2008/01/30
七瀬なな小説メールマガジン
言霊使いの玉手箱/びっくり箱かもしれません **************************** 七瀬なな小説メールマガジン【2008/01/30】 **************************** どうも、七瀬ななです。 号外を省きますと【2007/01/13】以来のメルマガ配信です。 ものすごく間があいてしまいました!Σ( ̄ロ ̄lll) 『宝石』を書かずなにをしていたかと申しますと、 号外でお知らせいたしました、例のコラボ小説『誓言』を、 ブログ上でupしておりました。 http://nanasenana.blog90.fc2.com/ ▲七瀬なな小説閲覧室『お題の間』 宝石シリーズこれまでのお話と、ちょっとしたオプション記事の他に、 コラボ小説『誓言』も載せております。 お楽しみいただけましたら、さいわいです(*^^*) さて、今回は、お題小説『宝石20』十三個目『トパーズ』をお届けします。 前回の宝石『アレクサンドライト』に登場した副船長のその後のお話です。 **************************** ★☆★『トパーズ』第三話☆★☆ **************************** それ以来。 あの乱心者の姿を見かけることは、なくなった。 クリスは彼の名を思い出そうと努力した。 それまで、さほど関心を払っていなかったので、 手こずった。 彼の背に縫い付けられていた名は、たしか、ロドム。 クリスはロドムの安否を訊ねて回ったが、 誰に訊いても要領を得ず、それどころか、 他人にかまけて自分の精進をおろそかにするな、 と、たしなめられ、あげくの果て。 熱烈な接吻をされて血迷ったのかと揶揄されるに至り。 クリスは相手を、殴り倒し。 数人に、よってたかって取り押さえられる。 あの日の、ロドムと同様に。 カッとして暴れながらも、脳内の冴えた部分で、 クリスは冷静に計略を巡らせる。 これでロドムと同じ道筋を辿れるだろう。 彼がどうなったか、糸口を掴めるかもしれない。 みずからの鬱憤を晴らし、 なおかつロドムの追跡もできる。 一石二鳥。 笑い出したい衝動を、噛み殺す。 しかし、そんな余裕は、ほどなく霧散。 薄暗く狭苦しい独房に閉じ込められ。 たちまち後悔に、苛まれる。 最初のうちは、まだましだった。 胸に渦巻いたのは、僧たちへの不満。 寝食を共にしながら、互いに対する無関心ぶり。 度が過ぎる。 はみ出し者の集団だったが。 海賊どものほうが、よっぽど仲間を大切にしていた。 平時どれだけ口汚く罵り合っていようとも。 いざ戦闘ともなれば、それは見事な連携を、 見るも鮮やかに、決めたものだ。 なんだかんだ言いつつも、結局は運命共同体。 互いの体調や精神状態が命まで左右するから、 おのずと結束は、強まった。 それに比べ、ここの連中ときたら。 神に仕える身だなどと気取りすましていながら、 なんという冷たさ。 血の通った者同士とは思えぬような。 背筋が寒くなるような。 「あんな痴れ者のことなど」 「汚らわしい」 侮蔑の言葉を吐き捨てて、異端分子を排除して、 口を拭って、それで仕舞いか。 あいつらは皆、 容赦なく責め立ててくる内なる自分と戦い、 打ち勝ち、その屍を踏み越えて、 生き残った者たちなのか。 そうできなかったロドムは、落伍者か。 だとすれば。 おれが落伍者の烙印を押される日も、 そう遠い未来の話では、あるまい。 そもそも、 何故これほどまでにロドムを気にかけているのか。 自分こそ元来、他人に関心のある性質でもないのに。 ロドム。 あいつが先に壊れなければ、 おれのほうが壊れていたからか。 他人事では、ないからか。 それもあるだろうが、もっと、肝心なところから、 目を逸らしている。 目を、逸らしたがっている。 そうだろう、クリス、おまえは。 もうひとりの自分、つまりおれから、目を逸らすために、 ロドムを利用しているのさ。 ……来た。 あいつが。 無意識の底から。 とうとう、捕まってしまった。 独房で、気を紛らわせる術はなく。 耳を塞いでも、無駄。 声は外から聞こえるのではないから。 それは内側から、酷薄に、語りかけてくる。 エレナを、そうしたように。 ニコラも、奪ってやればよかったのに。 エレナを、そうしたように。 身体はおろか、魂から根こそぎ、虜にして。 ニコラに、レオンを、裏切らせて。 ニコラにも、レオンにも。 地獄の業火に焼かれるような苦しみを、与えて。 「見下げ果てた、野郎だな」 そうだ、ニコラを陵辱しかけた、あの部下たちなど、 生ぬるい。 もっと、ずっと、狡猾に、陰湿に、悪魔的に、誘惑できる。 クリスタル、おまえなら。 見てくれはレオンよりも遙かに女好きするし。 女心だって、手玉に取れる。 エレナを、そうしたように。 やろうと思えば、いくらでも。 何故、そうしなかった。 言ってやろうか。 「やめろ」 港へ上がって、街娼を買うとき。 クリスタル、おまえはレオンが気に入った女を、 いつも、片っ端から、さらっていったな。 「どうも、おれが憎からず想う相手は、 軒並み、おまえになびくみたいだ、参ったな」 人の好いレオンが、苦笑しながら頭を掻く。 言ってやりたくて、ならなかった。 「わざとだよ、船長。 おれはわざと、あんたの女を横取りしてるんだ」 何故そんなことをしたか、言ってやろうか。 「やめろ」 本当はエレナも、他のどんな女も、好きじゃない。 クリスタル、おまえはレオンが、好きなのさ。 レオンに対する、その執着は、恋だ。 **************************** (続く)次回の配信を、お楽しみに♪ ★★メルマガランキングに、参加してます★★ このメルマガをお気に召していただけましたなら↓をクリックお願いします。 http://nicolas-mmnovel.net/cgi-bin/rank.cgi?mode=r_link&id=102 **************************** http://www.alphapolis.co.jp/each_bbs.php?bbs_id=1433&num=1 ▲掲示板♪ メルマガ配信状況、その他更新情報お知らせします。 (書き込みも、歓迎です) **************************** 読んでくれて、ありがとうございました♪ ========================================================== 配信:まぐまぐ!(http://www.mag2.com) ↓本メルマガの解除・情報↓ http://www.mag2.com/m/0000122688.htm ========================================================== ========================================================== 配信:アルファポリス(http://www.alphapolis.co.jp/) ↓本メルマガの解除・情報↓ http://www.alphapolis.co.jp/maga.php?maga_id=1000361 ==========================================================


