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ガッテン・その時、歴史が動いた・美の巨人など科学・歴史・芸術系教養番組の内容をワンポイント紹介とコメントで復習する。テレビを見なくても見た気になれるマガジン(笑)。書評、展覧会評などの新企画も好調。

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2008/06/26

教ドキュWeekly 6/26号

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  教ドキュWeekly                  2008.6.26号
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先週のダイジェスト(6/17-6/23)
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6/17 ガイアの夜明け「マンション激変〜始まった値引き合戦の裏側」

 ついこの前はマンション建設ブームに湧いていた業界だが、最近は売れ残り
を抱えて倒産するマンション業者なども出ており、値引き競争が始まりつつあ
る。土地取得費の上昇と、建築資材の高騰がマンション業界を苦しめている。
その一方、中古マンションなどを改造して賃貸にし、投資家に転売して利益を
あげている業者も登場している。

○小泉インチキ改革で庶民が徹底的に痛めつけられ、購買能力が落ちていると
いうのに、供給過剰になったのがバブル崩壊の原因。あまりに当たり前。
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6/18 ためしてガッテン「ぬか漬け達人の極意」(NHK)

 ぬか漬けはぬか味噌中の植物性乳酸菌の作用でできる。ぬか味噌をかき混ぜ
るのは、放っておくと酸素に触れる表面には産膜酵母が、酸素に触れない底の
方では酪酸菌が繁殖して異臭を発するから。これを上下を入れ替えることで繁
殖を抑える。ただ植物性乳酸菌自身は酸素が嫌いなので、かき混ぜすぎは逆効
果。漬け物がうまく漬からなくなってきた時は、むしろ3日ほどかき混ぜずに
放置した方が、植物性乳酸菌が繁殖してぬか味噌がよみがえる。

○ガンの最新治療薬についての極めて分かりやすい紹介。ただまだ決定的治療
法がないのは辛いところではあるが。
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6/18 その時歴史が動いた「移民は共存共栄の事業なり」(NHK)

 明治時代、地租改正による税負担の増加で土地を奪われた多くの農民達が、
海外に移民として渡っていった。しかし仲介業者に莫大な手数料を搾取され、
逆に借金を抱える例が多かった。そのような現状を見た水野龍は自ら移民会社
を立ち上げ、現地民との共存共栄をめざしてブラジルへの移民を計画する。当
初は数々の困難に直面した移民事業だが、やがて日系移民は現地の信頼を勝ち
取り、ブラジルにおいてしっかりと根をはやしていく。

○この頃の日本と全く同じ状況が、現在は東南アジア辺りで発生してます。そ
して日本は移民を頑なに拒んでいるというのは歴史の皮肉です。
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6/21 美の巨人たち「トム・ロバーツ作「羊毛の刈り取り」」(テレ東)

 オーストラリアの画家トム・ロバーツは、画壇で成功する野心を抱いて、オ
ーストラリアの風景を描き続けたが、植民地の風景は絵画としては認められな
かった。やがてオーストラリアが独立、ようやくオーストラリアの代表的画家
として認められてイギリスに乗り込んだロバーツだが、皮肉なことにそこで描
くべきものを見失ってしまう。失意と混乱の中、従軍経験などを経て彼は自ら
の野心のむなしさを悟り、オーストラリアの風景の中へと帰っていく。

○ありがちなんですよね。売れてきたら自分の原点を見失ってしまう芸術家。
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6/22 所さんの目がテン!「キュウリ」

 キュウリは1日に数センチも成長するので、朝夕の2回収穫する。育ちすぎ
たキュウリは巨大になって酸っぱくなるので商品価値がなくなるのだとか。ま
たキュウリの実は細胞の数が最初に決まっているので、栄養や日照などに偏り
があったりしたら、成長がアンバランスになって曲がるのだという。なお番組
では、生で食べられることの多いキュウリをあえて加熱して調理する方法を実
験するが、所氏の試食結果は「わざわざキュウリを使う必要はない」(笑)。

・私はキュウリは嫌いです。あの青臭さがどうしても駄目。
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各番組の詳細は教養ドキュメントファンクラブ
http://homepage1.nifty.com/sagi/
もしくは各番組のホームページへ
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今週のキーワード

○「植物性乳酸菌」(ためしてガッテン)
 野菜などの糖分を分解して乳酸を作る能力を持っている。ヨーグルトで有名
な乳酸菌とはまた別種の菌である。

○「産膜酵母と酪酸菌」(ためしてガッテン)
 産膜酵母は酸素のあるところで繁殖し、シンナーのような臭いを発する。酪
酸菌は空気のないところで繁殖して酪酸を作るが、その臭いは「長い間洗濯し
ていない下着」。
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今週の放送予定&期待度
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6/24 ガイアの夜明け「高きを目指せニッポンの学生たち」
 ・なんて言っても、若者が夢も持てない社会を作ったのはジジイ達。

6/25 ためしてガッテン「視力が突然低下!網膜を襲う現代病」(NHK)
 ◎最近視力の低下に苦しめられている私にも他人事ではない。

6/25 その時歴史が動いた「戦国のゲルニカ〜大阪夏の陣」(NHK)
 ○いつの時代でも戦争なんてろくでもないもの。

6/28 美の巨人たち「甲斐庄楠音作「横櫛」」(テレ東)
 ○この絵は見たことがありますが、独特なインパクトがあるんですよね。

6/28 サイエンスZERO「骨や臓器をつくりだせ驚きの3D技術」
 ○造形師の話か?(笑) 確かに3次元モデリングの進化はすごいが。

6/29 所さんの目がテン!「落語」
 ○このテーマって・・・ちりとてちん効果?

