週刊 みどりのひとりごと RSSを登録する

私立校で教壇に立つ、つきのみどりの、教育のホンネ話。ロゼッタストーンでのweb連載「つきのみどりの教育カフェテリア」で書けない話を中心に、ここでしか読めない最新の教育事情満載! ※当初は週刊でしたが、web連載のスタートに伴い、不定期化しております。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2004/09/13

「週刊 みどりのひとりごと」Vol.034

この記事を取り寄せる

「週刊 みどりのひとりごと」(マガジンID: 0000123512)Vol.034  2004.9.13

☆はじめに☆

皆さん、こんにちは。今週もメルマガを読んで下さりありがとうございます。
今週はまず、訂正です。前回のメルマガで日付を「2004.9.13」としましたが、正しく
は「2004.9.6」です。申し訳ありません。ここにお詫びして訂正致します。
また、まだ体調が万全ではなく、配信が遅れて申し訳ありません。

 皆さんからのメールは、引き続きお待ちしています。勝手なお願いですが、できました
ら、9月中にお送りいただきますようにお願い致します。
なお、お立場上、ご自分の本名を明かされたくない、という方は、マイクロソフトの
hotmailやインフォシークのフリーメールサービスでアドレスを取得し、送信者名をニッ
クネームなどにして、メールを送信されることをおすすめします。こういったメールアド
レスは、見知らぬ人へ初メールを送信する際や、懸賞応募などにも使え、大変便利です。
マイクロソフトhotmail:http://www.msn.co.jp/home.armx
インフォシーク:http://www.infoseek.co.jp/

☆Vol.034 「教師の健康」☆

この2週間、メルマガをお休みして、アンケートにさせていただき、大変失礼致しました。
今回は「教師の健康」について考えます。
「健康」という言葉から連想されるのは、「体の健康」「心の健康」、このふたつではな
いでしょうか。

 私が考える、「体の健康」とは、大きなケガや病気にならず、体調を自己管理する、ごく
一般的なものです。
 そして、「心の健康」とは、精神が安定している状態であり、ストレスなどで心がすさん
だままでいない、ということを指します。医学的にはもっと細かい定義があるのかもしれ
ませんが、これは医学のメルマガではありませんので、大まかな定義だけ示します。
 
 一般の会社員の場合、どなたかが休んでも、周りの方がカバーして休んだ方の分まで仕
事を進めていくのではないでしょうか。でも、教員の場合、一人が長期療養を要する病気
やケガに見舞われた場合、数日なら生徒に自習させるか、他の教員が代講をすれば済みま
すが、長期療養なら、自習や代講だけでは授業が成立しなくなります。そうなると、代理
教員を探さねばならず、学校・生徒両者にとって大きな負担となります。このような場合、
私立校では、就職希望の者の名簿や、卒業生などに声をかけて、代理教員を採用します。

公立校の場合、こういう際には臨時の教員をあらかじめ希望登録者などのリストから探
すため、私立校の場合よりは手数がかからないはずです。ただ、いわゆる「教育困難校」
(学力が低いレベルの学校)だと、リストにある人物に連絡しても、学校名を言うと断ら
れることも多いようです。

 私立・公立いずれにしても、突然新しい教員が来て、戸惑ったり反発する生徒が出るケ
ースは、決して珍しくありません。もちろん、うまくいくこともあるでしょうが、明らか
に力量のない者がくる場合もあります。産休の場合、よほど母体に危険がない限り、あら
かじめ教員が休みに入る時期がわかりますので、それに合わせてゆとりを持ってその後の
教員を選べますが、突然の病気による長期休養は、そのような余裕がないままで後任を決
めねばならず、「とりあえず来てくれれば誰でも良い」的なことになりかねません。これで
は力量不足の者が来ても仕方がありません。

 ですので、長期療養を必要とするような事態におちいらないよう、教員は心身ともに健
康でいることが必須条件です。私は、今までに何度か、体が丈夫ではない、という人が教
員を目指すのを見てきましたが、私が知る限りの方は、どなたも志を果たしていません。

また、現職教員でも、心身ともにナイーブな方を見たことがありますが、その方が多く
休んでしまったり、また、テスト問題を間違えて作成したり、と、私も迷惑をこうむった
ことがありました。その方はベテランの域に入っている方でしたが、決して授業方針は良
いとは言えず、自分が面倒くさいのも手伝って、「新指導要領では学習内容が削減されたの
だから、削られた範囲は学ばなくて良い」と考えるような人でした。

ですが、その後、この人が責任者だった学年で、優秀な生徒が何人もこの方針に失望し、
更にレベルの高い高校を受験し、一貫校から出て行く、といった事態にまでなりました。
もちろん他の高校に行く理由はこれだけではなかったのでしょうが、心身ともにナイーブ
な教師の「自分が楽をしたい」といういい加減な授業方針が、その加担をしてしまったと
私は考えています。

