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2007/09/24

思わず納得!過去問から学ぶ「へえーっ」とわかる民法:債権総論22 同時履行の抗弁権

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━━━━━━━━━━━━━━━━  2007/9/24(第414号)━━━
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こんにちは。

イー・お助けドットコム 民法アドバイザーグループの篠田です。

今日は、同時履行の抗弁権について見ていきます。

それでは頑張っていきましょう!!

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■問題■
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●同時履行の抗弁権に関する次の記述中、正しいものを全て選べ。
(司書S61改)


1 同時履行の抗弁権が付着している債権であっても、これを自働
 債権として相殺することができる。

2 双務契約に基づく一方の債権が、第三者に譲渡された場合でも、
 債務者は、その債権の譲受人に対して同時履行の抗弁権を主張す
 ることができるが、双務契約に基づく一方の債務につき免責的引
 受をした者は、債権者に対して同時履行の抗弁権を主張すること
 ができない。

3 双務契約の当事者の一方が、相手方に対し、自己の債務の履行
 の提供をして履行を催告し、相手方がその履行をしなかった場合
 において、相手方の債務不履行を理由に契約を解除するには、更
 に履行の提供を継続することを要する。

4 当事者が同時履行の抗弁権を主張しない場合でも、裁判所は、
 当事者間の公平を考慮して、引換給付判決をすることができる。

5 未成年者が自己の締結した売買契約を能力の制限を理由に取り
 消した場合には、契約当事者の原状回復義務は、同時履行の関係
 に立つ。















■解答

5の肢のみが正しい。その他の肢は誤り。 


◎解説

★同時履行の抗弁権とは、双務契約の当事者の一方が、相手方にお
いてその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むこ
とができる権利のことです。(第533条参照)

★では、各肢について見ていきましょう。


1 誤り

☆2人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、
双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額につい
て相殺によってその債務を免れることができます。
ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りではありま
せん。(第505条第1項)

☆この但書における「性質上相殺に適さない債権」としては、次の
ものが挙げられます。

1.為す債務
2.不作為債務
3.自働債権に相手方の同時履行の抗弁権が付着している場合
4.自働債権が保証債権である場合に、保証人の催告の抗弁権・検索
 の抗弁権がある場合


☆この肢では上記3.が問われていますが、これが相殺に適さない債
権とされている理由としては、相殺権者の一方的な意思表示のみに
よって、相手方が同時履行の抗弁権を失ってしまう恐れがあり、そ
の結果、不利益になるからです。


2 誤り

☆債権を譲渡しましても、債権の中身については変更はありません
(同一性を保持)ので、債務者は譲受人に対して抗弁権を主張する
ことができます。

☆一方の免責的債務引受についても、債権譲渡の場合と同じで、債
権の同一性は保持されていますので、債務者は債権者に対して、抗
弁権を主張することができます。


3 誤り

☆双務契約の当事者の一方が、相手方に対して自己の債務の履行の
提供をしたが、相手方が債務の履行をしなかった場合において、そ
の当事者が契約を解除するためには、自己の債務の履行を継続する
必要はありません。(最判S35.6.22)

☆これは、このような場合にも履行の継続をさせることは、当事者
にとって負担が大きく酷であるためです。


4 誤り

☆判例では、当事者が同時履行の抗弁権を主張しない以上は、裁判
所が同時履行の抗弁権を考慮して、引換え給付判決をすることがで
きないとしています。(大判S12.10.29)

☆これは、当事者が同時履行の抗弁権を主張していない以上、裁判
所がこれを認定して、その上で判決をすることは、弁論主義に反す
るためです。


5 正しい

☆判例では、未成年者であることを理由とした売買契約の取消に関
する現状回復義務は、同時履行の関係にあるとしています。

☆これは、公平の原則から考えた場合でも、同時履行をさせるほう
がよいからです。

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     編集後記
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お疲れ様でした。

次回も、同時履行の抗弁権について確認していきます。

それでは、また次号でお会いしましょう。

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発行者:篠田  監修:堀江
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