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2008/01/11

海外ファンドで資産を作ろう! 第百十四回

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『 海外ファンドで資産を作ろう! 』
 
  執筆:国際フィナンシャルコンサルタント
     海外ファンドアドバイザー     荒川 雄一
 

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         ○ご挨拶 :http://www.ifa-japan.co.jp/about/policy01.php

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    ■ 第114回 「2008年のマーケット・金融動向」
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皆さん、こんにちは。
国際フィナンシャルコンサルタントの荒川 雄一です。

新年明けましておめでとうございます!

本年も宜しくお願い致します。


さて、皆さんいよいよ2008年(平成20年)の幕開けとなりました。
年末年始は、いかが過ごされましたでしょうか?


「平成20年」といえば、平成元年生まれの人も、何と今年で成人です
(当たり前ですが・・・苦笑)

しかし、時の流れは早いものです。「平成」になった日のことはよく覚えて
いるので。。。



さてさて、一方マーケットに目を向けると、今年は“波乱の幕開け”となりました。

今年の初ブログにも書きましたが、株式市場は「大発会」で大幅な下げで始まり、
年末から年始にかけては「急激な円高」、そして「原油」も「金」も大高騰となって
います。


まさに今年のマーケットの“大波乱”を、占うような年初となりました。


様々な分野で“歪”が顕在化している日本ですが、今年は特に、日本の将来の方向
性を決める重要な年となることでしょう。


今回は、年頭に当たり、再度私なりに今年のマーケット・金融動向の“分析”を
してみたいと思います。


毎年と言っていいほど、様々なメディア(新聞、テレビなど)は、年初に、
その年の経済成長率や株価、為替相場などを予測するものです
(ほとんど当たらないことが多いですが・・・冷汗)。。


そして、その中の一つとして出てくるのが、“アノマリー”です。

“アノマリー”とは、過去の出来事から生まれる「経験則」のことをいいます。


では、最初に2008年の株式相場のアノマリーを見てみましょう。

今年は、十二支でいうと「子年」になります。日経平均の算出が始まってから
以降の騰落率でみると、実は一番平均上昇率が高いのが「子年」なのです。


1950年以降、過去4回の上昇率の平均は、40.3%にまで達しています。
(ということは、年末の日経平均は21000円以上に!???)

また、今年はアメリカ大統領選挙の年です。


こちらも、1950年以降でみると、アメリカ大統領選があった年の日経平均の上昇
確率は、70%以上(14回中10回)と非常に高い数値となっています。


さて、この通り今年は株高になるのか!??????



いうまでもなく、株価は「投資家心理」によって、大きく動きが変わります。
従って、この過去の“アノマリー”を全く軽視することはできません。



しかしながら、現実のマーケットをみると、この「経験則」に頼って、
「今年は大丈夫!」と言っていられない厳しい状況といえます。


最終的には、皆さんの判断次第ですが・・・



それでは、ただ「予測」をしていても仕方がないので、コンサルタントらしく
実際に起こっている「事実」から、“分析”をしてみたいと思います。




1.昨年から起こっている事実

昨年の大きな転換点は、やはりアメリカで起こった“サブプライム問題”である
といえるでしょう。

では、具体的にどのようなことが起こり、世界経済にどのような影響を及ぼした
のか(及ぼしているのか)を、具体的にみていくこととしましょう。



・“サブプライム問題”により、世界の金融市場において、「信用収縮」が発生。

・結果、今まで「資金」の出し手であった大手金融機関に対しての「評価損」が
  発生。しかしいくらの損失が発生しているのかわからず、更なる「不安」が
  マーケットを席巻。

・世界の損失はすでに10兆円を超えており、全体では30兆円超といわれているが、
  実のところは40兆なのか50兆になるのかは、まだわからない。

・救いの手を差し伸べたのは、300兆円以上あるといわれる中東、中国、ロシア
  などの政府系ファンド(SWF)。


・金融商品の保証を専門に行う「モノライン(金融保証会社)」の業績悪化から、
  モノライン自体の評価が下がることにより、保証している企業や金融商品自体の
  評価がさらに下がるという深刻な問題の発生。


