フィリピン駐在員マガジン:フィリピン人の傾向と対策  RSSを登録する

フィリピン人とは何なのか!?フィリピン駐在アウトソーシング歴のべ8年の経験から『フィリピン人の傾向と対策』について論じる。

  • 発行周期 気が向いたとき
  • 最新号 2009/03/25
  • 部数 602部
  • メルマガID 0000120137
  • 個別ページ
現在休刊中です    
解除

規約に同意して

2007/02/01

2007/02/01 フィリピン人の傾向と対策 105号『現金爆弾』

『現金爆弾』


●フィリピン人の従業員が、海外へ行こうと考えるきっかけは基本的に2つし
かない。

1:結婚式をあげる

2:家を買う

どれくらいのお金がいるかというと、どちらの場合も20万〜30万ペソくらいで
ある。

20万ペソあれば、教会での結婚式を挙げられる。お客さんもたくさん呼べる。

住宅のほうは、普通、仕上げ無しの状態で買って、お金があるときに徐々に仕
上げを加えていくのがフィリピンスタイルだ。だから、最初は外壁の塗装もな
いし、寝室の床がコンクリートのままだったりする。
20万ペソに、親戚から集めたお金を足せば、何とか土地付きの家を手に入れら
れる。

この20万ペソ欲しさに、海外へ行ってしまう。

私はこのことで、非常に悔しい思いを何度もしてきた。

20万ペソくらいだったら、なんとかしてやれるとずっと心の中で思ってきた。


●どのフィリピン人も基本的にフィリピンで家族と暮らしたい、と思っている。
映画『ドバイ』で描かれている状況は、正しい。

こんなに政治が腐っていて、賃金が安くて、交通が不便な国だけれども、「故
郷」というものを簡単に捨てるような国民ではない。


●従業員を自分の会社にとどめておく方法として、私が何年間も考えている方
法は次のようなものだ。

1:まとまったお金を貸して、給料から返済

2:一年分給料一括払い。(あるいは、50%を一括払い)

さらにやるなら、

3:税金がかからないよう、茶封筒に現金
	(ただしこれをやると、経費から引けないので、自分のポケット	
から出すことになる。)


●お金を会社から貸すのも、一括払いするのも結局は同じなのだけど、受け取
る方からみると、かなりの差がある。

借りた場合は、「返済するために会社にいる。返済が終わったら、海外に行く
こうかな」となる。

1年分の給料50%一括払いを受けた場合は、毎月の給料は減るけれども、「返
済」という感覚はない。
「給料は減ったけど、俺は現金先払いでもらったからいいもんね!」となる。


●海外に行くのを引き止めたい、と思うくらいのスタッフは、普通、リーダー
クラスだ。

会社に勤めた期間が3年とか4年、月給25000ペソ以上の者だろう。

すると、半額を一括払いしたとして、15万ペソ。なかなかいい数字だ。


●さらに過激に、

・リーダークラスは全員契約更改時に、受け取り方を自由に設定できる。
 (30%一括受け取りでも、半額一括払いでも可)

・一括払い分は、茶封筒(社長のポケットあるいは裏金から払う)

・ただし契約は1年契約で、次の年も勤務するかどうか、年度末に話し合う。


●なぜリーダーを1年契約にしてしまうかというと、理由がある。

リーダーはずっとバリバリ働いてもらいたい、と思う反面、「毎年給料をアッ
プさせて、喜ばせ続ける」ことが非常に難しい。

たとえば、30000ペソもらっている優秀なリーダーがいたとする。
他の一般スタッフが毎年10%昇給しているとする。
リーダーも毎年10%ずつ上げていくと、3年後には40000ペソだ。
かといって、「もうあなたの給料は頭打ちですから、あんまり上がりません」
なんて、口が裂けてもいえない。でも実際は、40000ペソを超えてしまうと、
経営的にはつらいものがある。

だから昇給とは別のインセンティブとして、「現金爆弾」だ。


●いろいろ問題もあるが、もしこの方法が実現できたとすると、私の予想では、
海外へ行くリーダーは完全にいなくなる。それくらいのインパクトがある。

毎年毎年、「あと1年ここで働きます」という書類にサインしさえすれば、15
万ペソの現金の束を手に入れられるとしたら、海外渡航なんて面倒くさいこと
なんて考えなくなる。

逆に、会社側はリーダーのパフォーマンスが落ちれば契約を更改しなければよ
いだけなので、リーダー側も高いパフォーマンスを強いられる。(プロ野球と
同じだ)


●日本人なら会社にずっといることさえできれば、そこそこの人生設計はでき
るけれども、フィリピンでは給与水準が非常に低いため、普通に会社勤めをし
ているだけでは、人生設計は不可能である。

まとまった現金なくして、将来設計というのはありえない。

まとまった現金をどうにかして与えると言うのは、人生設計をさせるチャンス
を与えるということと同等であり、それは夢を与えることに等しい。

フィリピン人は金をくれるリーダーを求めているのではなく、夢やビジョンを
与えてくれるリーダーを待ち望んでいる。


現在休刊中です
解除

規約に同意して

最近の記事

上へ戻る