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2009/02/19

はかせ塾/パラダイムシフト?


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おはようございます。みやざきです。



今年の神奈川県の公立高校の倍率、
去年より何割も高くなりました。

おそらく昨年から突入した製造業不況の影響なんでしょう。

ここ数年は、私立が人気でしたが、
そうもいっておられなくなったのでしょう。

神奈川は日産を始めメーカーが多いので、
影響をもろに受けているということかもしれません。



ただ、100年に一度の不況といわれていますが、
私はパラダイムシフト(大きな枠組みの変化)の
一環だと思っています。


簡単に言うと、

製造業中心の経済 → サービス業中心の経済(情報化)

ですね。


だから昨年末、
所謂(いわゆる)「派遣切り」が問題になっていましたが、
切られた彼らの再就職は難しいだろうな、と思っていました。

※年末に書いた記事↓
http://gyomu-yo.net/cat55/post-4.html

というのも、サービス業と製造業は、全く違う職種ですし、
さらにサービス業の方が、かなり低賃金だからです。




今回は大学受験とは直接関係ありませんが、
今から大学へ行く人が卒業する頃の話を書いておきましょう。





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★ 今の学生が卒業するころの社会は、どうなっているか?
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とうとう本格化し始めた脱工業化のパラダイムシフト。

これは80年代からたびたび議論されてきたことですが、
とうとう本格的な変化が顕在化してきたようです。



未来学者のアルビン・トフラーは「第三の波」という著書で、

・農業による人類社会の大変化(第一の波:紀元前〜)
・工業・産業革命による人類社会の大変化(第二の波:18世紀〜)

という大変革の後に、脱工業化の大変化
「第三の波」が来ると予言しました。




脱工業化とは何か?というと、工業がなくなるということではなく、
工業中心の産業形態からそうでない経済に変化するということです。


つまり、

狩猟・採取中心の経済
→ 農業中心の経済
→ 工業中心の経済
→ サービス中心の経済(情報化)

というふうに、産業の中心が移っていくというわけなんですね。




なぜこういう風に中心が移っていくかというと、
技術が発展して人が余るからです。

つまり

  農業の生産技術が上がって生産性が高まる(イノヴェーション) 
→ 少人数で生産が可能になる
→ 農業で人が余る 
→ 商工業に人が流れ込み、発展する
→ 工業の生産技術が上がって生産性が高まる(イノヴェーション) 
→ 少人数で生産が可能になる
→ 商工業で人が余る
→ サービス業に人が流れ込み、発展する

というわけですね。

もちろんサービス業でも、イノヴェーションが起こっていて、
つまりそれがIT革命と呼ばれるものなんですが、
これが原因で人が余っても行く先はサービス業なので、
今回は省略して書いています。




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★ 農業や工業は、資本(土地・機械)を握っている人が強い
---------------

さて、パラダイムシフトが起こると、難民が大量にでます。

というのも環境が変わると
それに適応できない人が大勢出てくるからです。



昨年、小林多喜二氏のプロレタリア文学の
『蟹工船』がリバイバルヒットしましたね。

あの中で、なぜ労働者が船の中で
安い賃金でこき使われていたかというと、
農村で人余りになり、農村では食っていけなくて、
他に良い働き場がなかったからです。


農業生産が増える →人口が増える →人余りになる
→ 町に出て安い賃金で働かざるを得ない
→ 低賃金労働を前提とする商工業が発達



ところが農業や商工業というのは、
大きな資本(土地や機械)が必要な産業なので、
それを持っていた地主や工場経営者しか、
経営者になれなかったわけです。


そしてその一方で、低賃金でも働く労働者が山のようにいたので、
地主や工場経営者が労働者に対して圧倒的に有利になりました。

その結果、その強い立場を悪用した
因業(いんごう)地主や傲慢(ごうまん)経営者が
たくさん出てきたわけです。



特に戦前は、農業以外の産業が発達していなかった東北などでは、
悲惨な事件(小作争議)が多く発生しました。

農業以外に産業がない地域では、
どうしてもそういうことになりがちです。

そしてそれが暴動につながったり、
戦争につながったりするわけです(マルサスの人口論)。


こういうのを『分権化した労働市場』といいますが、
それもこれも農業や工業が
土地や機械(資本)を必要とする産業だったからですね。



---------------
※ちなみに今の中国の発展が、この段階です。

ただし中国は共産主義で土地はすべて国有ですので、
共産党政府や西側諸国の銀行にコネがあるというのが、
大きな資本になっているところが独特ですが。
---------------



