間部門における電子計算機処理に係る個人情報の保護に 関するガイドライン)を公表した。これに基づき、平成11年に、JIS 化され JIS Q 15001 になった。 さらに、これが平成18年に改正され、JIS Q 15001:2006 になっている。 JIS Q 15001の内容を知りたい方は、http://www.jisc.go.jp/ のJIS検索に て参照されたい。 正解:エ ** =================================================================== ** 第6問 システム開発技術 分野−12-4 技術レベル−3 出題頻度−中 出典:CM14-19 連想コード(mnemonic code)に関する記述として,適切なものはどれか。 ア EBCDIC コード,ASCII コードなどが,その例である。 イ 課コードの上位のけたを部コードにするというように,コードの各けたに意味 をもたせるものである。 ウ 仮想記憶方式のハードウェアで行うアドレス変換を高速化するために用いられ る。 エ コード化の対象となるものの名称や略号をコードの一部に取り入れたものであ る。 *-----------------------------------------------------------------------* 解説:ア EBCDIC コード,ASCII コードなどは、コンピュータの内部コードで ある。数字や文字を、ビット列に対応させるものである。 イ けた別コードの説明である。 ウ 仮想記憶方式でのアドレス変換を担当するのは、DAT(Dynamic Address Translator:動的アドレス変換機構)である。そのDAT の中で、アドレス変 換を高速にするハードウェアは、TLB(Translation Look-aside Buffer:連 想レジスタ)である。 エ 連想コードは、文字通り、コードから元の名称や意味を連想しやすいコード である。 正解:エ ** ========================= 与謝蕪村の俳句 ======================== ** 方百里 雨雲よせぬ ぼたん哉 *///////////////////////////////////////////////////////////////////////* 以下のワークショップ(セミナー)の受講者募集中! ITストラテジスト試験対策 第1回 平成21年 7月12日(日)論述式試験の攻め方・IT人材育成 第2回 平成21年 7月26日(日)記述式試験の攻め方・業務改善 第3回 平成21年 8月 9日(日)経営戦略・情報戦略・IT投資 第4回 平成21年 8月23日(日)システム全般構想の立案 第5回 平成21年 9月13日(日)個別システム化計画 第6回 平成21年10月 4日(日)システム分析・業務改革 ネットワークスペシャリスト試験対策 第1回 平成21年 7月19日(日)TCP/IP・ルーティング 第2回 平成21年 8月 2日(日)LAN・スイッチ・VLAN 第3回 平成21年 8月16日(日)ARP・DNS・DHCP 第4回 平成21年 9月20日(日)ADSL・PPPoE・携帯電話 詳しくは、http://zigen.cosmoconsulting.co.jp をアクセスしてください。 *///////////////////////////////////////////////////////////////////////* ■■ 示現塾 ■■ 高度に出る午前共通問題を解こう! 発行・編集責任者 金子 則彦 このメールマガジンを解除するには、 http://zigen.cosmoconsulting.co.jp/mailmag/mailmag_index.htm にてお手続きください。