・“サブプライム”問題の顕在化によって、「住宅価格の下落」「景気後退」
  などの影響が出始め、通常の「プライムローン」においても、返済が困難に
  なるケースが発生。


・上記のアメリカの景気減速(後退)懸念により、NYダウの大幅下落、そして
  米ドルの世界の主要通貨に対する為替の“実効レート”が、2002年に比較して
  30%以上下落し、米ドル離れが加速。


・“サブプライム”問題の発生により、買収ファンドなどの資金調達がうまく
    いかなくなり、好調だった世界のM&Aが4年半ぶりに減少に転じる。


・リスクを嫌った投機資金が、株式市場から一気に、よりマーケットの小さい
  商品市場に流入したことにより、原油や金といった「商品価格」が大幅な急騰。


  などなど、様々な出来事が発生しました。




一方、日本の国内はどうなっているかというと、

・長期、日本の株価低迷。相対的に見ても、日本のマーケットは落ち込みは大きい。
 今まで株価を支えてきた外国人投資家並びに個人投資家が「日本株離れ」を
 起こし、更なる下げとなっている。昨年の株式の売り越し額は2兆円超で、
 過去10年で最大。


・「円キャリートレード」の巻き返しなどもあって、急激な「円高(ドル安)」。

・「円高」により、今まで日本経済を支えてきた輸出関連企業の業績悪化懸念。
   税収減による日本の財政に影響が懸念される(税収見込53.5兆円に陰り)。


・昨年9月末の個人の金融資産は1535兆円となり、6月末より20兆円程度目減り。

・日本の債券売買高が、昨年初めて1京円を突破。世界的信用収縮により、
  短期資金の調達ニーズが上昇。


・以前は先進7カ国中1位だった日本の一人あたりのGDPが、2006年ついにOECD加盟国
  中18位に低下。世界の外貨準備高の「円」のシェアも、イギリスポンドに
  抜かれ、4位に後退。


 と、国内は更に「さえない状況」となっているのが現状です。



では次に、実際に起こっているこれら「事実」から、今後、世界の金融マーケット、
そして日本国内の経済・金融はどのように動いていくのか考えてみたいと思います。




2.2008年のマーケット・金融動向


まず世界的に起こることとしては、アメリカの景気後退は避けて通れないといえる
でしょう。


もともと「パンパン」だったアメリカ経済において、住宅バブルは誰が見ても異常
な状態でした(個人的には、この数年アメリカマーケットに投資する個別ファンドは
買っていません)。


しかしながら、“サブプライム”という新手のローンが現れたことによって、
アメリカ自体が「調整局面」を失ってしまったことが、今回の“痛手”を大きく
してしまった最大の原因といえるでしょう。


従って、膨らんだものが大きかった分、この“つけ”を返すには、それ相応の時間
が必要です。
(ただ、米国の場合トップマネジメントが早いので、日本のようにだらだら対応が
  遅れることは少ないと思いますが・・・)。


さらに今回のケースで、一番怖いのは、いまだ「損失が確定していない」という
ことです。


しかも、上述したアメリカの金融保証会社(モノライン)の評価引き下げによって、
保証先企業の資金調達に影響が出るとともに、金融商品の評価の更なる引き下げに
つながる可能性があります。


また、景気後退による住宅価格の評価が下がることによって、プライムローンや
その他住宅資産を担保としたローンなどへの影響も出始めているからです。


これら「信用収縮」により、世界的な金融動向にも大きく影響が出ています。

一昨年好調だった買収ファンドやM&Aの動きが、お金の出し手である金融機関の
「信用収縮」により、全く息をひそめてしまいました。


そして、その代りに台頭してきたのが、政府系ファンドです(SWF)。

事実、今回のシティやモルガンスタンレー、メリルリンチといった世界をリード
してきたアメリカ大手金融機関に、政府系ファンドが出資をしなければ、さらに
問題は深刻化していたのは間違いありません。


