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2006/01/09

【新会社法で会社設立!】:019~『有限責任事業組合(LLP)』ってホントに使える?

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 =======================================【 main contents 】==

 ●『有限責任事業組合(LLP)』ってホントに使える?

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 明けましておめでとうございます!
 行政書士の佐藤 理です。 o(*^▽^*)o~♪


 今年は、いよいよ【会社法元年】となりますね。

 "パラダイムの大転換"により、会社の設立・運営が、"再構築"
 されることになるのです!!!!


 このメルマガでは、『会社法』並びに関係法令についての解説
 を、イヤというほどお伝えしていきますので、覚悟してお読み
 くださいね。(ニヤリ)


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   【有限責任事業組合(LLP)ってホントに使える?】



 これまで金融機関からの事業資金の融資が困難だった


      『有限責任事業組合(LLP)』


 に対して、政府系金融機関(日本政策投資銀行・商工組合中央金
 庫・中小企業金融公庫・国民生活金融公庫)による融資制度が、
 新たに設けられました。


 『有限責任事業組合(LLP)』とは、経済産業省が所管となって、
 専門的な人材を活用した共同事業等を振興し、創業を促すことを
 目的に、「民法上の組合」の特例として創設されたものです。


 ここでポイントとなるのは、LLPは、"創業支援"を主要目的として
 創設された"事業体"で、原則としては「民法上の組合」に過ぎず、
 「会社」とは異なり、"法人格"がないという点です。


 その結果、LLP名義では、事業資金の融資を受けることができず、
 組合の構成員個人として融資を受ける方法が一般的だった訳です。


 今回の政府側の対応により公的融資の道が開けたことは、"創業
 支援"にとっては望ましいといえますが、


 実は…


 LLPは、一般的なビジネスを行う上では、決して"使い勝手がいい
 事業体"とはいえず、安易に設立すべきではありませんので、
 十分に注意が必要です。


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 ところで、『有限責任事業組合(LLP)』の特徴としては、
 次のような点が挙げられます。


  1.「間接有限責任の原則」

  2.「内部自治の徹底」

  3.「法人格を有しない」

  4.「構成員課税(パススルー)の適用」


    * * * * * * * * * *


  1.「間接有限責任の原則」

   民法上の組合では、組合員は債権者等に対して"直接無限
   連帯責任"を負うべきところ、LLPでは「出資価額」を限度
   として責任を負えば足りるため、「株式会社」「有限会社」
   と同様に、出資者の責任が軽減されています。

   責任の軽減に伴って、債権者保護のために、LLPは次のよう
   な規制を受けます。

    1) 有限責任事業組合契約の登記義務

    2) 財務データの開示義務

    3) 債務超過時の利益分配の禁止


  2.「内部自治の徹底」

   本来、内部的な利益分配は、出資比率に応じて行われる
   ことが原則ですが、LLPでは、出資比率にとらわれずに柔軟
   に分配方法を定めることが認められています。

   そのため、資金はないが専門知識やノウハウを持つ技術者・
   研究者等に対して、インセンティブ的に有利な利益分配を
   行うことも可能となります。

   また、LLPの業務執行の決定方法や監査方法等についても、
   法律や出資比率等による規制はなく、LLPの内部自治に大幅
   に委ねられています。


  3.「法人格を有しない」

   LLPは「民法上の組合」がベースとなっている事業体ですが、
   これと同様に、内部規律においては「民法上の組合」の規定
   が準用される「合名・合資会社」とは異なり、「法人格」を
   有してはいません。

   これは、以下でお話する「パススルー課税」を導入するため
   とも言われています。

   なお、2002年に導入された英国のLLP(Limited Liability 
   Partnership)では、「パススルー課税」でありながら「法人
   格を有している」点で、日本のLLPとは異なっています。


   ★ところで、「民法上の組合」であっても、

    ・「契約当事者能力」

    ・「訴訟当事者能力」

    ・「供託当事者能力」

   などは認められますが、LLPでは、さらに「法的主体性」
   を補完するために、次のような措置が講じられています。

    1) 組合名義の不動産である旨を公示する「共有物分割
     禁止の定め」の登記の許容

    2) 組合契約に基づく「特許出願」を可能とする措置

    3) 組合契約に基づく「許可・認可・届出」を可能と
     する措置


  4.「構成員課税(パススルー)の適用」

   LLPは、"法人格"を有しないため、"事業体"そのものには、
   法人税等の課税はされず、利益分配を受ける「組合員」に
   対して課税が集中することになります。

   そのため、「法人」と「組合員」という二段階の"節税"の
   機会を失うため、税務上は、それ程メリットとはいえません。

   さらに、LLPで生じた損失を「組合員」の"租税回避"に利用
   されることを防ぐため、損失を処理する場合は「個人組合員」
   の場合も「(連結)法人組合員」の場合も「出資額」が上限
   とされるため、「損益通算」のメリットもそれ程大きくは
   ありません。

 
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 このように、LLPは、「組合員個人」が重視されて大幅な「内部自
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 治」が認められる一方で、債権者に対する責任が「間接有限責任」
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 とされる「法人格を有しない」事業体ということになります。
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 〜ここまでお読みになったあなたは、


       "けっこう、LLPってヨォクゥな〜ぃ?"


