2008/09/10
教ドキュWeekly 9/9号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 教ドキュWeekly 2008.9.9号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 先週のダイジェスト(9/1-9/8) ─────────────────────────────────── 9/2 ガイアの夜明け「ゴールドを世界が狙う」(テレ東系) 中国の経済繁栄と共に、日本から多くの金が中国に向けて流出している。現 在日本では、タンスに眠っている金のアクセサリーから金歯まであらゆる金製 品を買い取るビジネスが成長している。金相場の高騰を受けて、金山の開発も 進みつつある。中国ではかなり大規模な鉱山開発が進んでいるが、まだ国内で の需要を満たし切れていないという。一方、日本で唯一の大規模金鉱山を保有 している住友金属鉱山では、アラスカに目を付けて新規開発を進めている。 ・かつての黄金の国ジパング、経済大国日本も、今では金鉱山も涸れ、経済も 落ち目で金が流出していく立場とは、何とも情けなくもある。 ---------------------------------------------------------------------- 9/3 ためしてガッテン「予防効果8倍!アルツハイマー病制圧3原則」 アルツハイマーの症状である脳の萎縮が見られているのに、知的能力に問題 が生じていない高齢者がいることが明らかとなってきた。アルツハイマーの進 行を遅らせることで、認知症の出ないまま一生を終えることも可能になる。最 新の研究では、有酸素運動がアルツハイマーの危険度を1/3に、話し相手を 持つことで1/8に、高血圧・高コレステロール・肥満に注意することで1/ 6になるということが分かってきたという。また抑肝散という漢方薬が、認知 症による妄想などを抑える効果が見られるとの研究結果も発表されている。 ◎最新情報だけに、まだ検証が必要な部分はあるだろうと思われるが、概ね無 茶を言っていることはないと思われる。健康な生活が認知症を防ぐ。 ---------------------------------------------------------------------- 9/3 その時、歴史が動いた「焦土に玉音が響いた〜終戦決定までの道程」 広島に原爆が投下されて日本の敗戦も必至となっていた1945年8月9日。ポツ ダム宣言受諾の可否を決定する会議が開かれていた。しかし降伏条件を国体護 持の1点に絞るべきとする外務大臣・東郷茂徳と、さらに3つの条件を加える べきと主張する陸軍大臣・阿南惟幾らが対立して平行線をたどっていた。結局 は天皇の勅裁によって国体護持の1条件にすることになったが、終戦の詔書の 作成に手間取る間に、徒に無駄な犠牲を増やすことになってしまった。そうし て8月15日の玉音放送を迎えることとなる。 ◎上層部が無駄な対立をしている間にも無駄な犠牲が出る。結局はこの戦争自 体が丸ごと無駄だったのですが。もうこんなことは二度としてはならない。 ---------------------------------------------------------------------- 9/6 美の巨人たち「ルネ・マグリット作「白紙委任状」」(テレ東系) 超現実的で不可解な絵画で知られているマグリット。彼はシュルレアリスム の影響を受けたというが、どんどんと難解な世界に入っていくシュルレアリス ムと袂を分かって、独自の世界を追究していった。彼は作品のタイトルが作品 の内容と相互作用をもたらすように仕掛けていたが、自らの作品について説明 することは極端に嫌ったとか。表題作も謎を秘めた作品である。 ○本当に妙な絵画なんですよね。この人のは。超現実的で、表現が妙に平板で メリハリがない。インパクトは強いんだが、何を言いたいのかは意味不明。 ---------------------------------------------------------------------- 9/7 所さんの目がテン!「目がテン牧場3」(日テレ系) 目がテン牧場では、いよいよ牧草を育てての放牧が始まった。しかし牛達が 草を食べる様子がない。牛は本来は寒冷地の生き物であり、夏は草を食べると 体内で発熱するので、専ら夕方以降に草を食べるのだという。そこで牛達のた めに牛舎の建設を開始。牛は寝床にこだわるとのことで、やはり牧草地の地面 と同じ硬さを好むのだとか。実験の結果、布団を敷くのが最適となったので、 古い布団にカバーをかぶせて牛舎に敷くことに。 ○いよいよ大がかりになってきました。所氏も言っていましたが、単にケーキ を作るためだけにここまでするか。