そのような意味においても、潤沢な資金をもつこの「政府系ファンド」の動きには、
注視が必要といえるでしょう。



ちなみに、政府系ファンドとは、中東のオイルマネーや中国をはじめとする振興
著しい国の外貨準備金などの運用を行うファンドの総称をこのように呼んでいます。



主な政府系ファンドとしては、


  ファンドと国名              推定資産

アブダビ投資庁(アラブ首長国連邦)      8750億ドル
政府年金基金(ノルウェー)          3412億ドル
政府投資公社(シンガポール)         3300億ドル
クウェート投資庁               2500億ドル
中国投資有限責任公司             2000億ドル
安定化資金(ロシア)             1275億ドル


などとなっています。



さて、ここでしっかり押さえておかなければならないことは、上記の国に、
いわゆる昔からの「先進国」は含まれていないということです。

アラブ諸国やいわゆる「新興国」といわれている国々が、その資源や経済成長を
背景に、潤沢な資金をもつようになり、今まで世界経済をリードしてきた先進国
の金融機関をはじめとした様々な企業に、“直接投資”をする時代となってきたの
です。


これは、大変重要な「ターニングポイント」です。


これからの「お金」の“流れ方”の変化を表している象徴的な出来事といえます。



そして、もうひとつ大きな資金の“流れの変化”があります。


それは、これら政府系ファンドのみならず、年金基金やヘッジファンドなどの資金
の行く先です。


それは、どこか!?




「んーーーーーーーーーーーーー」




この年末年始の新聞紙上をにぎわせているマーケットです。



そう、「商品市場」です。


以前から、メルマガやブログに書いておりますが、株式市場に比べまだまだ
小さな商品市場に、実需の数百倍の資金が一気に流れ込んでいます。


この動きが、これからますます実体経済へ大きな影響を及ぼすことになるでしょう。


今年一年は特に、この「商品市場」からも目が離せない展開といえます。



さて、このように大きく“マネーシフト”している世界経済ですが、
「日本人」にとっては、国内金融・経済はもっと深刻です。



いまや、世界の金融関係者、市場参加者から見放された“マーケット”と言えます。



昨年の主要株式市場の騰落率をみると、如実に変化が表れています。

国名       騰落率 

中国       95.5%
インド      45.5%
ブラジル     40.5%
韓国       33.0%
ドイツ      20.3%
南アフリカ    18.7%
米国        7.1%
カナダ       5.8%
英国        3.0%
フランス      0.2%
日本      −11.1%


いかがでしょうか?


上位には、基本的に私も注目している「エマージング系」の国々が入っているのは
納得のいくところですが、“サブプライム”の顕在化した米国であっても、
マーケットは7%の上昇となっています。


日経平均が、年末終値が前年末を下回ったのは、5年ぶりのことです。


よく私もメルマガに書いていますが、


「上がったものは下がり、下がったものは上がる」


これは、投資の鉄則です。


しかし、果たして日本マーケットは復活するのでしょうか!?

正直、今のままでは私は懐疑的です。

単純に、アノマリーやテクニカル的な側面の問題だけではないと思うからです。



ここ数年、先進国の中では「割安感」が高かった「日本市場」だったため、
昨年までは外国人投資家が、かなり日本マーケットに資金投下をしていました。


が、いまやその“潮目”は変わって、より投資効率の良いエマージング市場や
商品市場にお金は流れています。


また、前述のごとく、日本の個人投資家も、長引く相場低迷に嫌気をさして、
海外金融商品へ資金をシフトしていることが統計的数値にも現れています
(まさに、私の仕事の出番ですが、日本の国を考えると・・・深刻ですね)。


ここにきて、米ドル安によって、表面上は「円高」となり、輸出企業の業績悪化
懸念が出るなか、ますます日本のマーケットの魅力はなくなってきています。


では、原因はどこにあるのか?