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鷺の主宰する時事コラムページ「晴耕雨読」
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今週の一冊
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展覧会レポート
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 比較的近くの県でありながら手薄であったという点では、三重県もそうであ
る。どちらかと言えば三重県は通過するだけの県というイメージであった。し
かしこれでは三重県にあまりに失礼というものである。そこで調査していたと
ころ、四日市市立博物館でイベントがあることが判明した。これを中心に遠征
プランをまとめ上げることになった。

 さて、ガソリン高騰で車が使えない現状を考えると、やはり交通手段として
は鉄道しかない。しかし困ったことにこの時期は青春18シーズンとははずれ
ているし、三重となると関西お出かけパスも使えない。それにそもそもこの地
域のJRは本数、路線共に非力極まりない。となるとやはり近鉄を使うことに
なる。そこで近鉄の切符について調査したところ、週末フリーパスというもの
が浮上してきた。これは土日を含む3日間(つまりは金土日か土日月)有効で、
4000円で全線乗り放題というものである。またこの切符がJRの青春18
や関西お出かけパスよりも優秀なのは、特急券を買えば特急も利用できるとい
うことである。とは言うものの、1日で元を取るというのは結構大変。そこで
スケジュールに浮上していた奈良方面の遠征も結合することで2日間で元を取
るという計画を立てた。

 しかし計画を実行に移した途端にとんでもないことが。ついに本格的な梅雨
がやって来たのか、出発前日の近畿地方は豪雨に見舞われ、各地で大雨洪水警
報が発令されるという事態に。何やら前途に暗雲が漂っている。とは言うもの
の、切符を買ってしまった以上は予定変更は不可である。こうなればなるよう
になるしかない。

 当日は早朝に大阪を出発。今日も雨は降っていたが幸いにして豪雨と言うほ
どではなかった。まずは桑名まで近鉄特急で移動である。少し贅沢をしてデラ
ックスシートを確保する。

 以前にも一度だけ乗ったことがあるが、なかなかに良いシートである。しか
しやはり近鉄特急には今一つスピード感を感じない。ボーっと車窓風景を眺め
ているうちに、早朝出発の睡眠不足でウトウトとしてしまう。次に気がついた
のは津を過ぎた頃だった。ここから先は私にとっては未踏地域である。ここま
では山の中の風景だった車窓風景が、この辺りから都市めいてくるのである。

 今回の主目的地は四日市なのだが、それを通り過ぎてまず桑名に行くのは、
例によって「21世紀の地域振興と交通について考える市民の会代表(自称)」
としての活動である。この桑名から出ている三岐鉄道北勢線を調査しておこう
というものである。この路線の最大の特徴は、軽便鉄道としてナローゲージで
敷設された鉄道であると言うことである。この路線は近鉄の路線であったが、
赤字のために廃止の意向を打ち出した時に、地元自治体が支援して三岐鉄道が
経営を継承することになったのだという。

 北勢線の始発駅である西桑名は桑名駅のバスターミナルの端の方にある。さ
すがにナローゲージの線路は鉄道には詳しくない私がみても幅が狭いことは一
目瞭然で分かる。また車両も明らかにこじんまりしており、どことなく遊園の
列車のような雰囲気さえある。それにも関わらず切符が磁気切符で自動改札ま
で装備されているのが違和感があると言えば違和感がある。

 とりあえず車両に乗り込むと、シートが濡れているので注意との張り紙がし
てある。昨晩この地域は豪雨に襲われたようであるが窓から雨漏りでもしたの
だろうか。車両がかなり老朽化しているようであるのであり得る話だ。

 発車時刻が来るが、乗客はそう多くない。モーターの轟音を立てながら、い
かにも重そうに動き出した列車は、民家の軒先をかすめるような雰囲気で走っ
ていく。ローカル線としては趣があるが、うるさいし、かなり揺れるし、お世
辞にも乗り心地が良いとは言えない。また速度も遅い(30キロぐらいか)。道
路と平行している部分で、軽自動車に瞬時にちぎられてしまったのはどうにも

 終着の阿下喜までは1時間弱。少々時間がかかりすぎるような気がする。や
はり軽便鉄道規格で作られた故の制約だろうか。ただ経営を引き継いだ三岐鉄
道では、運行本数を増やしたりレール&ライドの推進など、経営には力を入れ
ているという。いかにして沿線住民の利用を増やすかが鍵であると共に、阿下
喜には温泉施設もあるようなので、観光誘致の方も積極的に進める必要があり
そうである。なお鉄道の収益の大きなものとして、鉄道広告もあるのだが、1
両だけ不動産会社のラッピング列車があったが、車内広告がすべて自社広告ば
かりだったというのは、かなり苦戦しているように思われる。

 阿下喜で下車した私は、駅前でタクシーを拾うと三岐線の伊勢治田駅まで移
動する。三岐鉄道の本線である三岐線と北勢線は平行するような形で通ってお
り、阿下喜から車で5分も走れば三岐線の伊勢治田駅につけるのである。私と
してはここまで来たついでに、三岐線の方も視察しておくつもりである。