ところで麦と玉子はどうなってるの? ---------------------------------------------------------------------- 9/7 ダーウィンが来た!「アンデス疾走 珍獣ビクーニャ」(NHK) アンデスの高地に棲息するのが、ラクダの仲間の珍獣・ビクーニャ。厳しい 生存環境の中で、彼らは家族で群れを作って短い草を食べて生きている。夜間 にはかなり気温が低下する高地に適応した彼らは、細くて密集した毛を持って おり、これで体温が奪われることを防ぐ。また1才になったオスは若オスだけ で群れを作るが、繁殖期になるとメスを巡って激しい争いを繰り広げる。 ○ラクダ系とのことですが、ラクダよりはかなり敏捷なイメージです。それに してもいろいろな動物が世界にはいること。 ---------------------------------------------------------------------- 各番組の詳細は教養ドキュメントファンクラブ http://homepage1.nifty.com/sagi/ もしくは各番組のホームページへ ====================================================================== 今週のキーワード ○「ステロイド」(本当は恐い家庭の医学) 免疫を抑える作用があるので、アレルギーによる皮膚炎やアトピーに対して 使用されるが、水虫の場合は逆効果になってしまう。 ====================================================================== 今週の放送予定&期待度 ─────────────────────────────────── 9/9 ガイアの夜明け「"使い捨て"雇用を問う」(テレ東系) ◎派遣の問題も、格差固定を目指した小泉インチキ改革の産物です。 9/10 ためしてガッテン「焼き肉革命!炭はこう使え」(NHK) ・料理番組路線を突っ走ってるな・・・。 9/10 その時、歴史が動いた「帝国最大屈辱ノ日ナリ」(NHK) ○日本は実はまだアメリカの占領下ではないかと思うことも・・・。 9/13 美の巨人たち「奥村土牛作「門」」(テレ東系) ○この人の作品って、妙な存在感があるんですよね。 9/13 サイエンスZERO「植物の"超"能力」(NHK教育) ○はて?このネタって以前になかったっけ? 9/14 所さんの目がテン!「トウガラシ」(日テレ系) ○そう言えば、日本のトウガラシって韓国のものよりも辛いとか。 ====================================================================== ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ <<お知らせ>> 突然に話題の書籍になってしまいました・・・・。 『また「あるある」にダマされた』 三才ブックスより発売中 巷にインチキな健康・ダイエット情報が氾濫し、テレビがそのお先棒を担い でいる時世に危機感を感じた私が、「全編完全書き下ろし」で仕上げました。 本著は「あるある大事典」での放送内容について、具体的に問題点を指摘す ることで、巷に氾濫する誤った情報について斬っていく形式をとっています。 詳細な情報についてはこちらをご参考ください。 http://homepage1.nifty.com/sagi/book.html ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 晴耕雨読ヘッドライン ─────────────────────────────────── 9/3 福田総理突然の辞任。世襲政治家の限界と自民党の人材枯渇の惨状。 ---------------------------------------------------------------------- 鷺の主宰する時事コラムページ「晴耕雨読」 http://www.geocities.jp/ksagijp/ ====================================================================== 今週の一冊 ─────────────────────────────────── ====================================================================== 展覧会レポート ─────────────────────────────────── さて今年の夏の青春18シーズンもいよいよ大詰めとなってきた。となると 、やはり青春18切符を使った遠征を実行しておかないとという気になってく る。