答えは難しくはありません。



それは、日本の「国力」が低下しているからです。


その結果、衰退してきている国の「通貨」も、見放されてきているといえます。


要は、「魅力」がないということです。


このことは、一人あたりのGDPの低下、企業業績の割に伸びない国民所得、
主要各国の外貨準備通貨シェアの4位への後退、そしてなんといっても世界一の
財政赤字国家が、物語っているといえます。


これでは、どうみても「魅力的」な投資先とは言えないわけです。
(正直、私自身国内の株式投資をしていない理由もこの辺りにあるのですが・・)


では、どうしたら日本に「お金」の流れを向けることができるのか!?


この答えも、至って単純明快です!





「・・・・・・・・」





「強い国になることです」



別の言い方をすれば、


「強い通貨に引き戻す」


これ以外、方法はないのではないかと思います。



これは、今のようなドル安による結果「表面上の円高」という意味ではありません。

「円」の実効レートは、今や昔に逆戻りし、「円」は国際的に弱い通貨となって
います。


もっと、具体的にいえば、円が強い時代は、

「老後は、ヨーロッパやオーストラリアでゆっくり余生を楽しむ」

なんて、ことが言われていました。


それは、日本より物価が安かったからです。

しかし、それも今や遠い「夢物語」です。


実際に、暮らしている方たちも、急激な「円安」に見舞われ、泣くなく帰国して
きている人たちもいるようです。。


このままいくと、将来日本は、今の新興国の人たちの「余生を過ごす場所」に
なりかねないでしょう。


最近ヨーロッパに行った方(私も去年行きましたが)は、実感として「円」の弱さ
を感じたはずです。

また、最近の地方の観光地に来る外国人の多さ、「お金遣いの良さ」をみると、
益々「円」の弱さを実感するのではないでしょうか。


では、どうやって、「強い円」にするのか!?


これは、政治的リーダーシップや金融マーケットの在り方自体に関係してくる
問題なので、また折にふれて、ご紹介していきたいと思います。



さて、ここで問題なのは、では個人投資家としては、どのように対応すればいいか
ということです。



今日の話のまとめとして、私は次の2つのことが、必ず起こってくると思っています。


1.世界の金融マーケットの投資(投機)の資金量は増加し、投資先も多様化
    していく。
  結果、資金のシフト(あし)も早く、
    マーケットの価格変動性(ボラティリティ)はますます高まっていく。


2.その中において、日本国、並びに日本市場はますます魅力が薄れていく。
  結果、「円」の危機は徐々に顕在化していく。


さて、では、果たして私たちはどのような対策を考えていかなければ
ならないのでしょうか?



「結論」



昨年末から、様々なところでお話もしていますが、答えはまさに
「国際分散投資の実践」しかないというのが、私の結論です。


上述のように、この1年の国のかじ取りは、これからの日本を左右するような
重要な年となりますが、個人投資家(生活者)にとっては、ここで投資スタイルを
誤ってしまうと、日本政府のかじ取りが失敗に終わった時に、大半の財産を失うこと
となりかねません。


私は日ごろから、あまり“オーバートーク”は好きではないので、ここまで書くこと
は少ないのですが、そのくらい“危機感”を持たれたほうが良い時期になっている
といえます。

「国家論」や「財政問題」は、ここではふれませんが、具体的な個人投資家と
しての「立ち位置」はっきりさせておく必要があるでしょう!


そして次に問題となるのは、この「国際分散投資」の方法、そして中身です。


正直、私の立場から見たときに、本当に「国際分散投資!?」と思わざる得ない
運用をされている方を、時として見かけることがあるからです。



この方法論を間違えてしまっては、折角「国際分散投資」を行っても、全く意味が
ありません。


特に、ファンドを用いた「ポートフォリオ運用」に限って言えば、最終的には
どのようなファンドを組み入れるのかが、最重要ポイントだからです。


次回は、ぜひこの「国際分散投資」の具体的な考え方や方法論について、
お話ししたいと思います。



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それでは、今日はここまで。

また、次回をお楽しみに!!



(次回は、1月25日の発行予定です)





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