 列車に乗ってみると、1067ミリの普通の狭軌に過ぎないのに、先ほどま
で幅762ミリのナローゲージの北勢線に乗っていたせいか、やけに車両が広
く感じる。またこの三岐線はそもそもはセメント輸送のために設置された路線
とのことで(樽見鉄道と同じである)、伊勢治田駅には大量の貨車が留置されて
いる。北勢線と比較すると、どちらも単線電化路線という共通点はあるが、線
路幅の違い以上に沿線の雰囲気も違う。私はそのまままずは終着の西藤原まで
到着。西藤原駅の構内にはかつてセメント輸送に使用されていたというSLや
機関車などが保管されている。また駅舎の形も列車をイメージしたものであっ
たりと、なかなか凝っている。また私が驚いたのは、この路線では硬式切符を
使用していること(駅員に頼んだら記念にもらえた)。沿線にも貨物機関車が留
置されていたり、明らかに鉄道マニアを意識していると思える仕掛けが非常に
多い。「鉄道マニアではない」私としては、フーンという感覚だが、これは鉄
道マニアにとってはたまらないのでは。

 また自転車を持ち込めるサイクルパスを導入したり、旅客輸送にも力をいれ
て積極的な施策を打ち出しているようで、西藤原から折り返しの帰りも、地元
民を中心として乗客の利用が結構あったようである。地方路線としては結構「
頑張っている」との印象を受けた。

 三岐線で近鉄富田まで乗り入れると、そこからは近鉄で桑名に移動する。今
日の昼食は桑名で摂る予定にしていた。桑名と言えば、やはり時代劇などには
必ず出てくる「その手は桑名の焼きハマグリよ」である。実は最近、「ためし
てガッテン」で究極の焼きハマグリという回の放送があり、それ以来焼きハマ
グリが頭に張り付いていたのである(誤解のないように言っておきますが、私
の今回の遠征の主目的は焼きハマグリを食べるということではありません。あ
くまでこれはついでですので。)。

 今回昼食を摂ることにしたのは「はまぐり食道」。その名の通り、ハマグリ
料理の店である。注文したのはハマグリ料理がセットになっている「はまぐり
セット(1890円)」。焼きハマグリは当然として、ハマグリのフライにおす
まし、アサリのしぐれ茶漬けがセットになっているというメニューである。

 ハマグリはアサリをさらに濃厚にしたような風味。焼きハマグリは貝の味が
たまらない。しかし絶品だったのはハマグリのフライ。牡蠣フライはうまいが
、ハマグリのフライもなかなかのようである。また出汁をかけていただくアサ
リのしぐれ茶漬けも最高。そう言えば以前にしぐれ茶漬けと言えば、亀山で駅
弁としていただいたのを思い出した。やはりこういう料理はうまい。

 満足して店を出た時には雨は完全にやんでいた。順調に予定よりも早めにス
ケジュールが進んでいるし、この際だから散歩がてらに桑名城を見学しておこ
うと考える。

 桑名城は徳川四天王の一人、本田忠勝が建造した城である。揖斐川から水を
引き込んだ水路を守りの要とした水城である。建造物は幕末に焼き払われて残
存しておらず、現在は城跡が九華公園として整備されているが、当時の水路の
石垣が一部だけ残存しているとの話である。現地には当時の遺構はほとんど残
っておらず寂しい限りだが、それでも公園として整備されている一部の水路が
、往時のこの城の雰囲気を醸し出している。

 桑名城を見学した後はブラブラと市街地を見学、どことなく昭和情緒が漂っ
ている街並みは結構私好み。とは言うものの、あまり活気があるようにも見え
ないのは悲しい。フラフラしているうちに博物館の近所に到着したので、つい
でに見学しておく。

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桑名市博物館

 典型的な地方博物館で、私の訪問時には現地の祭りに関連した展示を行って
いたようで、多くの現地民が押しかけていた。古くからの由緒ある城下町だけ
に、伝統のある祭りもあるようである。

 なお個人的には一番興味深かったのは、二階の博物展示の中にあった桑名城
の復元模型。揖斐川から引き込んだ水路を何重にも巡らした強固な城の構えの
全貌が把握できて興味深かった。先ほど見てきた現地での記憶と照らし合わせ
ることで、脳内に往時の姿を復元できて面白かった。

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 桑名駅までバスで戻ってくると、ここからは近鉄で次の目的地への移動であ
る。ホームに下りると隣に養老鉄道のホームがある。養老鉄道は元々は近鉄養
老線であったのだが、近鉄の一連の赤字路線切捨ての中で近鉄本体から経営が
分離され。新会社の養老鉄道が経営を引き継いだ路線である。そもそもが近鉄
の路線なので、ホームの一部をフェンスで簡単に区切って、そこに簡単な改札
をつけて分けているだけである。なおこの養老線だが、今回は時間がないので
このまま見送るが、そう遠くはない将来、再びここにやってくるという予感が
する。

 急行列車に乗車すると、先ほどの近鉄富田を通過して四日市で下車する。次
の目的地は四日市駅のすぐ近くである。

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「20世紀モダニズム建築の巨匠 ル・コルビュジェ光の遺産」
                      四日市市立博物館で6/22終了

 ル・コルビュジェは20世紀を代表する近代建築の旗手として、多くのモダ
ンな建築物を手がけ、現代の建築に多大な影響を与えた人物である。このたび
、彼の代表的な建築物が一括して世界遺産に登録申請され(日本の国立西洋美
術館などを含む)たことに合わせて、彼の建築における思想を振り返ろうとい
う展覧会である。

