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2009/11/30

【第225号】漫画本エッセイ「電影少女」

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 漫画本エッセイ
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 第225号
 2009.11.30発行
***********


「電影少女」


集英社文庫 全9巻

作者:桂正和
出版社:集英社
初出時期:1989年(週刊少年ジャンプ)
分野:少年マンガ
ジャンル:恋愛・SF
内容:さみしい男の子を慰めるために、現実の世界に「再生」された電影少女。
青少年たちの恋のバイブル的作品。

◆
高校生の恋愛モノですが、
ちょっとSFチックなシチュエーションで展開します。
現実の女の子でないというところは、よくあるもので、
サブタイトルにもある「VIDEO GIRL」からもわかるように、
女の子がVHSビデオから現れるというところです。

今や動画はDVD、さらにブルーレイというデジタルの時代ですが、
この作品が始まった80年代終わりという時代をあらわすのが、
当時はアナログのVHSビデオというものがようやく普及したころでした。
そのビデオの普及とともに、
青少年の男子はアダルトビデオという媒体には、
思いっきりドキドキしていたことでした。

そんなビデオから現実の世界に「再生」してきた女の子は、
さみしい男の子を慰めるために現れたという突拍子のないものなのですが、
高校生の男子、女子の想いが、けっこう切なく描かれています。
時代は少々古い作品なわけですが、
高校時代の男子、女子にとっては、
その気持ちは非常に共感できる内容だと思います。

◆
この作品は、桂正和氏の初の本格恋愛漫画となるわけですが、
ありがちな恋愛漫画を避けたいと思っていた作者は、
「細かくリアルに心理描写を描き出す」という方法をとっていたようです。
その結果、こうした心理描写を「少女漫画顔負け」などとも評され、
少年誌初の「恋愛漫画」と評価もされているようです。
しかし元来ヒーロー物やSFを好んでいた作者は、
やはりSFチックな内容がこの作品にも盛り込まれたようです。

◆
この作品は、桂正和氏のそれまでの絵柄から、
だいぶリアリティのある絵柄に変わりました。
それは、『電影少女』の連載前に入院してしまったことが転機になったようです。
そしてそのリアリティのある絵柄は、少年誌的な制約の中で、
「裸を出さずにエッチに描く」ことを目指した作者は、
際どく、よりリアリティのある描写を目指していくことになり、
一部では有害図書指定にされたところもあったようです。
しかしその作風は、よりコアなファンをつかんだようです。

◆
1991年には実写映画化、ラジオドラマ化され、
1992年にはOVAが販売されました。
1999年には恋愛シミュレーションゲームにもなり、
様々なメディアミックス展開が行われました。

(まんじん)

* * *

今号はここまでです。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
では、また次回の配信をお楽しみに。

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発  行:浪漫人(ロジン&まんじん)
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