2007/11/19
「これならわかる!知的な財産のお話」(第62号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ ★ これならわかる!知的な財産のお話 ★ ≪第62号≫ ◇◇ 〜 著作権とその周辺 〜 ◆ 2007年11月19日 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎トラブル解決サイト → http://www1.odn.ne.jp/tazjim/ ◎知財起業サイト → http://www.gyo-chizai.com/ ==(目次)============================== ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ☆お陰さまで、本メルマガが京都新聞夕刊にて紹介されました!☆ 【京都新聞サイト『ねっと人こだわり派〜メルマガ編〜』にも掲載!】 ⇒ http://www.kyoto-np.co.jp/kp/rensai/net-hito/m/084m.html ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ 1.第62号のごあいさつ 2.地元のスター、「ひこにゃん」危機一髪! 3.編集後記 〜病院での風景〜 ==================================== ▼ ▲ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.第62号のごあいさつ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ またまた長期のご無沙汰をどうぞお許し下さい。行政書士の田附です。こ んにちは。 一昨年の耐震偽装問題に引続き、今年は食品偽装問題が多発していますね。 大きなところでは、6月発覚のミートホープに始まり、8月には「白い恋人」、 9月には「名古屋コーチン」、10月には「赤福餅」「比内地鶏」、それにあ の「吉兆」までも・・。 ミートホープに関しては、先月とうとう社長ら元幹部が逮捕されました。 容疑は不正競争防止法違反(虚偽表示)。いわゆる偽装ミンチ製造というこ とで、豚や鶏などを混ぜたミンチ肉を「牛肉100%」などと表示したものです ね。 不正競争防止法といえば、当メルマガでも度々登場しましたので、知的財 産権に関する法律かと思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。実 際、近年では知的財産権法の一部という位置づけが明確にされてはきました。 しかし、当初は商品表示や原産地を誤認させる行為、信用を毀損する行為 などのみを対象としてきた経緯があり、またその趣旨もしっかり残っていま す。文字通り、「不正」な「競争」行為を排除するための法律ですね。 それにしても、前出のような大きな事件が報道されると、その後数日間は ほぼ毎日、これら類似するようなケースの「お知らせとお詫び」が新聞紙上 を賑わしている昨今に、食の安全に対する信頼は回復できるのかなとの危惧 を抱かずにはいられません。。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2.地元のスター、「ひこにゃん」危機一髪! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 地元のスター?? そうなんです、実は私の生まれ故郷である滋賀県彦根市に登場した、今や 全国区のスターとなったのが、我らが「ひこにゃん」なのです! とはいえ、ご存知のない方もいらっしゃると思いますので少しご説明しま すと、滋賀県彦根市に築城された日本四大国宝の城の一つである彦根城が、 今年2007年に築城400年を迎えることから、彦根市では『国宝・彦根城築城 400年祭』と題して、今年3月21日からイベントが開催されています。 ○『国宝・彦根城築城400年祭』公式サイト http://www.hikone-400th.jp/ 残念ながら、もう今月25日(日)で閉幕してしまいますが、このイベントの キャラクターとして登場したのが「ひこにゃん」です。 ○ひこにゃん http://www.hikone-400th.jp/about/mark.php#content_02 なんともいえない、イマドキに言う”ゆるキャラ”だと思いませんか?癒 しグッズとしての人気も高いようです。 その「ひこにゃん」グッズが消滅の危機に瀕している!というニュースが 先日来流れていることをご存知の方も多いと思います。何があったのでしょ う?! この「ひこにゃん」の原作者である「もへろん」さんというデザイナーの 方が、祭終了後の使用中止を求め今月、市と同祭実行委員会に宛て彦根簡裁 に調停を申し立てたそうです。その使用方法に問題があるということのよう です。市側は申し立てに対して「弁護士と相談して対応したい」とのことで すが、どうしてこのようなことになったのでしょう? 市側は、もへろんさんが所属するデザイン会社から「ひこにゃん」の著作 (財産)権を買い取りました。その上で、同イベントを盛り上げるためのP R、事業コンセプトの推進等の目的で「ひこにゃん」を使用するのであれば、 著作権使用料を無料として商用使用の許可を出してきました。 これによって、個人や小規模事業者も気軽に使用できることで、イベント を通じた地域の活性化につなげるという試みが、今の全国的な知名度を得る 結果となったのでしょう。今や、ひこにゃんグッズはインターネット販売は もちろん、ネットオークションにも多く登場しています。 ところが、この試みにいささか勇み足があったようです。作者が提供し、 市側が採用した「ひこにゃん」は、前出(↓) ○ひこにゃん http://www.hikone-400th.jp/about/mark.php#content_02 にある3ポーズのみでした。にも関わらず、それ以外のキャラクター設定が なされたというのです。 例えば、こちら(↓)をご覧下さい。 ○ひこにゃんのプロフィール(「ひこにゃん倶楽部」より) http://www.hikone-400th.jp/hikonyan/profile.php これは、市側(実行委側)が設定したひこにゃんのプロフィールらしいの ですが、【好物】がお肉であったり、【特技】が「ひこにゃんじゃんけん」 であったりというのは、作者の意図しない性格づけなのだそうです。 また、キャラクターといえば「ぬいぐるみ」が作られることは容易に想像 されますが、上記提供の3ポーズは全て前面、後ろ姿ってないんですね。 ところが、ぬいぐるみに後ろ姿がないなんて考えられないわけで、作った 業者さんは独自に創作してシッポを付けたりしたわけです。あるいは、眼鏡 をかけさせた業者さんもあったそうです。 しかし、これらも作者が意図したひこにゃんではなく、市側が無制限に使 用承認を出してきたからだ、というわけです。これが、もへろんさんという 作者(著作者)だけが持つ権利である「著作者人格権」に基づく主張です。 著作者人格権は、当メルマガでもお馴染みですが3種類ありました。その うち、今回の場合も「同一性保持権」(著作権法第20条1項)に関わる問題で すね。 「今回の場合【も】」といいましたのは、つい最近の当メルマガでも登場 したからです。といっても随分前になってしまいましたが(汗)、第60号です。 ◇第60号『「おふくろさん」に思いやりを・・』 http://www1.odn.ne.jp/tazjim/mag2/g21_mag2_60.html このケースと全く同じ主張です。勝手に変えるな!です。 市側は、著作(財産)権はウチにあるのだから、と主張しているようですが、 著作者人格権は著作(財産)権とは別の、他人に譲渡できない権利(一身専属 権)であり、かつ例外はありますが誰にも無断で意に反する改変を受けない とする権利です。したがって、両者の合意(契約)がない限り、本来の3ポー ズ以外での使用はできないでしょう。 ただ、市側は今後も彦根市のマスコットとして使用したいとの意思を表明 しており、一方のもへろんさんも「キャラクターの設定を統一したい」との 意向であるとのこと。仮に今回の法的手段で使用中止の処分が下ったとして も、両者に建設的合意がなされ、再び彦根市のシンボルとして再登場してく れることを願って止みません。 尚、築城400年祭の終了(今月25日)とともに使用の承認を受けた業者さん の使用期限が切れるため、一旦はグッズの販売等はこの日で終了となります。 あとわずかですが、欲しい方はお早めに! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3.編集後記 〜病院での風景〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 最近、久しぶり(?)に2つの病院に行く機会がありました。どちらもおば あちゃんが多く、またどちらも長い時間待たされました。私は、この事態は 予想できたので、どちらの病院でも持ってきた本を読みながら順番を待って いました。 一つめの病院で。 少し目が疲れてふと顔をあげ、辺りをしばらく眺めていると、リハビリが 終わって出て来ようしておられたおばあちゃんが突然ドア付近で振り返り、 室内に向かって誰にというわけでもなく深々とお辞儀をされたのです。その 後ゆっくりと少し笑みをたたえながら待合室に戻って来られ、また誰にとも なくお辞儀をしておられました。 また別の病院で。 私が来た頃は思ったより空いていたので、今日は早く診てもらえそうだと 期待していたのですが、しばらく全く人の出入りがありません。30分ほどし てやっと診察室の扉が開き、中からおばあちゃんが出て来られるなり、「皆 さん、長いことすみません」とまた深々とお辞儀をされたのです。 その後、そのおばあちゃんが席を立ち、不自由そうな足取りでお手洗いに 向かおうとされているのを見るやいなや、その近くに座っておられたおばさ んがサッと扉を開けて差し上げて、おばあちゃんはお礼を言いながら中へ。 その後、そのおばあちゃんが帰ろうとして玄関へ向かわれたのを見るやい なや、その近くに座っておられたおばさんがサッと扉を開けて差し上げて、 おばあちゃんはお礼を言いながらゆっくり帰途へ。 ああ、今日はなんていい一日なんだろう、とほんわかした気分になりまし た、膝の痛みも忘れて。。 行政書士 田附清彦 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ご意見、ご感想、その他お問い合わせはこちらまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 著作者:田附行政書士事務所(代表:田附清彦) ■ 連絡先:〒520-0031 滋賀県大津市尾花川11−26−505 ■ 「トラブル」に関するご相談 ・Web:http://www1.odn.ne.jp/tazjim/ ・メール:gyo-tazuke@pop21.odn.ne.jp ■ 「起業」に関するご相談 ・Web:http://www.gyo-chizai.com/ ・メール:kyh_tazuke@gyo-chizai.com ◆ 著作権、起業、トラブル、その他お困りの方、ご相談下さい。◆ ==================================== ・このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行 しています。解除は http://www.mag2.com/m/0000123096.htm からできます。 ==================================== □このメールマガジンの転送を歓迎します。 □すべての内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。 従って、本メールマガジンに掲載された一切の記事の無断転載を禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Copyright(C) 2007 Kiyohiko Tazuke. 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