こころのともしび  RSSを登録する

仏教の用語や習慣は、長い年月のうちにその意味が薄れてしまって元の意味が分からなくなってしまう事があります。皆さんと一緒に教えの道を尋ねたいと思います。(2007年12月著者死去の後は 遺稿集より、法話をお届けしています)

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2008/03/17

こころのともしび(第49号)2008年3月号

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☆                                   ☆
☆ 心のともしび【第49号】(3月号)  -----仏教の教えより------   ☆
☆      2008.3.18                                          ☆
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■鈍海のちょっとコラム			山野鈍海遺稿集より
■得度習礼を終えて			     徳行
■編集後記       
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初めて登録して下さった皆様、有り難うございます。心より御礼申し上	
げます。いつも心待ちにしていて下さる皆様、ご愛読に深く感謝申し上	
げます。
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■鈍海のちょっとコラム		一番大事なものは?、他
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今回は鈍海が地元のお寺の「仏教婦人会ニュース」に掲載したお話をご紹
介致します。何年か前の、季節は今よりもう少し先のようです。冒頭の季
節の挨拶から入って参ります。

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皆さん、その後お変わりありませんか。
四月も春になったり冬に戻ったりで、すっきりしたお天気は少なかったよ
うです。でも大型連休は幸いお天気に恵まれて、田んぼの植え付けも順調
に終わったようです。

例年のことですが、機械の力を借りての仕事の早さに、唯ただ目を見張る
ばかりです。綿のように疲れた体にむちうって田んぼを起こし、くだいて
整地し、泥だらけの手で痛い腰をさすりながら田植えをした思い出が、な
つかしくよみがえります。

「一粒でも」と喜ばれ、「お百姓さんごくろうさん」とねぎらわれた言葉
は、今は聞くことはできません。

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一番大事な物は?
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昔は川に橋がかけられているところは少なかったようです。

その橋を渡る時はお金を払わねばならず、貧しい人達は着物を脱いで頭の
上に乗せ、浅いような所を選んで渡りました。

深い川には渡し船があり、又、大井川の絵のように肩車や、四人で台を肩
に担ぎ、その上に人を乗せて渡したりしたものです。

ある時十人の友達が旅をしました。

ところが乗った船が横波で川の真ん中で沈んでしまいました。幸い 割合
達者な人達であったため、何とか岸に泳ぎ着きました。

ところが一人だけ遅れています。

「お〜い!どうしたんや。おまえはいつも泳ぎが達者だと自慢してたじゃ
ないか」と、声をかけますと、「実はな、腰に巻いている銭が重とうて動
けんのや」といいます。

「そんなもの捨ててしまえ!捨てなんだら(捨てなかったら)死んでしま
うぞ!」と声をかけます。

昔のお金、穴あき銭をひもに通して巻き付けていたのです。

でも、長い間苦労して貯めたその銭への未練が断ちきれなかったのか、と
うとう力尽きて溺れ死んでしまいました。

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五文の命
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これは親子旅人の話です。

渡し船のある川にさしかかった父親は、何とか歩いて渡れそうだと思い、
着物を脱いで頭にのせ、渡り始めました。

ところが真ん中どころでにわかに深くなり、溺れかけています。後ろで着
物を脱ぎかけていた息子はびっくりして、そばにいた船頭に「舟を出して
助けてほしい」と頼みます。

すると船頭は「十文くれたら出そう」といいますが、息子は「十文は高い。
五文に負けろ」とどちらも譲りません。

そうこうするうちに父親はだんだん弱ってきます。

その中で二人のやりとりを耳に挟んで、苦しい息の中から声を振り絞って
「お〜い息子よ!五文なら助けろ。十文なら舟を出すな」といって溺れ死
んだという事です。

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(解説)
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聞く人によっては「それ、笑い話じゃないの」といわれるでしょう。でも、
この話は私達にとても大事な事を教えているように思います。

この話の面白いところは命より金の方を大切にしているという事でしょう。
このごろは経済的に豊かになったので、こうした人の気持ちは理解しにく
い
と思いますが、かつての時代、食べるものも充分食べず、お金を残した人
の気持ちを考えると、少しはわかるような気がします。