そこでかねてより懸案となっていた彦根遠征を実施することとなった。以 前にも言ったように、彦根城は日本の現存12天守の一つである。目下のとこ ろ私は四国の4つ、中国の2つ、さらに姫路城は訪問しているのであるが、こ の彦根城はまだである。後は福井の丸岡、愛知の犬山、長野の松本、極めつけ が青森の弘前と遠隔地ばかりであることを考えると、せめて彦根ぐらいは攻略 しておかないとというものである。 新快速で彦根に早朝に到着。彦根と言えばひこにゃんであるが、駅から降り た途端にあちこちにひこにゃんが見られる。なお駅前には巨大なひこにゃんの 銅像・・・ではなくて、徳川四天王の一人で彦根藩初代藩主である井伊直政の 銅像が立っている。彦根は徳川の譜代大名の井伊氏の所領で、代々の領主の中 には幕末に桜田門外で暗殺された井伊直弼も含まれている。 散歩がてら彦根城までブラブラ歩く。彦根で降りるのは初めてだが、意外と 大きな町である。彦根城には10分強で到着。彦根城はかなり観光地として整 備されている印象である。堀とその中にそびえる石垣が美しい。入場ゲートで 各施設の入場券がセットになったセット券(1000円)を購入すると、まずは 彦根城博物館の見学から行うことにする。 彦根城博物館は彦根藩の表御殿を復元した建造物に、能舞台を移築した博物 館部分を組み合わせた施設になっている。展示物は刀剣・甲冑(井伊直政の赤 備えは有名である)を始めとして、古文書・能面、雅楽器、絵画等々井伊家ゆ かりの品々である。ただ生憎といずれも私の専門範囲外。譜代の名家の物品だ けにかなりの逸品もあるのだろうと思われるが、猫に小判、豚に真珠である。 博物館の見学をすませると城の見学のほうに移る。例によって城郭見学には つき物の石段を登ることになるが、今までに回った城郭に比べると滅茶苦茶に 厳しい石段というわけではない。天守台のある本丸には橋で空堀を越えて入る ようになっている。いざという場合にはこの橋を落として最終防衛ラインにす るようになっているのだろう。守りの堅固さを思わせる。 橋を渡ると天秤櫓になる。ここは先ほどの橋を守るような形になっている。 この建物は重要文化財とのことで、今回特別公開になっていたのであるが、内 部は完全にひこにゃんに占拠されていた。 天秤櫓からさらに石段を登り、これまた重要文化財である太鼓門櫓をくぐっ たところが本丸となる。ここまで来るとようやく正面に天守閣を眺めることが 出来る。姫路城などと比べたときにこじんまりした感じを受けるが、漆を用い たという全体的に黒っぽい外観に、金箔を使用した飾りがワンポイントとなっ て、意外と派手な印象を与える。姫路城のような優美な天守ではなく、小さい ながらも威圧感のある天守である。 天守閣を登ることにする。三層構造の天守であるので中はそう大きくない。 しかしやはりさすがに現存天守らしく階段が急(階段というよりも角度的には はしごに近い)であり、上り下りが難儀。観光客が多いせいで階段で大渋滞に なっている。 最上階からは彦根市外を一望でき、琵琶湖も見える。城巡りの楽しさのひと つはこの風景にもあるのであるが。ただここの天守の場合、屋根の形のせいか 結構眺望がさえぎられていて、広く風景を見渡すという雰囲気でもなかったり する。 天守閣を見学した後は裏側から本丸を降りて、彦根城の庭園である玄宮園の 見学をする。表側からよりもこちら側からのほうがかなり斜面が急である。玄 宮園は規模はそう大きくはないものの、屋敷や水路をよく計算して配置してあ り、背後の山にそびえる天守も含めてバランスの良い景観を見せる。 彦根城の見学を終えたところで時刻を確認すると、もう既に昼前である。当 初想定したタイムスケジュールよりもやや遅れている。昼食に目星を付けてい た店に急ぐ。 彦根城の大手門方面に回り込むと、そこからはキャッスルロードと名付けら れた商店街が延びている。明らかに観光客向けに整備された商店街で、商店の 外観を日本風で揃えてある。彦根城自身がかなり観光地として整備されている ことを感じたが、彦根市街自身も観光地整備がかなり進んでいるようである。 私が今回の昼食をとることにしたのは、この商店街の中にある「あゆの店き むら」。あゆ料理の専門店であり、焼き鮎などの通販や店頭販売を行っている が、お昼時には昼食も摂ることができるようになっている。しかしその昼食ス ペースが小さいのと、私が到着したのが少々遅れたのとで、私が到着した時に は既に席が塞がっている状態。30分は待たないといけないとのこと。一瞬判 断に迷うが、もう既に気分が鮎の気分になっていたので、待つことに決定する 。この時点で以降のスケジュールが1時間遅れになることが決定、後の予定に しわ寄せが行きそうである。 店舗内で待つにも待合いスペースがほとんどない。