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2008/06/30

【第208号】漫画本エッセイ「陽だまりの樹」

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 ◆◆◆漫画本エッセイ◆◆◆         第208号 2008.6.30発行

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「陽だまりの樹」 ビッグコミックス 全11巻

作者:手塚治虫
出版社:小学館
初出時期:1981年(ビッグコミック)
分野:青年マンガ
ジャンル:時代・幕末
内容:江戸時代から明治時代へと、激動の時代を手塚ワールドでドラマチック
に引き込んでくれる時代劇物の傑作。

◆江戸時代末期、1855年の安政2年から始まる、幕末を舞台にした物語です。
1853年にアメリカのペリー艦隊が来航しました。この辺りから幕府は混乱し、
激動の幕末の幕開けとなっていきます。当然、実在の人物も登場してきます。
その中でもこの物語の主人公となるひとり、手塚良庵も実在した人物ですが、
これがなんと、実際に手塚治虫氏の曽祖父に当たる人物なのだそうです。手塚
良庵は適塾で蘭学を学んだ医師で、1857年に東京に種痘館を設立したグループ
の一人でもあったそうです。これは現在の東京大学医学部の前身なのだそうで
す。手塚治虫氏が医学部に進んだのも、血筋だったと言うことでしょうか。

◆女癖の悪い医師と堅物の武士という、対照的な二人の視点から、幕末の動乱
で生きていく人たちを二人を対比させながら描かれています。歴史上の実在の
人物が多数登場してきますが、歴史の事実に基づいている緻密なストーリー展
開なので、この時代の歴史の勉強にも大いに役立つと思います。しかしそこは
手塚作品、堅苦しい歴史物にはとどまらず、ドラマチックな展開で最後までぐ
いぐい引き込んでくれます。

◆手塚治虫氏にしては、劇画タッチな感じの絵柄で細かく書き込まれています。
この作品を描いている当時、大友克洋氏の『AKIRA』の登場に、刺激を受
けたと言われています。そして大友克洋氏が影響を受けたフランスのジャン・
ジロー(メビウス)のタッチをこの作品で取り入れたのだそうです。メビウス
の絵を見ると、なるほど納得という感じです。

◆1992年に中井貴一、段田安則主演で舞台化されました。2000年には日本テレ
ビ系でアニメ放映されました。中井貴一がナレーションをしていました。
(まんじん)

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今号はここまでです。いつもご愛読いただきありがとうございます。
では、また次回の配信をお楽しみに。

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発  行:浪漫人(ロジン&まんじん)
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