しかし、金は又貯めることができるが、命の余分はありません。

私達の毎日の行いは果たして一番大切なものを一番大切にしているかなと
思うのです。

もしかすると大切なことを後回しにして、どうでもよいことに振り回され
て、忙しい忙しいとキリキリ舞いをしているのではないでしょうか。

若い時は、金だ、物だ、恋人だと思い、次第に 付き合いだ、子供だ、名
誉だ、健康だと変わってくるが、それらが例え全部整ったとしても、蓮如
上人の御文書にあるように「僅かに五十年ないし百年のうちの楽しみな
り」という事です。

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 ■〜得度習礼を終えて〜				徳行
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皆様こんにちは。

季節も春になり、私は花粉症に苦しめられています。

さて、去る2月18日〜28日まで京都・桂にあります 西山別院の方で、無事
に得度習礼を終えることが出来ました。

得度では本当に沢山の方との出会いがあり、とてもいい刺激を頂きました。
同じ班であった人でも、得度を受ける目的は十人十色で、どの方も大変心
に残っています。

まず、得度を終えることが出来たのは本当に周りの皆様の協力のおかげで
あったと心から思います。特に祖母には大変感謝しております。

昨年10月に、いきなり得度を受けると決めた頃から、祖母には一番苦労を
かけたと思います。

得度で使用する白衣を作ったり、祖父の着用していた衣を繕ったり、名前
を入れたりと、裁縫が全くダメな私は 祖母にただただお礼を言う事しか
出来ませんでした。

何ヶ月もかけて地道に衣類に関して準備をしてくれ、そして一緒にビデオ
で五条袈裟の威儀の結び方を練習したり、日没にお経をあげたりと祖母の
力は本当に大きいものでした。

そして私の両親はといいますと、得度習礼の最中に脱走して帰ってきたら
何と声をかけようかと相談していたそうです(変な心配をかけさせてしま
いました…)

また、祖父と親しかった方に家まで来て頂いたり、実際にお寺を持ってい
らっしゃる方の所でお焼香の練習をさせて貰ったりと、沢山の方の協力の
元で無事に得度を終えることが出来ました。

私が得度を終えることが出来た、それは本当に沢山の人のおかげがありま
した。

もし祖父がお浄土へ往かなければ、大学2年生の春休みは おそらくアル
バイトに励み、特に何も考えずに過ごしていたことだと思います。

このふた月ほど、一生懸命得度に向けて準備し、勉強・作法に没頭したこ
とは、私の大学生活の中でとても貴重な財産であると思います。

得度で学んだ「我慢する」という忍耐力を、来年の公務員試験の継続力に
繋げたいと思います。

さて、本来ならここから思い出を話したいところなのですが、それは次回
以降に回させて頂いて、最近身近に起こった事から書かせて頂きます。

得度を終えて1週間後、祖父の枕経をあげて下さった、大変お世話になっ
た方が、さらに翌週に祖父母と仲の良かった方がお浄土へ往かれました。

前者の方の葬儀には、僧侶の姿で参列させて頂き、献花もさせて頂きまし
た。突然のことだったので、なかなか気持ちの整理が出来ないままでした。

また、後者の方の葬儀にも参列させて頂き、幼い頃にお世話になり、色々
思い出があったので辛かったです。

死に直面すると人は優しい気持ちになれる、とだいぶ前の号で書かせて頂
きましたが、また今回親しい人の死に直面して、改めてそう思いました。
 
まとまりのない文章になってしまいましたが、また次号に得度の思い出は
ぼちぼち書いていきたいと思います。

来週からいよいよ大学も始まり、残すところあと2年となりました。

まだまだ学生でいたいですが、そろそろ社会人としてどうあるべきか考え
ていかなければならない時期になり、ちょっと複雑な気分です。

ではまた次号でお会いできることを楽しみにしています。

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■編集後記  
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皆様こんにちわ。お変わりございませんでしょうか。このところの暖かさ
で梅も満開、沈丁花が香り、めっきり春らしくなって参りました。