 と思われているかも知れませんね。



 ★ところで、『有限責任事業組合(LLP)』は、なぜ誕生したの
 でしょうか?



 実は、既に日本には、現行の「商法」(明治32年3月9日成立!)
 で規定される基本的な「会社形態」として、LLP同様に「民法上
 の組合」の性質を持つ一方で、「法人格」をも有する「合名会社」
 と「合資会社」が存在しています。

 ところが、この"人的会社"に分類される「合名・合資会社」には、
 会社債権者に対して「直接連帯無限責任」を負う「無限責任社員」
 が不可欠であることから、現代の日本経済にはマッチせずに、
 ほとんど利用されていません。


 現代の日本経済に適合したのは、出資者の「間接有限責任制」が
 確立されて、投資家からの出資を募りやすい「株式会社」並びに
 「会社乗っ取り」などを防ぐための"修正形態"である「有限会社」
 であったのです。


 さらに、拡大路線を標榜する「上場会社」等においては、アメリカ
 型の「所有と経営の分離」並びに「コーポレート・ガバナンス」が
 重視される"複雑な機関設計"へと変貌を遂げてきました…


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 しかし、20世紀後半になって「企業価値の有り方」が劇的に変化
 したことを背景に、「会社形態」にも変化が求められるように
 なったのです。


 すなわち、企業価値の中心的な資産が、「設備・機械・不動産」
 などの「物的資産」から、「技術者・研究者・クリエイター」
 などの「人的資産」が生み出す「特許・技術・情報・ノウハウ・
 ブランド」などの『無形資産』へと急激にシフトしてきたため、
 その対応が求められるようになってきたのです。


 ところが、このような「人的資産」を最大限に活用して『無形資
 産』を蓄積していくためには、実は、「所有と経営が分離」した
 "複雑な機関設計"では、十分対応できないのです。



         それはナゼでしょうか?



 当然のことながら、「技術者・研究者・クリエイター」などの
 「人的資産」を活用するには、専門職に従事する彼らの「モチ
 ベーション」を高レベルで維持する必要があります。

 そのためには、「給与」や「インセンティブ」などの"ロイヤリ
 ティー"を改善することをはじめとして、彼らの"忠誠心"を高め
 ていかなければならないのです。


 しかし、「所有と経営が分離」した"複雑な機関設計"や「労使
 間」の"雇用関係"においては、「所有者(株主)」「経営者
 (役員)」「労働者(人的資産)」の三者間における"対立構造"
 が生じ易くなり、現代企業にとって最も重要な『無形資産』を
 生み出す「人的資産」を、十分に活用できないという状況に
 陥ってしまったのです。



 ★そこで、「人的資産」である「専門技術者」たちが、


          "出資者"兼"経営者"


 となって主導的な地位を確保することのできる、


      「民法上の組合型の事業体」への"回帰"


 が見直されてきたのです。(ここ、"超〜重要"です)


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 既にお話したように、『有限責任事業組合(LLP)』の制度が
 想定しているのは、「人的資産」としての「専門技術者」等の
 活用なのです。


 たとえば、


 ・「ベンチャー企業」「大学」等と「大企業」との連携

 ・「企業」間の研究開発におけるジョイント・ベンチャー

 ・「専門技術者」等による共同事業


 などが典型例といえるでしょう。



 それは…


 これらの形態の場合は、必ずしも「法人格」を必要としません
 が、「専門技術者」等を活用できる"ビジネスモデル"といえる
 からです。



 ★このように『有限責任事業組合(LLP)』は、"一般的な起業"
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 を想定している制度ではありません。
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 "通常のビジネス"を行う場合は、
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      「法人格がない」ことが"最大のネック"


 となるため、LLPは、あまりメリットのある制度ではありません
 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
 ので、ご注意ください。
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 このように…






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 ●編集後記●

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 正月休みも終わり、今日は"3連休"の最終日ですが、みなさん
 も楽しくお過ごしのことと思います。


 一昨日、上原彩子(pf)さんのリサイタルに行ったのですが…

 Schumannの"Kreisleriana"やSkryabinの演奏の凄いこと凄い
 こと…  (;^_^ A

 引き続き、"Ring"で来日するGergiev指揮Mariinsky楽団との競演
 もあるので、とても楽しみです!!!!


 ところで、"3連休"明けの明日からは、平成18年のビジネス
 が本格的にスタートすることになります。

 起業家のみなさん、気合を入れてがんばりましょう!!!!(TAD)
 

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