世界のGEが日本のSONYを越えられない本当の理由  RSSを登録する

世界のGEがエジソン生命(現AIGエジソン)から撤退した本当の理由をGEとSONYの企業文化を比較し、両社に勤務した立場から解説します。書籍には書かれていないGEの内幕暴露です。

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2009/12/20

150:世界のGEが日本のSONYを超えられない本当の理由

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『改定版:世界のGEが日本のSONYを超えられない本当の理由』
 第四章 4つの横断的な組織がGEをダメにする
     405.非常に厳しいコンプライアンスやリーガル

 GEではコンプライアンスやリーガルが非常に重要視されている。外部の協力
会社と仕事をする場合には必ず協力会社と契約を結ぶが、契約締結及び業務開始
までのプロセスが日本企業の従来の商習慣と異なり非常に厳しかった。

 徹底されていることは「契約を締結しない限り、協力会社へ委託する仕事を絶
対にスタートしてはならないこと」だ。日本の商習慣の場合、協力会社が概ね決
定しそうな場合は、期日を考慮して部分的にスタートすることがある。また、決
定する前に調査や検討を進めてもらう場合がある。

 しかし、GEでは、情報提供する場合はまず「秘密保持覚書」を結び、「本契
約」が締結された後に始めて業務をスタートできる。これはある意味では正しい
プロセスだ。しかし、一方で業務の完了をストレッチな期限で要求される。契約
を締結する際に、GEと協力会社の間で長期間にわたって最低でも数回やり取り
されるのは、担当者としてはたまったものではなかった。

 最も厄介なのは、一度法務部門を通った契約書の条項を次の時に使おうとする
と、法務部門の担当者が変わる都度、一からやり直しのチェックが入る。時には
同じ担当者がチェックした場合でも、その時々によって内容が変わることも多い。
コンプライアンスやリーガルといいながら、担当者個人単位のその時点での判断
で行なわれているので、会社としての筋が通った方針らしきものが見えないのだ。

 もう一つ煩わしいことがあった。GEでは協力会社から一切贈り物を受け取る
ことを禁じている。しかし日本の商習慣ではお歳暮やお中元に菓子折り等を贈る
ことが少なくない。訪問して手渡された場合は断ることができるが、郵送で送ら
れてきた場合には送り返すことは面倒である。

 ある時、協力会社からお歳暮の缶ジュースの詰め合わせが送られてきた。皆で
飲もうかと思ったが、こんなことで始末書や処分されてはかなわない。念のため
法務部門にお伺いを立てた。法務担当者は即答できず、折り返しの返答があった。

 「社会通念上常識的な範囲であり、皆で分けて食べられるものであれば食べて
結構です」と。単なる一般論の回答だ。缶ジュースやお菓子ならよいが、分けら
れないものはどうなんだろう。年末のカレンダーはもらっていいのだろうか。親
が子供の行動を規制しているようで、自主判断に任せようとしない姿勢である。

 確かに、コンプライアンスやリーガル的な視点が欠けていたために失墜してい
る会社はこのところ少なくない。しかし、それは予めしっかりとしたポリシーを
示すことにより概ね解決することではないだろうか。また、無闇に恐れて契約の
条文の解釈ややりとりに不必要な時間をかけることも、避けられるのではないだ
ろうか。

 GEではしっかりとしたポリシーがなく、必要以上に弊害やリスクに敏感にな
りすぎている。特にGEの場合は、お客様を観たコンプライアンスではなく、自
らの会社を正当化して守るためだけの、上だけを観るだけのコンプライアンスな
のだ。こんなコンプライアンスが蔓延っているうちは決して本質は良くならない。

                     イナンシエイター 名誇礼恩

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