 彼は画家としても活動していたようで、シュルレアリスム的な絵画作品を残
している。もっともそれらの絵画は私の目には非常に堅固な造形が見て取れた
ので、彼が建築の方向に進んだのは何となく理解できるような気がする。なお
芸術性を重視する方向から建築に入った者は、往々にして建築物としての機能
性を無視した大馬鹿デザインをしてしまいがちなのだが(例えば京都駅ビルの
ように)、彼の場合は建築物としての機能性も十分に考慮していたようである
ことは展示からも理解できた。奇抜でありながらも合理的なのである。その辺
りはバランスが良く取れている。

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 博物館を出た頃には再び空模様が怪しくなってきて、嫌な予感がする。しか
しまだまだ次の目的地への移動がある。次の目的地は近鉄湯の山線沿線になる
。湯の山線は単線電化路線。近鉄のワンマンカーが走っている。最初の二駅ぐ
らいは四日市の市街地内で、乗客の乗り降りが多いが、そこを過ぎると急に何
もない地域に突入し、目に見えて乗客は減少する。しかも山が近づくにつれて
空は黒く曇ってきて、かなり激しい雨が降り始める。私が終点の湯の山温泉駅
の1つ手前の大羽根円駅で降りたときには、激しい土砂降りの中だった。

 ここから次の目的地までは徒歩10分ほどの距離だが、この歩行が大変だっ
た。とにかくこの量の雨が降ってくると、傘は全く役に立たない上に、車道を
走る車が盛大に水を跳ね上げる。本来は雨の時は道路わきを歩いている歩行者
を見つけたら、速度を落とすか反対側に迂回するのがマナーというのに、全く
速度も落とさずに至近距離を派手に水を飛ばしながら走る馬鹿ドライバー(中
にはわざと水をかけて喜んでいるのではと思うぐらい悪質な輩もいる)が圧倒
的に多いのに気づく。日本人のマナー面での劣化もここまで来たのかと暗澹た
る気持ちになる。

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「思う壷 鯉江良二展」パラミタミュージアムで6/30まで

 パラミタミュージアムは陶芸作品が中心の美術館で、池田満寿夫の晩年の陶
芸作品のシリーズなどの収蔵品が特徴的である。

 さて企画展の鯉江良二だが、実用陶器の制作から始まって陶芸家としての活
動へと進んでいった人物であるという。実用陶芸出身だけに、その作品には普
通の壷を並べただけというものもある一方で、いかにも現代陶芸らしい不可解
な作品も多々あり、制作の幅の広さを伺わせる。とは言うものの、私は個人的
にはあまり陶芸には興味がないので、結局はフーンで終わってしまうわけであ
るが。

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 思っていたよりも規模の大きい美術館だったので驚いた。また雨が激しかっ
たので見ていないが、この美術館は庭園も持っているようである。

 美術館を見終わったところで次の目的地に移動することにする。計画では雨
が降っていなかったらこのまま終点まで一駅歩くつもりだったが、さすがにこ
の天気と馬鹿ドライバーの多さに嫌気がさしたので、とりあえず駅に戻ること
にする。ただ少々腹具合が寂しくなってきたので、行きがけに気になっていた
店に入ることにする。

 それは「自然薯茶茶」というとろろの店。注文したのはオーソドックスに「
とろろ飯(1029円)」。粘りのある自然薯をだし汁で伸ばしたものと、おひ
つに一杯の麦飯がセットで出てくる。これを茶碗によそって、とろろをたっぷ
りかけ、好みで海苔やねぎなどの薬味を入れるという形式。

 取り立てて特別なものはないが、素朴に美味しいと感じるメニュー。驚いた
のはそのボリューム。おひつのご飯が茶碗に4杯分ぐらいあり、さすがの私で
も間食には重過ぎる(笑)。それにも関わらず、とろろの味が良いのと麦飯の口
当たりの良さで、ご飯が進む進む。結局は腹いっぱいになって店を出ることに
なったのだった。事前情報何もなしの全くの思いつきで入店したのだが、これ
は当たりだった。私の飲食店に対する勘もだんだんと研ぎ澄まされてきたか。

 列車の到着時間に合わせて駅まで戻ると、終点まで一駅だけ乗車。終点の湯
の山温泉駅は、湯の山温泉へのアクセス拠点となるのでバスやタクシーなどが
駅前で待っている。今晩は湯の山温泉の旅館で優雅に一泊・・・なんて予算は
当然のことながら私にはない。私がここに来たのは、ここから徒歩10分ほど
の日帰り温泉に立ち寄るため。とはいうものの、雨はかなり激しく降っていて
頭からずぶ濡れ状態。やはり根本的に間違っていると思いながらも、ここまで
来れば半ば意地のようになってとにかく温泉まで歩く。実際、今回は最初から
ここに立ち寄るために、タオルを持参していたぐらいなので・・・。

 到着したのは「片岡温泉」。人気があるらしく多くの車が止まっている・・
・やっぱりここに来るなら普通は車だよな・・・。ここの温泉の売りは一切の
非加熱非加水の源泉かけ流しであること。だから衛生を保つために毎日浴槽の
清掃をしているという。泉質はアルカリ単純泉とのことで、ややぬめりのある
肌当りの良い湯。私はちょっと肌当りの強い湯だと、すぐに背中がひりひりす
るのだが、ここの温泉ではそのようなことがなかった。内風呂+露天風呂とい
う非常にオーソドックスな施設で、しかも露天風呂から見えるのは近鉄の架線
だけというのはご愛嬌だろうか。温泉設備にはこれというところがないが、と
にかく泉質の良さが売り。生憎と露天が雨の中だったので、内風呂に主に入る
ことになり、湯あたりしやすい私としては長湯が出来なかったのが残念。また
いずれ時を改めて、ゆっくりと入浴しに来たいと思う(その時にはガソリン
まともな価格になっていることを期待する)。

