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私立校で教壇に立つ、つきのみどりの、教育のホンネ話。ロゼッタストーンでのweb連載「つきのみどりの教育カフェテリア」で書けない話を中心に、ここでしか読めない最新の教育事情満載! ※当初は週刊でしたが、web連載のスタートに伴い、不定期化しております。

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2005/01/10

「週刊 みどりのひとりごと」Vol.039

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「週刊 みどりのひとりごと」(マガジンID: 0000123512)Vol.039 2005.1.10

☆はじめに☆

皆さん、こんにちは。今週もメルマガを読んで下さりありがとうございます。
また、2005年最初のメルマガ配信です。今年もどうかよろしくお願い致します。

今年、遅まきながら私も「ブログ」を始めました。メルマガで伝え切れなかっ
たこと、別の話題などを書いていく予定です。ブログは誰でも「トラックバッ
ク」でコメントを簡単に書くことができます。皆さんのコメントをお待ちして
います。
○ブログ「こんにちは、つきのみどりです」
http://tsukinomidori.cocolog-nifty.com/happy/

なお、今まで通りHPも開設していますので、こちらもよろしくお願いします。
○つきのみどりHP:http://tsukinomidori.hp.infoseek.co.jp/

☆    Vol.039 「教員社会の閉鎖性」☆

今回は「教員社会の閉鎖性」について考えます。
公立校の教員は、公務員ですので、基本的に数年で決められた範囲の中を移動
します。東京都の場合(私の知人に聞いた話です)、その人は採用後、23区と
多摩地区の学校を交互に勤務しているそうです。この移動間隔が短くなってい
るのはメルマガVol.022にも書いた通りです。

さて、私立校の場合。基本的には「移動はなし」です。大学付属校などで、系
列校が複数ある場合、その中で移動することもありますが、そういう学校の方
が少ないのです。ですから、「一度採用されれば、退職しない限り、ずっと同じ
学校に勤務する」ことになるのです。

このような状況ですから、最近は公立校を卒業した人は、卒業後教育実習で母
校に帰っても、知っている教員がほとんどいない、というのも珍しくないよう
です。一方、私立校の卒業生は、教員が退職しない限り、「いつ遊びに行っても
懐かしい先生に会える」ということになります。

私立校で教員の異動がないこと自体を、私は問題視するつもりはありません。
これは、一般企業への就職と同じことだと言えるからです。ただ、問題だと考
えるのは、「研修などがゆるく、長年一つの職場にいて、しかも相互のチェック
機能が働きにくいので、質が低下した教員が出るのが絶対に避けられない」こ
となのです。

私立教員の大規模な研修は、次の二つがメインです。ご覧いただければいつ実
施するのかお分かりいただけるかと思います。
・    初年度研修
・10年目研修

他の研修は、学校独自や教員独自で、学校によって大きく異なるため、一概に
は言い切れません。学校独自の研修そのものが、新採用時には全くわからない
ので、私も、他校の様子は勤務している方から聞く以外の方法がないのです。

私立校の多くは「研修日」を設けていて、週のうち1日ないし半日は自宅での
勤務を認めています。これについても、「研修テーマを自己申告させている」学
校、特に自己申告をさせない学校とばらばらです。自己申告をしなければ、何
をしているのか学校側も全く把握できないので、教員が登山中の遭難などで、
事故に巻き込まれたなどのことがあっても、即座に対応できません。

また、最近は少子化で子どもの争奪戦が激しいため、研修日は「事実上なし」
となっており、返上させて塾への営業などに行かせている学校も珍しくないよ
うです。でも、これも学校に就職するまでは絶対にわかりません。就職して初
めてわかり、ぼろ雑巾のようになるまで身も心もすり減らして退職することも
珍しくないのです。

私立校のベテラン教員には、いろいろな方がいます。生徒に慕われていて、授
業内容も素晴らしい方もいれば、以下のような教員を、実際に私はたくさん見
聞きしています。

・    間違った公式を教えている(数学)
・古典文法を正確に理解していない(国語)
・外国人講師と会話できない(英語)
・生徒に手を出して問題になったが、免職されず、勤務を続けている

こういう教員が公立校に勤務している場合、今は「指導力不足」として研修を
受けることが一般的です。ですが、40代以上で、このような決定的欠点がある
場合、長年それを放置していても良かったのに、ある日突然「直せ」と言われ
ても、矯正することは大変困難です。その結果、退職に至ったり、あるいは事
務職への転換を命じられたりしているのです。

なお、生徒に手を出した「ハレンチ教員」なら、発覚した時点で大々的なニュ
ースになり、処分を受けることは言うまでもありません。

ですが、私立校の場合、そのような「指導力不足」教員を指導する機関がない
ため、そういう教員は放置されたままなのです。校内で指導するしかありませ
ん。そして、そういう教員に対する苦情が校長や理事長に行くこともあります
が、私立では退職するしか道がなく、年齢が高いと再就職も難しいので、「かわ
いそうだからうちで面倒を見よう」という方向に話が進むのです。あるいは、
「理事長の縁故なので」「有力後援者の縁故なので」といった理由で、「実力欠
落教員」が放置されることも珍しくありません。

こういった教員に習った子どもは本当にかわいそうでなりません。あきらかに
実力がなかったり、ハレンチな教員なのに、その指導を1年間受けて「我慢」
しなければならないからです!