希望にふくらむ春なのに、黄砂が飛んできたり花粉症に悩まされて、春は
有り難くないとおっしゃる方も大勢いらっしゃるかもしれません。私の周
りでもマスク族が増えつつあります。

徳行が文末に書いておりますが、故山野鈍海のかけがえのない親友であり
ました二人の方が、相次いでお浄土に還られました。鈍海も高齢でしたの
で、寿命と言われれば仕方のないことかもしれませんが、寂しいことです。

一方では、亡き鈍海が「ちょっと早かったけど、よう来たなあ。話したい
ことが山のようにあるんや」と、なつかしく手を取って笑顔で迎えている
姿が思い浮かびます。

学生時代に習った「平家物語」の一部をふっと思い出しました。皆様もご
存知かと思いますが、少し書き出してみました。

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祇園精舎の鐘の声  諸行無常の響きあり 

沙羅双樹の花の色  盛者必衰の理をあらわす 

おごれる人も久しからず  ただ春の世の夢のごとし 

たけき者も遂には滅びぬ  偏に風の前の塵に同じ 

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世の中は常に移ろい、栄えていても、いつかは滅びる運命にある。

高校時代、必死で暗記したのはいいのですが、深い所の意味を解さず、
今頃になって仏教と深い関連があった事を再認識致しました。お恥ず
かしい事です。

皆様、体調を崩されませんように。また来月お会いしましょう。
どうぞお元気でいて下さいね。


知識不足のぱせりの解説ではお話になりませんので、下記で詳しく説
明して下さっています。興味がおありの方はご参考までに。

http://www.geocities.jp/syakuriko/06wa.html

http://www3.ocn.ne.jp/~mh23/heikeindex.htm

                                 ぱせり(記)
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■筆者について
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山野鈍海、本名は西澤祥英。

昭和2年滋賀県生まれ。鈴鹿山脈の山懐の貧しい農家の長男に生まれ、
田んぼや山仕事をしながら育つ。

時は戦争の真最中で、志願して軍隊務めもする。仏法の盛んな土地で、
子供の時から教えに親しむが今一つ本当に「わかった」と言う思いは
なかった。

鈍海が43才の時、次姉が交通事故に遭い、一週間の植物状態の末、意
識不明のまま他界。

10年後、西本願寺の中央仏教学院通信教育で貪るように教えを学ぶ。

その2年後に僧侶の、3年後に教師の資格取得の後は、勤めながら同じ
志を持って通信教育に学ぶ人たちの勉学の手助けや地域の日曜学校に
と、多忙に明け暮れる日々を送っていた。

2004年1月より「こころのともしび」発行。長年の夢が叶い、胸が躍
って眠れないほどの喜びで希望に胸をふくらませる。

2005年秋、図らずも皮膚癌(パジェット癌)の宣告。

ガン家系でなかっただけにショックも大。かなり悪性で進行が早い癌
と聞く。自宅での療養中に、なるだけ東洋医学の教えを取り入れた食
生活をし、必ず打ち勝ってみせるという強い意志のもとに、家族一致
団結でガンと闘うも、力尽きて2006年12月に他界(79歳)。

ガン宣告からわずか一年後の事。

現在は鈍海の遺志を継ぐべく、遺稿集より法話をお届けしています。
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□□ 次号(第50号)発行予定日   2008年4月頃
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◆バックナンバー<http://archive.mag2.com/0000124366/index.html>
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□□ 著者:(故)山野鈍海   <http://www.eonet.ne.jp/~panacee/>
□□ 著者兼発行スタッフ:徳行(とくぎょう)   
□□ 発行責任者:ぱせり   http://plaza.rakuten.co.jp/maywind/
□□ 叱咤・激励のお便りはこのメールマガジンに「返信」して下さい。
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□□ mag2ID:0000124366   『こころのともしび』不定期発行
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□□ 読者登録解除は下記のホームページからお願いします。
                  http://www.eonet.ne.jp/~panacee/
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□□『まぐまぐ』を利用して発行しています。 http://www.mag2.com/
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