 風呂は非常に良かったのだが、何が悲しいといっても、風呂上りに汗と雨で
ボトボトになっている服をもう一度着なければいけないというのは情けない。
何しろさっき風呂の中で使ったタオルのほうがまだ乾いているんじゃないかと
いう状態だったので・・・。

 再び雨の中をトボトボと駅まで戻ると、湯の山線で四日市まで戻る。もうこ
の後は大阪に帰るだけ・・・と思ったのだが、もう一箇所どうしても寄り道し
たいところが出てきた。そこで私は上本町行き急行を伊勢中川駅で乗り換える
と、松坂まで足を伸ばす。

 松坂に到着した時にはもう日が暮れかかっていた。松坂駅はJRの駅と隣接
しており、内部でつながった構造になっている。北側が近鉄の駅、南側がJR
の駅である。駅前がにぎやかなのはJRの側。またそちらの方向には松坂城な
どもあるようだが、もう真っ暗になっており見学は無理。それは次の機会にす
ることにする。

 実はここまでわざわざやってきたのは、有名な松坂駅の駅弁を購入するため
。鉄道マニアでもましてや駅弁マニアでもない私であるが、この松坂の牛肉弁
当の評判だけは以前から耳にしている。この周辺に来たら一度は食べてみたい
と思っていたのである。駅弁はJRホームの売店で販売していた。それを買い
求めると、改札を出てから近鉄の窓口で帰りの特急券を手配。まだ発車時刻ま
で時間があったので松坂駅前の商店街を一回りするが、もう日も暮れているし
天気は悪いしで閑散としているので、すぐに駅に戻ってくる。どうせいつか改
めてここを訪れることもあるだろう。

 帰りは鳥羽方面発の上本町行き特急に乗車する。もうこれは完全に帰るだけ
という道のり。鉄道マニアだと夜の終電手前まで鉄道に乗りまくるのだろうが
、私は鉄道マニアではなくあくまで「視察」として鉄道に乗車している。沿線
の状況が全く見えない夜間に鉄道に乗っても全く無意味なのである。そこが列
車に乗ることが目的である鉄道マニアとは一番異なる点である。ただそのため
に鉄道マニアとは違って自由な行動がかなり制約されてしまうのであるが(し
かもそれ以外にも、美術館があったら立ち寄ったり、城があったら見学したり
などの特殊ルールが非常に多い)。

 座席について落ち着くと、先ほど購入した弁当を取り出す。夕方前に腹一杯
とろろ飯を食っていたはずなのだが、さすがにとろろは消化がよいのか、この
頃になるとすっかり腹が減っていた。なお近鉄特急はシートは悪くないのだが
、テーブルが小さいのが難点。手すり脇から取り出すサイドテーブルしかない
ので、新幹線と違って弁当箱を広げるのも一苦労である。

 購入した弁当は「元祖特選牛肉弁当(1260円)」。駅弁マニアの間では圧
倒的な支持を得ているということで有名な弁当である。弁当自体は焼肉二切れ
とその他のおかずが少々という非常にシンプルなもの。松坂牛を味わってもら
う時にリーズナブルな価格に抑えることと、冷えても美味しいものにすること
に苦労したとのことである(弁当箱に書いてあった説明書き)。

 とりあえず牛肉を一切れ頬張る。「うまい」という言葉が自然に出る。冷め
てもやわらかい部位を選んで、特製のタレに漬け込んだとのことであるが、確
かに冷えているのにやわらかいし、タレの味も牛肉の旨みを見事に引き出して
いて秀逸。正直、私が今まで食べた駅弁の中で、これだけうまい駅弁は始めて
である。なるほど確かにこれは評判になるはずだ。思わず夢中でガツガツと食
いついてしまう。正直、夜食にもう一つ買っておいても良かったと思ったぐら
い。

 結局この日は、駅弁を堪能しつつ特急列車に揺られて大阪に帰ることとなっ
た。しかし今回の遠征はこれではまだ終わらない。


 翌日は伊賀上野方面を回ることにした。何しろ近鉄の週末フリー切符の有効
期限は3日間である。1日だけで終わらすなど、私の貧乏性が許さない。とり
あえずの目的は近鉄線の伊賀神戸駅である。

 ただその前に過去の宿題を片付けておくことにする。と言うのは、以前に私
は和歌山線に乗車したことがあるが、その時は桜井線から和歌山線に直通した
ため、和歌山線の王子−高田間が未乗車になっていたのである。どうも中途半
端な気がするので、このついでにここも乗車しておいてやろうということであ
る。

 早朝に大和路線の普通に乗り込むと王子で降車、駅の端にある和歌山線ホー
ムに移動すると、以前に見たことがある桜井線カラーの105系電車が待って
いる。いざ乗車してみると、沿線風景が桜井以東の桜井線や、高田以西の和歌
山線とは全く異なることが分かる。沿線の宅地開発がかなり進んでいるようで
、以前に乗車した奈良−和歌山間のようなのどかさは全くないのである。やは
り同じ路線でも区間によって全く印象が異なることを痛感した次第である。