 さすがに、最近教員に採用される人は、心身ともナイーブという方はめったにみません。
でも、教師という職業は全身全霊をかけて授業をし、更に生活指導や部活顧問なども担う
ので、健康な方でも、体の不調を訴えたり、精神的ストレスに悩まされることがあります。
ですが、あまりに忙しすぎて病院にも行けず、また、検査のためだけに休む、というのも
言い出しづらいため、心身の不調がひどくなって、大病をわずらってしまったり、うつ病
などで長期療養という事態になることもあります。

 学校教員の場合、年に1回、健康診断が実施されています。4月に生徒に実施している
のと同じ要領ですね。ですが、数年前まで、これさえもまともに実施していなかった某大
学を私は知っています。

 その大学の職員さんと話をしていた時、健康診断の話題になったのですが、「ここは、学
生の健康診断は実施するけれど、教職員には実施していない。外で受けてきて、その結果
を持ってきて、と上の方々に言われている」という職員さんの答えに、私は心底驚きまし
た。こういったことは法律違反の経費削減ではないのでしょうか?このような大学の持つモ
ラルの低さは、到底納得できるものではありません。その後、その大学でも健康診断は実
施しているかもしれませんが、こういったことを行なっていた、というのは多くの学生を
預かる機関として、許しがたい背信行為なのではないでしょうか。

 また、最近の塾ブームの中で、塾の教師の健康が見落とされている、と私は大変危惧し
ています。
 塾は、運営しているのが会社、学校法人など、経営母体はひとくくりにできません。ま
た、個人経営に近いところもあれば、大企業並みに教職員を抱える予備校もあります。

 ですので、塾や予備校の教職員に対する福利厚生や健康診断の実施、提携病院の有無な
どは、千差万別、どれ一つとして同じ場合はないでしょう。大手の予備校でさえ、教職員
の健康診断を実施しているところと、していないところがあるのが実態なのです。

 時々、このようなニュースを目にすることがあります。「○○市で、私立中学校の教員が
結核にかかっていることが判明したので、生徒や教職員に健康診断を実施した」。

 最近の日本では、若者が不規則で栄養の偏った生活をし、その結果免疫力が落ち、知ら
ない間にどこかで移された結核を発病する、ということが増えているそうです。教師が一
度結核にかかれば、その教師の同僚、通勤していた学校の全生徒を検査しなければならな
くなり、大変な事態になってしまいます。それでも、学校の教員の場合、年に一度は健康
診断を学校で受けますから、その際に発覚することが多く、重症になる前にくいとめられ
るのではないでしょうか。

 でも、予備校や塾では、健康診断に関心を払っている余裕のないところが大半なのです。
こういった場合、結核以外でも、伝染性の病気に教師がかかった場合、発覚が遅れて多く
の生徒にウィルスが広まってしまうことも充分考えられます。何より恐ろしいのは、「予備
校や塾には、複数の学校から生徒が通ってきているため、一度ここで重症な病気が流行す
れば、多くの学校に伝染するのはあっという間」であることです。

 このことに気づいている予備校・塾関係者は、きちんと健康診断を実施しているでしょ
う。ですが、気づいていなかったり、気づいていても小規模で健康診断を実施する余裕の
ないところは、実は「子どもに大きな影響を及ぼす、教師の健康」について、何の対策も
とっていないのではないでしょうか。これは非常に大きな問題だと私は考えています。

 学校の教師はもちろん、塾や予備校の教師にとっても、健康を維持するのは大変重要で
す。また、予備校などの経営者は、抱える教員の健康状態を正確に把握して、在籍する子
どもに万が一の被害が出ないようにすることは、最低限の義務なのではないでしょうか。

もしも小規模な塾で、自前で健康診断を実施できる余裕がないのであれば、年に1度、
教師に健康診断を受けさせ、結果のコピーを提出させるべきです。それが、在籍する生徒
に対し、「当塾の教師は皆心身ともに健康です」という一つの重要なアピールになるのでは
ないでしょうか。
 
お子さんがいる方は、学校、塾、予備校などの教師の健康管理は、どのようになされて
いるのか、ぜひ確認されることをおすすめします。もしも「全くしていない」のであれば、
そのような塾には改善を徹底的に要求して下さい。あなたのお子さんが、もしかしたら結
核や重い伝染病にかかる可能性を持って、毎日塾に通っていることになるのですから。

☆あとがき☆

今週は、「教師の健康」について考えました。他の面から論じられることもあるかと思
いますので、それは回を改めて考えることにします。
なお、次回は「義務教育改革について」を予定しています。次回配信予定は9/18ですが、
敬老の日を含む連休ですので、20日までの3日間でお届けできたら、と考えています。
 感想・質問などのメールをお待ちしています。

つきの みどり
http://tsukinomidori.hp.infoseek.co.jp/
tsukinomidori@infoseek.jp
※このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ から発行して
います。配信中止はこちらまで http://www.mag2.com/m/0000123512.htm
※無断転載を禁じます

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る