2009/02/23
【第216号】漫画本エッセイ「トトの世界」
*********************************** ◆◆◆漫画本エッセイ◆◆◆ 第216号 2009.2.23発行 *********************************** 「トトの世界」 双葉文庫 全3巻 作者:さそうあきら 出版社:双葉社 初出時期:1999年(漫画アクション) 分野:青年マンガ ジャンル:ヒューマン・サスペンス 内容:生まれてから15年間、名も無く、愛も言葉も知らずに生きてきた少年に よって、人間の根源的な問いを解き明かしていく名作。 ◆猟奇殺人犯によって外界から閉ざされたまま、名前も無く、言葉も知らずに、 犬とともに育てられた野生児が、この物語の主人公となります。マンガという フィクションの世界であっても、この作品は少々精神的にキツイ場面と内容が あるので、少年少女や、そういった内容に耐えられない方などは、ちょっとお 勧めできないかもしれません。しかし猟奇的な内容はありますが、それだけで はありません。人間を人間たらしめているものは何か、そんな人間の本質を垣 間見ることができる作品だと思います。 ◆「言葉の世界で地獄を見ろ」。この言葉から物語は展開していきます。主人 公の野生児には「トト」という名前がつけられ、笑うことを覚え、言葉を覚え、 物に名前があることを知り、少しずつ人間として成長していきます。そいった 進展の中にも、トトが何者かに命を狙われるという、サスペンス的な内容もあ り、そいった部分でも楽しめる作品となっています。 ◆地球上の生物で、唯一人間だけが持つ言葉。この言葉がこの作品のテーマに なっていると思います。言葉は人と人とがコミュニケーションをとるための大 事なものですが、時にはその言葉によって傷つき、傷つけられたりもします。 「言葉の暴力」というものもあります。この作品を読んで、人間だけに与えら れた言葉というものがどういうものか、考えてみることができると思います。 ◆実際にも野生児の例はいくつかありますが、いずれも保護されてから人間ら しくするための教育が行われても、完全に人間らしさを取り戻した事例は少な いようです。1725年に北ドイツのハーメルン付近の森で見つけられ、およそ12 歳で裸で四つんばいになって歩いていた「野生児ピーター」、1920年にインド のミドナプール付近で狼とともに発見された2人の少女「アマラとカマラ」な どが有名です。映画の「ターザン」や「もののけ姫」も、動物に育てられたと いう点では、野生児と言えるのかもしれません。 ◆2001年にNHKで実写版が放送されました。原作とは少々離れているようで す。手塚治虫文化賞マンガ優秀賞、文化庁メディア芸術祭優秀賞作家を受賞し ています。(まんじん) *********************************** 今号はここまでです。いつもご愛読いただきありがとうございます。 では、また次回の配信をお楽しみに。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■「トトの世界」関連商品ご紹介コーナーはコチラからどうぞ■ http://www.gw-d.com/manga/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★内容に対する感想、ご意見、質問などは E-mail :info@gw-d.com ★配信の中止や再開、バックナンバーの閲覧などは、 http://www.mag2.com/m/0000120074.htm まで。 ※当方は、当メールマガジンで取り上げている作品、作者、出版社等とは一切 関係ありません。また、本文はあくまで管理人の主観的な感想です。 *********************************** 発 行:浪漫人(ロジン&まんじん) Copyright(C) 2003-2009 ROMANJIN All right reserved. 漫画本エッセイに掲載された内容を許可無く転載することを禁じます。 ***********************************