 高田駅まで乗車するとそこで降車、ここから徒歩で近鉄高田駅を目指す。両
駅の間隔は5分程度であるが、近鉄高田駅の改札に駅員がいなかったことなど
から入場にてこずり(近鉄のフリーパスは非磁気券なので、有人改札しか通れ
ない)、乗車予定の快速急行に乗り損ねて、次の急行まで駅で延々と待たされ
る羽目になってしまう。いきなり予定の変更を余儀なくされてしまって当初か
らつまづくことになるが、まあこれも想定の範囲内ではある。

 予定よりも遅れて伊賀神戸駅に到着。ここで伊賀鉄道線に乗り換えることに
なる。なお伊賀鉄道は近鉄が赤字のために本体から分離して子会社を設立し、
これを地元が支援する形で運営されている会社である。近鉄起源の新会社とい
う点で、養老鉄道と全く同じ形態であると言える。なお運営は伊賀鉄道が行う
こととなるが、路線及び車両については未だに近鉄の保有であるという。伊賀
神戸駅についても構内をフェンスで簡単に区切ってあるだけだし、2量編成の
車両も近鉄カラーのものがそのまま走っている。なお伊賀と言えばやはり忍者
ということで、車内には忍者をイメージした飾りなどがされているが、車両の
中には「くの一」をイメージした松本零士氏のイラストをペイントしたものも
あるという。料金は伊賀神戸から伊賀上野まで400円。しかし私は上野市駅
で途中下車するつもりなので、それだと料金が350円+250円で600円
になってしまう。そこで同じく600円の1日乗り放題チケットを購入する。

 路線は単線電化路線。なお近鉄の本線は標準軌であるが、伊賀鉄道はJRと
同じ狭軌の路線である。数人の乗客(明らかに観光客)を乗せて列車は動き出す
が、伊賀神戸を出るとすぐに列車が何もない田んぼの中を走っていくのには驚
かされる。はるか遠くに集落はいくつか見えるが、線路のそばには全く何もな
い。また路線が悪いのか、車両が古いのかはよく分からないが、とにかくよく
揺れる。近鉄が廃線にしようとしたのも何となく頷けないでもない。辺りが突
然に市街地めいてくるのは、上野市駅の3つ手前の桑町駅ぐらいから。ここら
辺りからは急に民家の軒先をかすめるような路線になり、そのまま上野市駅に
到着する。なお既に上野市は町村合併により伊賀市に統合されたのだが、未だ
に便宜上は上野市の名前は各地に残っているようであり、この駅名もそのまま
存続されたのだとのことである。

 上野市駅に降り立つと、目の前にうわさの「くの一」列車が停車していた。
松本零士氏のイラストであるらしいことは、目を見ただけでまさに「一目瞭然
」である。ただ車両全体の印象としては、イラストのペイント車両というより
も、むしろ現代アート作品のように見えてのけぞってしまう(シュールレアリ
スム的デザインである)。あまりにも爆発しすぎているような気がする。この
列車が田園地帯の中を疾走していく姿を想像すると、ウーン・・・。

 予定よりも到着時間が遅れているので、行動は迅速に行うことにする。地下
道で上野市駅の北側に出ると、そのまま上野城公園地域に入る。この辺りは上
野市の中でも小高い丘になっている地域であり、こういう地域はほぼ例外なく
、かつて城や砦が築かれていた場所でもある。この地もご多分に漏れず上野城
という城があるのであるが、とりあえずそっちの見学は後回しにして、伊賀流
忍者博物館の見学より行う。

 伊賀と言えば忍者の里であるが、この忍者博物館はかつて実際に存在した忍
者屋敷を移築して公開しているものである。また近くの地下には忍者の装備な
どを展示した忍術体験館、さらには忍者伝承館なども存在しており、別料金で
手裏剣投げや忍者装束の貸出なども行っているようである。先週の遠征はトッ
トリ君だったのだが、今週は正真正銘の忍者ハットリ君という次第。ただ場内
は不思議なことに、忍者ハットリ君ではなくて、忍たま乱太郎がらみのグッズ
がやたらに多かった。版権の関係か?

 忍者屋敷では忍者装束の係員が案内をしてくれる。忍者屋敷の定番であるど
んでん返しから始まり、天井裏につながる秘密の階段から、地下への脱出用通
路、さらに重要物の秘密の隠し場所から、いざという時の刀を隠した床など仕
掛けが満載であるが、いずれも目の錯覚などを利用して巧みに隠してあるのが
印象的。また忍術体験館では忍者の実像に迫ることが出来るが、その展示の中
に「水蜘蛛は水上を歩くものではなく、泥田の上などを歩くために使用された
」と解説してあったのにはいたく納得。歩きも泳ぎもできない泥田は、当時の
城郭では効果的な防御手段として使用されていたのである。水蜘蛛で水の上を
歩くことは物理的に考えて不可能であるが、泥田を踏みしめながらひそかに渡
る事なら可能であったろう。忍者の装備とはとにかく合理的に出来ている。