まだまだ待ち時間がかな り長そうなので、とりあえずはクールダウンの方を先にすることにする。向か いの通りの喫茶「花百茶」に入って宇治金時白玉(650円)を頂くことにする かき氷なんてどこでもそんなに大差がないようだが、どうしてどうしてこれ が結構店によって差がある。シロップが少なすぎて後半には白い氷を食べる羽 目になるとか、小豆をケチりすぎていてほとんど粒を数えられそうなぐらいし か入っていないとかいうのは問題外としても、一番大きな違いはやはり氷であ る。喫茶店などで多いのは、安直にジュースなどに入れる製氷器の氷をそのま ま使っている例だが、あれはとにかく良くない。氷が非常に溶けやすいので、 ひどい場合にはシロップをかけただけで半分溶けていて、食べている内にドン ドン溶けるので、最後はかき氷でなくジュースになってしまうということにな る。これに対して氷屋の氷などキチンとした氷を使用しているとこういうこと がなく、最後までかき氷を楽しめるのである。そう言う点ではここのかき氷は 当たりであった。 かき氷でクールダウンして一服すると再び店に戻るが、まだ客が入れ替わり そうな様子がない。結局は40分ほど待たされてようやく席に着くことになる 。私が注文していたのはあゆ雑炊塩焼きセット(1450円)。事前に注文して いたので、席に着くとほどなく料理が運ばれてくる。 まずはあゆ雑炊を一杯。「うまい」 焼きあゆが入った雑炊など生臭くなら ないかと思っていたのだが、そんなことは全くない。塩焼きの方もかじってみ たが、あゆの香ばしさや味わいはあるものの、生臭さは一切感じられない。こ このあゆは養殖物を使っていると聞いているが、なかなかに質が良いものを使 用しているようである。惨々待たされた挙げ句なので、これでお粗末なものを 出されていたら怒り心頭になりかねなかったが、どうやら待ったことは無駄で はなかったようである。 腹を満たした後はしばらく辺りをフラフラして土産物などを買い求めると、 バスで駅まで移動する。さてここからはまた「21世紀の地域振興と交通につ いて考える市民の会代表(自称)」としての活動である。 この地域の鉄道会社として近江鉄道が存在する。米原から彦根、八日市を経 由して、近江八幡、貴生川などを結んでおり、また多賀大社方面への支線も有 している。全国的な知名度は低いが地元では親しまれている存在で、今でも地 元の年配者の間では「近鉄」と書くと近畿日本鉄道を指すものではなく、「お うてつ」と呼んで近江鉄道のことを指すとか。なお地元では広く「ガチャコン 」と呼ばれていると聞く。なおこの「ガチャコン」という愛称はどうやら近江 鉄道自体が認めているのか、車内広告に「ガチャコンで行く○○の旅」という 自社広告まで見受けられた。 近江鉄道の彦根駅はJRの彦根駅と隣接した位置にある。また彦根駅には車 両工場が存在するとのことで、駅の横には様々な形態の車両が停車している。 なお私は今回、「びわこ京阪奈フリー切符という1000円で近江鉄道及び信 楽高原鉄道が1日乗り放題の切符を購入した。なおこの切符の名称の由来には 壮大な構想が存在しているが、それは後述する。 しばらくするとホームに多賀行きの列車が到着する。近江鉄道は全線単線電 化路線(狭軌)であるので単両編成のワンマン電車である。同社は西武鉄道系と のことで、そのためか車体はライオンズカラーの上にレオマークまで入ってい る。中古部品などを流用した自社製作車両で、220型と言われるそうな。乗 車すると独特の甲高いモーター音と路線の名称の由来ともなっている「ガチャ コン」という音が印象的。路盤があまり良くないのか、走行するたびに「ガチ ャコン」という音を立てながら車両が細かく揺れる。 高宮駅に到着すると、ここで八日市行きの車両に乗り換える。これがやはり 西武の車両を改造した820系と呼ばれる車両とのこと。どこかで見た記憶が あると思ったら、三岐鉄道の三岐線においてであった。この辺りは近江鉄道の 路線は新幹線に沿って延びているのだが(新幹線の方が後で建設されているの だから、正確に言うと「新幹線が沿っている」のであるが)、この辺りは米所 近江らしい広大な田んぼの中に点在する集落をつないでいく印象で、明らかに 沿線人口はJRより少ない。 途中で、解体業者と癒着した(と推測される)町長が、ヴォーリズ設計による 歴史的文化遺産である小学校校舎を強引に取り壊そうとした大騒動で有名にな った豊郷を経由、新幹線と分かれた後はひたすら田んぼの中を走行する。やが て到着する大きな町が八日市である。ここで路線は近江八幡行きと貴生川行き に分かれるので、貴生川行きの列車に乗り換える。そこからさらに列車は田ん ぼの中を走行するが、この辺りから近江平野ではなくてだんだんと山間部へと 入っていく。そして水口城跡の残る水口を経て、貴生川に到着する。 