また、そこまでひどくなくても、教員仲間の内輪話で、このような話を聞くこ
とがあります。「私って優秀なので、周りの人に足を引っ張られるんです」(!!)、
「○○さんのやり方ってだめですよね」などです。こういう発言をする人を見
ると、背筋が寒くなりますし、「ああ、この人は視野が狭いんだな、私もこうな
らないように気をつけよう」という思いを強く抱きます。

教員というのは、採用されたら、授業は全て自分の判断で行なわなければなり
ません。学年全体での打ち合わせなどで、他の教員の指導を受けることはもち
ろんありますが、基本的には「自分が全責任を持って」授業を進めます。

人間とは恐ろしいもので、このような状況が数年続いただけで、「私は優秀だか
ら」、「私のやり方がいい、あのひとのやり方はダメ」などという、「お山の大将」
な、「客観的視点の欠けた」人間になってしまうのです!!私がこのような発言を
聞いたのは、全て、就職して10年経っていない、私とそれほど年齢の違わない
人たちからなのですから。

しかも、このような発言をしている人は、実は、「指導力不足で周りが大変心配
している」、「生徒や周りの教員とうまく行っていない」などで問題視されてい
ることも多いのです。客観的視点がないということは、教員にとって致命的な
欠点となっているのがおわかりいただけますでしょうか。

こういう発言を見聞きするたび、いつも私は自戒の念にかられます。「私も”ダ
メな教え方をする“そう子どもたちに思われていないだろうか」、「私の授業は
客観的に見て実力がつくだろうか」などです。

最近は、授業を公開して、教員同士の自己研鑽の場を増やしている学校もたく
さんあります。でも、そういう時に限って、来なければならないような人は来
ず、職員室で一人何かしている、というのもお定まりの光景なのです。

ですので、今後の日本の教員のレベルアップとしては、以下のような手法を採
ると有効なのではないでしょうか。

1.学校は、公・私立ともに積極的に外部にも門戸を開き、外部の教員の授業参
観を認める。授業参観には、最低年1回は出かけなければならない。
2.学校の教員は、授業のレベルアップのため、予備校などで講習を受ける。1.
と併せて最低年1回は講習に参加する。
3.生徒との対話方法に生かすため、カウンセリングなどの通信教育を受ける。

授業を公開することは、手の内を明かすようなことかもしれません。でも、積
極的に公開することで、実は「あの学校はレベルの高い授業をしている」「先生
が熱心だ」などの、良い評判を生むのです。

今の日本の中学・高校は、「塾のために」授業を公開したり、塾の評判の良い学
校がもてはやされる、というのが当たり前になっています。でも、塾にとって
良い学校が、子どもや働く教員にとって良いとは限りません。この点を決して
見誤ってはならないのです。

また、予備校の一流講師陣は、授業が悪ければ契約を打ち切られますから、毎
回真剣勝負で授業をしています。こういった授業を取り入れ、自分の授業に生
かす姿勢こそが、まさに「お山の大将」にならない重要なことなのではないで
しょうか。

また、最近は心の問題を抱える子どもが増えていますから、カウンセリングの
基礎を学んで、授業や対話に積極的に生かすべきです。

お子さんが通っている学校、就職予定の学校に、「教員の研修制度はどうなって
いるのか」、ぜひ問い合わせて見て下さい。そこから、学校の「教育に対する姿
勢」は、必ずつかみ取ることができるのです。

☆あとがき☆

今週は、「教員社会の閉鎖性」について考えました。「客観的視点」を持つこと
の重要性は、いつも私の中にありますが、これからもその気持ちを忘れずにい
ようと思います。

次回は「教育でのマネープラン戦略」を予定しています。実は私、昨年から少
し資産運用の勉強をしています。そこで学んだことも踏まえ、「現役教員の目か
ら見た、教育にまつわるお金の問題」を考えていきます。

感想・質問などのメールをお待ちしています。ブログもよろしくお願いします。

つきの みどり
(HP)http://tsukinomidori.hp.infoseek.co.jp/
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