 忍者関係の施設を見て回った後は、上野城の天守閣を目指すことにする。

 上野城はいろいろな変遷の後に、安土桃山時代の末に、徳川家康によってこ
の地に配された藤堂高虎が築城を手がけている。来るべき大阪城攻撃に備えて
、築城の名手でもあった高虎の手によって、石垣や堀などが極めて堅固なもの
に造りかえられた上で天守の建造工事に着手したが、建造中の天守が暴風雨で
倒壊して多くの犠牲者が出るという大惨事が発生、その後に豊臣氏の滅亡や家
康による一国一城令などによって、天守が建造されないまま近代に至っていた
という。現在の天守は昭和10年に、衆議院議員であった川崎克が私財を投じて
建設したものである。そういう意味ではこの天守は「なんちゃって天守」に属
するわけであるが、川崎氏のこだわりで安土桃山様式に従って木造で建造され
ているので、戦後の鉄筋コンクリートによる復元天守などよりも風格のあるも
のになっている。なお現在は国の史跡にも指定されており、正式名称は「伊賀
文化産業城」と言うのだそうな。ちなみにキャッチコピーは「日本最後の木造
天守」。なるほど物は言い様である。

 上野城の見学を済ませると上野市街に下る。上野市街自体はどことなく昭和
の風情がまだ部分的に残っており、私にはノスタルジーを感じさせる町並み。
さてもう昼時であるので、昼食を摂ることにする。今日の昼食は上野市街にあ
る洋食屋「グリルストーク」。私が注文したのは、同店の名物という「タンシ
チューコース(3240円)」である。

 クリームスープから始まるコースであるが、まず最初のスープから非常にう
まい。これは料理人の腕が良いことを意味している。メインディッシュのタン
シューは牛タンをデミグラスソースで煮込んだもの。同店の自慢というデミグ
ラスソースがコクがあってうまいが、伊賀牛を用いているという牛タンの濃厚
な風味が抜群。こってりとした旨みには思わず大きくうなづかされる。また付
け合せの温野菜もうまく、メインディッシュの内容には文句はない。ただコー
ス全体にあえて難点を挙げるとすると、付け合せサラダがいかにも生野菜を盛
り合わせているだけという印象だったので、ドレッシング等にもう少し工夫が
欲しい。

 以上のように料理のパフォーマンスとしては抜群である。しかしながら問題
はコストパフォーマンス。価格もそれなりなだけに、こちらを優先して考える
と少々苦しい。味については申し分ないのであるが、やはり注文にはそれなり
に覚悟がいることになる。なお昼食向けにカレーやオムライスなど1000円
程度のリーズナブルなメニューもあるようであり、あのデミグラスソースの味
を考えると、いずれのメニューにもはずれはまずないだろうと推測される。た
だ私の場合は、やはり看板のタンシチューが食べたいというジレンマに直面す
る羽目になるであろう。

 昼食を堪能した後は上野市駅に戻り、ここから伊賀鉄道でJR関西本線の伊
賀上野駅を目指す。伊賀鉄道の運行は上野市を境にして完全に分離されており
、南部は伊賀神戸での近鉄線に、北部は伊賀上野駅での関西本線のダイヤに合
わせてある。なおこの時に乗車したのは先ほどの「目眩のしそうな」列車。も
っとも、外部は目眩がしそうになるが、内部は単にピンクが多いだけである
(笑)。

 上野市駅を出ると、すぐに列車は田んぼの中を走るようになる。改めて見て
みると、上野市街は田んぼの真ん中に忽然と浮かんでいるように思われる。そ
のまま3駅目には伊賀上野に到着、ここでJR関西本線と乗り換えである。

 こうして完乗してみると、伊賀鉄道とはまさに上野市とのアクセスのためだ
けにある路線であることを痛感する。廃線になると上野市がまさに孤立するこ
とになるので、第3セクターを設置して存続させたのは当然である。今後につ
いては、地元民がいかにマイレール意識で支えるかが最大の鍵であると思うが
、上野市の潜在的観光ポテンシャルは決して低くはないということを考えると
、いかに観光客の利用を促すかも鍵となる。JR関西本線の惨状を考えると、
こちら方面からの乗客はかなり絶望的なので、近鉄線経由の乗客をいかに取り
込めるかが勝負となる。名阪国道経由で来る自動車客に、鉄道経由のメリット
を感じさせるための方策が必要だ。鉄道各社は現在は「エコ」を宣伝している
が、個人の行動を変えるには「エコ」ではなくて、「エゴ」が重要である。例
えば移動コストが安くなるとか、アクセスが良いとか、所要時間が短くなると
かなどのエゴに訴える施策が必要だろう。残念ながら「エコ」が旗印では意識
の高いごく一部の人間しか動かせないが、「エゴ」が旗印になると、多くの人
間を動かすことが可能となるのである。

 伊賀上野に到着するとまもなくJRの加茂行き車両が到着する(同じホーム
で接続している)。今や私がJRではもっとも馴染みとなってしまったキハ1
20型気動車である。乗り換え客は結構多い。これで木津川上流の渓谷脇を通
り抜けて加茂に到着、ここで折り返す大和路快速に乗り換えて奈良に到着する
。奈良駅からはいつもの市内循環バスで目的地へ。

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「国宝法隆寺金堂展」奈良国立博物館で7/21まで

 世界最古の木造建造物である奈良法隆寺金堂の須弥壇が、このたび修理され
ることになったのに合わせて、金堂内の仏像等を一般公開したのが本展である
。四天王立像などの国宝や重要文化財など貴重な仏像が展示される。