近江鉄道については、まさに地元密着型の鉄道であるが、沿線人口が決して 多くはないのが気になった。沿線で最大の都市は八日市であると考えられるの で、八日市と近江初万をつなぐ八日市線については、今回は視察していないも のの多分それなりの需要はあると思われる。しかし米原から貴生川までを接続 している本線の方の需要は頭打ちでありそうだ。そういう意味ではここも全国 の多くの鉄道会社同様、かなりしんどい経営を迫られているとは思われる。な お西武系の旧車が多く走行しているのがマニア心をくすぐるのか、沿線にはカ メラを構えた鉄道マニアが多く見られた。三岐鉄道が明らかにマニアをターゲ ットにした戦略を展開しているが、近江鉄道についてもこの戦略があり得るか もしれない。 貴生川からは信楽高原鉄道に乗り換えることにする。この信楽高原鉄道であ るが、元々は国鉄信楽線であったが、それが第3セクター化して分離したもの であり、全国の旧国鉄系第3セクター会社の一つに入る。しかしその経営はか なり苦しいと言われている上に、1991年には陶芸祭の観光客を満載した臨 時列車が正面衝突をする大事故を起こし、その補償問題なども未だに尾を引い ている(特にJRとの間の争いが継続している)などとかなりの悪条件を抱えて いる。しかも今年に第二名神が開通したことでより一層のモータリゼーション の進行は必至と見られ、経営にはあまり明るい材料が存在しておらず、現在は 廃線に最も近い鉄道路線の一つとして見られているのが実態である。 信楽高原鉄道は元々国鉄系の路線だけに、貴生川駅のホームをそのまま区切 りもない状態で使用しており、ちょうど井原鉄道の清音駅の状況と近いものが ある。ただ同社の場合は常駐駅員もおらず、車両の運転士がすべてを管理する ことになっている。 信楽高原鉄道の路線は単線非電化路線(狭軌)であるので、到着したのは二両 編成のディーゼル車である。乗車して驚くのはいきなりかなりの急傾斜を登り 始めることである。路線としては最初の駅である紫香楽宮跡駅までがかなり長 く、この間は何もない山の中をひたすら走行することになる。そして山岳地帯 を登り切った辺りで紫香楽宮跡駅があり、後は終点の信楽まで駅が点在してる ことになる。第二名神の信楽出口は紫香楽宮跡駅のすぐ手前のところにあり、 線路からはそこに見える位置にある。 信楽駅には25分ほどで到着。信楽駅はまさに狸に占領されている駅で、駅 前には身の丈数メートルの巨大狸が立っている。ここからはコミュニティーバ スなどが出ており、陶芸の森などにも行くことができるのだが、今回は既に予 定よりも1時間の遅れが生じているので、これはやめにしておく。以前から言 っているように、私はそもそも陶芸とは相性が良くないし(どうしても陶器類 には目が利かない)、実ははるか昔の学生時代に陶芸の森は友人と車で訪れた ことがある(ちょうど信楽高原鉄道があの事故で全線運行停止になっていた時 期である)。正直言うと、いかにもハコモノ的施設であまり良い印象を抱かな かったということもある。と言うわけで、結局は駅前を一回り視察しただけで そのまま貴生川に帰ってきてしまう。 さて信楽高原鉄道であるが、視察した限りでもやはりかなり苦しい状況であ ることは否定できない。終点に信楽というそれなりに観光ポテンシャルを有し ているポイントはあるのであるが、その観光ポテンシャルは爆発的というほど でもない。しかも決定的なのは第二名神の開通。現地移動の利便性なども考え ると、今後は観光客の大半はそちらに奪われるのは確実と思われる。今後の社 会情勢の劇的な変化(政府の無策が極まって、庶民は自動車など利用できない ような状況になるとか)でも起こらない限り、その流れは止まらないのではな かろうか。 私が以前に視察した若桜鉄道などでは、老朽化した駅舎などの設備を逆手に とって、レトロムードを前面に打ち出して観光客や鉄道マニアなどを引き寄せ る戦略を実行中であるという。しかし信楽高原鉄道の場合、設備が中途半端に 新しいのが裏目に出て、この戦略も不可能である。私のごときの浅知恵では、 この鉄道路線に観光客を引き寄せる妙案は浮かばない。現在のところ地元民と 思われる利用はそれなりにあるようなので、廃止すべき路線ではないと思うの だが、かといって生き残りはかなり苦しいだろう。実際、この路線に終末が近 い空気を感じるのか、やけに沿線に鉄道マニアが多いのが気になった。 この路線の生き残りのための構想だが、そのために浮上したと思われるのが 先に登場した「びわこ京阪奈線」構想である。これは信楽高原鉄道を学研都市 線の京田辺まで延伸して、近江鉄道を経由して米原から京田辺までを直結 してしまおうという構想である。確かにこの構想が実現すれば、信楽高原鉄道 にとっては起死回生の策となる可能性が高い。しかしながらその実現性を考え た場合には問題点が山積している。