2009/11/08
144:世界のGEが日本のSONYを超えられない本当の理由
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『改定版:世界のGEが日本のSONYを超えられない本当の理由』
第三章 有名なGEバリューの本質を暴く
314.使うことが目的、何でもかんでもシックスシグマ
「クオリティ/エクセレンス」とは、「シックスシグマのマインドセットで全
てのプロセスにおけるエクセレンスを推し進め、クオリティ、顧客満足、競争に
打ち勝つための実績を促進する。」と、説明されている。
クオリティという言葉を使っているが、その骨子はシックスシグマ手法を用い
たGBプロジェクトを積極的に推進するということだ。積極的に推進すると書い
たが、実はCIOのキング・リーやサミュエルからは、「全ての仕事はシックス
シグマに従って行なうこと。シックスシグマに基づかない仕事は認めない。」と
命令されていた。
確かにシックスシグマ手法を勉強すると役に立つ。仕事を細かなプロセスに分
解し、そのプロセスごとにデータを収集し、主観によらずに客観的に分析し、原
因を究明し改善策を検討するのであるから、どのような仕事にも適用できそうな
普遍的な手法である。
しかし、落とし穴が二つある。一つ目は、シックスシグマ手法が適用できるの
は現状業務を改善する場合に限ること。新しいことを始める場合やコンセプトか
ら検討し直す業務にはあまり適していなかった。
二つ目は、シックスシグマの各プロセスやツールが必ずしもいろいろな業務に
そのまま適用できる訳ではないこと。概念的には納得できても、実際に適用する
となると、一部のツールは使えても、全体の流れとしてシックスシグマを使うこ
とは不適切なことも多かった。
しかし、キング・リーやサミュエルは全ての仕事にシックスシグマを使うこと
を命じていた。その第一歩はチームチャーターを提示することであった。チーム
チャーターというのは、プロジェクトの問題点、ゴール、期待する効果、プロジ
ェクトの範囲、マイルストンと呼ばれる大枠のターゲット、チーム構成、CTQ
とよばれる顧客の重要なリクエストを一枚のシートに記述したものである。
彼等の第一声は「チームチャーターは作ったか。チームチャーターを提示しな
さい。」ということだ。チームチャーターを提示しないと、どんなに業務をスム
ーズに進めていても認められず、逆にこれが提示されていればすっかり安心する
という構図である。
彼等にとっては、「シックスシグマを使うこと」が目的であった。本来、シッ
クスシグマはツールに過ぎないのであり、使うことが適していれば使う価値があ
るが、適していないことも多々ある。シックスシグマは「業務を改善しようとす
る場合、業務の問題点が不明確だったり、改善点が見つからない場合」に使用す
ると有効なツールであった。
従って、業務をゼロから考えていくケースは適さないことが多いし、問題点の
原因や改善点が容易に想定される場合にはあへてシックスシグマを使う必要はな
かった。しかし、シックスシグマを使うことが評価ポイントになっている彼等に
とっては、何でもかんでもシックスシグマを使うことを命じていた。
のこぎりで大根を切ることは適切ではない。包丁で木を切ることも適切ではな
い。こんなことは子供でも知っている。ツール=道具にはそれぞれの役割があり
、それを上手に使い分けなければ、ビジネスを成功に導くことは難しいのだ。
イナンシエイター 名誇礼恩
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