 展示されている仏像は平安時代の作であり、私の好む鎌倉時代のものとは異
なるが、これはこれで造形の面白さがある。湧き立つような躍動感はないもの
の、その代わりにどっしりとした安定感がある。そういった造形の妙は見てい
て楽しい。寺院内に安置されているのと違い、このような会場での展示だと、
純粋に彫刻として観察することが出来るので、私としては面白さが倍増するの
である。

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 正直かなり疲れた。やはり荷物をすべて抱えての上野城登山が響いている。
このままバスで近鉄奈良駅に移動。まっすぐ帰ろうかとも思ったが、最後に一
箇所だけ寄り道をしようと考えて、生駒駅で途中下車する。

 私が所有している週末フリーパスは近鉄全線が乗り放題になるという優れも
のだが、その近鉄全線には実は生駒山ケーブルも含まれているのである。幸い
にして奈良に到着してからはほとんど雨はやんでいるし、まだ時間は3時過ぎ
だし、いつも奈良行きの度に前を通り過ぎるだけで気になっていたこのケーブ
ルカーに、この際だから乗っておけと私の貧乏性が激しく訴えたのである。

 ケーブルカーの駅に到着すると、フリーパスを見せて入場するが、何ともフ
ァンシーな外観をしたケーブルカーに思わず後ずさりしそうになる。まるで遊
園地の遊具に乗るような落ち着かなさがある。なお生駒山ケーブルは2系統あ
り、多客時には隣の系統も運行されるようである。しかし今日は天候も悪いし
乗客はほとんどいない。いよいよもって「鉄道マニアでもない私が何をしてる
んだ?」という疑問が湧き上がってくる。いや、そもそも鉄道マニアでさえも
、ケーブルカーまで対象にしている者はそう多くはなかろう。

 やがてケーブルカーが動き出すが、やけにメルヘンした音楽が遊園地の遊具
を連想させて情けなさが倍増する。なおこの路線の最大の特徴の一つとして、
路線内に踏切があり、なんと自動車が横断する道路があるということがある。
ケーブルが地面を這っているケーブルカーとしては、これはかなり異例のこと
であるという。5分ほどで宝山寺駅に到着、ここでさらに山上に登るケーブル
カーに乗り換えようとするが、どうやら鳥居前−宝山寺間のケーブルカーは2
0分後との運転に対し、宝山寺−生駒山上間の運転は40分に1本とのことで
、しかも私が乗車したのは運が悪いことに接続がない方の便だったらしく、こ
こで20分以上待たされる羽目になる。ケーブルカー駅には人影一つないし、
そうこうしているうちに雨が急に激しくなってくるし、いよいよもって「私は
一体ここに何しに来たのだろう」と意識が強くなってくる。

 それでもここまで来るともう意地である。20分待った後にまたもファンシ
ーな車両に乗車して山上を目指す。だがもうこの時には天候は最悪となってい
た。そして5分後、山上に到着した私は唖然としていた。山上は雨は激しくは
なかったが、眺望どころか一面が激しくもやっていて、視界が5メートルもな
い状態。どうやら山上遊園の手前らしく、霧の中にかすかに遊具のレールのよ
うなものが見えるのだが、下手に歩き出すと遭難しかねない状態。すべてを諦
めて、下りのケーブルカーの発車時刻まで40分を駅でつぶすことにする。

 皮肉なことにもやが晴れてきたのは、下りのケーブルカーに乗車して少し下
ってからだった。生駒駅前まで下りてきたときには雨はほとんど降っていなか
った。山の天気は地上とは違うと言われるがそのことを痛感した次第。それに
しても何をしに行ったのだか。今回の遠征はすべてを通じて「何をしたかった
のか意味不明」という結果になってしまった部分が多々あったのだが、これは
その最たるものになってしまった。とは言え、わさわざリターンマッチをする
ほどでもないし・・・。

 結局今回の遠征は、カバンの中までずぶ濡れになるという惨状と、折りたた
み傘一本の損失(帰りの大阪駅での下車時までは確実に手に持っていたはずな
のに、どこで落としたのか家に着いた時には手に持っていなかった)で終わっ
たのだった。充実していたような全く無意味だったような、結局は極めて意味
不明な遠征となってしまったのである。教訓、やっぱり天気予報には気をつけ
ましょう。

 えっ?要は松坂牛と伊賀牛を食いに行っただけなんじゃないのかって?  
・・・いや、決してそんなつもりではないのだが・・・・多分。

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<連絡>

 この度、新しいHPを立ち上げました。その名は「私的美術館紀行」。
 今までに掲載した展覧会レポートを中心としながら、さらに新しい情報を付
け加えたページです。私が遠征のために集めた各美術館の展覧会スケジュール
データなども掲載しております。
  URL http://www.b-kikou.com/

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 現在、超話題の書籍ということだそうです・・・。

 『また「あるある」にダマされた』 三才ブックスより発売中

 巷にインチキな健康・ダイエット情報が氾濫し、テレビがそのお先棒を担い
でいる時世に危機感を感じた私が、「全編完全書き下ろし」で仕上げました。
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 詳細な情報についてはこちらをご参考ください。
  http://homepage1.nifty.com/sagi/book.html

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あとがき

 どうも最近はドタバタしている上に、心身ともに少々追いつめられており、
番組の視聴の方が追いついていません。今週号は番組の方にかなりの抜けがあ
ることをお詫びします。

教ドキュWeekly 発行者 鷺(さぎ) sagi@yo.rim.or.jp
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このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して
発行しています。配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000125100.htm
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