まず信楽から京田辺までの延伸であるが 、山岳地帯を通過することになるのでかなりの建設コストが予想されるのだが 、それに見合った利用があるかが極めて疑問である。 また京田辺まで接続したとしても、ただ単に接続しただけで乗客が見込め るというものではなく、時間的なメリットなどがないと乗客は見込めない。そ のためには近江鉄道及び信楽高原鉄道の路線の高速化が不可欠である。近江鉄 道路線については近江平野という地形が幸いして意外と直線部分が多いのと、 周囲が閑散としているために最悪はカーブの付け替えなども可能で高速化自体 は可能であるとは思うが、コスト負担の問題がある。しかし急傾斜の山岳部を 抜ける信楽高原鉄道路線ではこれは限界があろう。また近江鉄道は電化されて いるのに、信楽高原鉄道は非電化路線であるので、一体化した運用のためには (途中の貴生川で乗り換えが必要なようでは利便性が著しく落ちる)、信楽高原 鉄道を電化するか、近江鉄道路線に振り子ディーゼル車が乗り入れるかという ような形になるしかないが、どちらも無駄が大きい。 また路線としての存在意義も難しい。滋賀と奈良を直結する路線と言うだけ ではあまりに弱い。JR東海道線の迂回ルートとして考えるなら、この地域で の交通のネックが関ヶ原にあることを考えると、関ヶ原以西でのルートを二重 化することにはさして意味はなく、むしろ関西本線を高速化して名阪を結ぶ第 二ルートとして強化することの方が意味がある。以上を考えると、残念ながら この「びわこ京阪奈」構想に現実性があるとは思いにくい。 ちなみに帰り道で乗り換え待ちの間に貴生川駅周辺をウロウロした時、「首 都機能を甲賀・東近江地域へ」という看板を見かけた。確かにこれこそは実現 すればこの地域の過疎進行も含めてすべてを解決するウルトラCかも知れない が、その実現可能性はびわこ京阪奈構想よりもさらに低いだろうと考えざるを 得ないだろう。 以上が今回の遠征であった。結局のところ、美術館と呼べるようなところに は全く立ち寄らなかった(陶芸の森の訪問予定をはずしたのが大きい)ため、美 術館遠征とは呼べないものとなってしまった・・・。いよいよ堕落の一途であ る。 ────────────────────── <連絡> この度、新しいHPを立ち上げました。その名は「私的美術館紀行」。 今までに掲載した展覧会レポートを中心としながら、さらに新しい情報を付 け加えたページです。私が遠征のために集めた各美術館の展覧会スケジュール データなども掲載しております。 URL http://www.b-kikou.com/ ====================================================================== ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ <<お知らせ>> 現在、超話題の書籍ということだそうです・・・。 『また「あるある」にダマされた』 三才ブックスより発売中 巷にインチキな健康・ダイエット情報が氾濫し、テレビがそのお先棒を担い でいる時世に危機感を感じた私が、「全編完全書き下ろし」で仕上げました。 本著は「あるある大事典」での放送内容について、具体的に問題点を指摘す ることで、巷に氾濫する誤った情報について斬っていく形式をとっています。 詳細な情報についてはこちらをご参考ください。 http://homepage1.nifty.com/sagi/book.html ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ====================================================================== あとがき いよいよ9月に突入すると共に、急に気候が秋めいてきました。こういう気 候が激変する時には風をひきやすいので、注意が必要です。さて私ですが、夏 以来ずっとのどが痛い状態が続いており、これが未だに治りません。なんかた ちの悪い病気でなければよいですが。 教ドキュWeekly 発行者 鷺(さぎ) sagi@yo.rim.or.jp --------------------------------------------------------------------- このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して 発行しています。配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000125100.htm ---------------------------------------------------------------------


