最新医療情報292
診療マル秘裏話 Vol.292 平成21年6月30日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨
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目次
1) 適量の赤ワインが健康によい理由
2) 炭水化物の豊富な食品は欠陥内皮機能を障害する
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。
このメルマガは毎週木曜日に刊行しております。しかし
メルマガスタンド「まぐまぐ」さんの都合で本年7月2日
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1】 適量の赤ワインが健康によい理由
適量の赤ワインが健康によいことはすでに知られているが、
その理由がついに明らかにされました。ワインに含まれる
成分の1つ、レスベラトロール(resveratrol)と呼ばれる
ポリフェノールに疾患予防効果があることは以前から
わかっていましたが、その体内での作用機序については
これまで明確にされていませんでした。
「レスベラトロールの利益は極めて幅広く、癌(がん)予防、
心臓や脳の損傷からの保護、炎症などの加齢による疾患の
軽減、糖尿病および肥満の解消、他ににも多数ある」と、
研究著者の1人でオーストラリア、クイーンズランド大学
生物医科学部准教授のLindsay Brown氏は述べています。
今回の研究は、医学誌「Alcoholism: Clinical &
Experimental Research(アルコール中毒症:
臨床と実験研究)」オンライン版に6月10日掲載されました
(印刷版は9月号に掲載予定)。
Brown氏によると、レスベラトロールが効果を発揮する機序
として以下のことが考えられるということです:
・高用量のレスベラトロールは、アポトーシス(プログラム
された細胞死)を増進することにより癌を予防します。
・低用量では、細胞保護を増進し、損傷を減らすことに
よって心臓の健康状態を改善します。
・活性酸素を体内から除去するのを助け、細胞への血液供給
を向上させます。
このほか、消化管および肝臓ではレスベラトロールの
ほとんどが不活性化されていることから、レスベラトロール
が血流内に吸収される機序についても研究中です。
同大学のStephen Taylor氏は「興味深いことに、
(赤ワインを)すぐに飲み込まずにゆっくりと口腔内の粘膜
を通して吸収されると、血中濃度が100倍になることがある」
と述べています。
ワインは前財務大臣のように「ごっくん」しないほうが
いい。笑
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2】 炭水化物の豊富な食品は欠陥内皮機能を障害する
血糖値を上昇させる炭水化物の豊富な食品(コーンフレーク
や精白パンなど)を摂取すると、血管内皮機能が障害され、
心血管疾患のリスクが増大することが新しい研究で示され
ました。また、別の研究では食事の炭水化物を減らすと
満腹感が増し、食事量が減ることも明らかにされました。
イスラエルの研究グループによる第1の研究では、健康だが
過体重または肥満の35〜60歳の男女56人(全員、糖尿病歴、
心血管疾患による入院歴なし)を対象に、一晩絶食した翌朝、
ブドウ糖、コーンフレーク、高繊維シリアル、水
(血糖インデックス [GI] の高い順)のうちいずれかを
摂取してもらい、その前後に上腕動脈FMD
(flow-mediated dilation: 血流遮断前と遮断再開後の
血管内径の変化を超音波で計測)と呼ばれる方法で
血管の内皮機能を評価するとともに、血糖値を測定しました。
各被験者について、期間を空けた4日間で、4種類すべての
食事内容での測定が行われました。
その結果、摂取前および摂取2時間後には血糖値に差は
みられませんでしたが、高GI食の摂取後30〜90分では血糖値が
高いという結果がでました。FMDはどの群でも摂取後2時間低下
しましたが、高GI食では特に顕著な低下がみられました。
このことから、高GI食によって血管内皮機能が障害される
と考えられ、健康のためにはGIの低い炭水化物(オートミール、
果物や野菜、豆類、ナッツ類など)を摂取するほうがよいと、
著者の1人であるテルアビブ大学のMichael Shechter博士は
述べています。この研究は、米国心臓病学会誌「Journal of
the American College of Cardiology」6月16日号に掲載
されました。
第2の研究では、米アラバマ大学(バーミングハム)栄養
科学教授のBarbara Gower氏率いる研究チームが、食事の
炭水化物を少し減らすことによって食後の満腹感が増加するか
どうかを検討しました。1日のカロリーの55%を糖、でんぷん
および食物繊維などの炭水化物から摂取する米国人の典型的な
食事を「対照」とし、もう一方の群はカロリーの43%を
炭水化物から摂取する食事を摂りました。満腹感への影響が
大きい蛋白(たんぱく)質は両群とも同量としたが、
低炭水化物食では差を補うため脂肪をやや多くしました。
1カ月後、炭水化物を少なめにした食事を摂った16人は、
対照群の14人に比べて血中インスリン値が低く、血糖値が
安定しており、食後の満腹感が長時間持続していました。
満腹感が持続すれば間食や食事の量が減ると考えられる
ことから、「長い目でみれば、持続的に炭水化物の摂取を
控えることは減量にも有用であると考えられる」と
Gower氏は述べています。この研究は、ワシントンD.C.で
開催された米国内分泌学会(ENDO)年次集会で発表されました。
炭水化物の摂取は、ダイエットには拙守となる。笑
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編集後記
少量のワインを口の粘膜から吸収させると血中濃度
が100倍になるとは知りませんでした。私はアルコール
は飲めませんが、ワイン党の方は飲み方に注意された
ほうがよいでしょう。低GI値の炭水化物を摂ったり、
炭水化物の摂取量を減らすと健康によいということ
が科学的に明らかになったのは、素晴らしい業績でしょう。
糖尿病や肥満の治療に低インシュリンダイエットは有効で
あることが実証されました。
友好な関係は生涯有効です。笑
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