そして当時の日本には、労働者の逃げ場所がなかった。

本当は、東京や西日本に行けば仕事はあったんですが、
東北の労働者はそういう環境変化を拒んだ。

だから悲惨になった。そこが問題だったわけです。


※興味があれば、私の農業のサイトを見てください。
『小作争議の西東』↓
http://hakase-jyuku.com/agri/category6/index.html



現在の状況は、それと状況がやや似ています。

派遣切りで仕事にあぶれた人は製造業の労働者ばかりです。

そして逃げ道(別の仕事)はたくさんあるにもかかわらず、
仕事を探さない。


彼らは、職種を変えれば食っていけるのに、
それに適応しようとしない。

だからこれはパラダイムシフトだな、と感じたわけです。




---------------
★ 日本の労働者の大半は、サービス業。
---------------

現在起こっているパラダイムシフトは、
工業→サービス業です。

つまり工業の生産性が高くなって、
工業から人が余り出しているんです。



今まで千人で作っていた自動車が百人でできるようになる。
あるいは輸出が減って、百人しかいらなくなってしまう。

つまり、900人余りますよね。

この人々をサービス業に転職させる、大きな力が生じているわけです。


ここ二十年くらいでも本当は人余りが生じていたんですが、
輸出が伸びていたせいで、人員削減は徐々にしか進みませんでした。

ところが昨年夏のリーマン・ショックから、
アメリカでの販売が急激に落ち込み、
輸出がほぼ0になってしまったわけです。

なので、人員の余剰がいっぺんに表面化してしまったわけです。


そしてこれからは、期間工・派遣工の契約解除のみならず、
正社員の労働契約の見直し圧力も大きくなるでしょう。

そして製造業のシェアが減って、サービス業中心の経済になる。

こういう流れです。



でもしかし、人数比でいうと
日本はとっくにもうサービス業中心になっているんです。

産業人口比率でいうと日本の産業は

第一次産業(農林水産業)が5%、
第二次産業(鉱工業)が25%、
第三次産業(サービス業)が70%弱

…ってことですから。


ところが国民の意識としては、大企業は製造業が多いもんですから、
労働者というと未だに製造業の労働者というイメージがある。

労働組合も自動車・電機メーカー中心に結成されているので、
そういう錯覚がある。

マスコミ報道が派遣切りを大々的に取り上げているのは、
客観的データに基づくと言うより、イメージによるものでしょう。


だけど日本の産業の大半は、すでにサービス業なんです。

だから製造業の派遣切りがニュースで大々的に報道された時、
名乗りを上げたのはタクシー会社とか介護会社とか、
そういったサービス業ばかりだったわけですね。




---------------
★ 派遣切りにあった人の再就職が進まないわけ
---------------

ところがそういうサービス業の求人に対して、
派遣切りにあった人は、殆ど応募しませんでした。

契約が突如打ち切られて、路頭に迷っているというのに、
なぜか彼らのためにせっかく用意された仕事に応募しない。

ハローワークでは、彼らのために住み込みの仕事を中心に
2000件あまりも求人票を用意して代々木まで出かけていったというのに、
150人前後しか相談にこないし、話もまとまらない。

派遣切りにあった人以外の求職者からみると、
とんでもない好待遇です。



その大きな原因はおそらく、用意された仕事の賃金が、
期間工や派遣工と比べると、はるかに低賃金だったからでしょうね。

どれくらい差があるかというと、3割から4割ダウン。
年収にすると、もしかすると半分くらいでしょうか。



今までと全く違った職種で、しかも収入は3分の2以下。
そういう仕事に好きでもないのに飛び込もうという人は、
なかなかいないでしょう。

本当にせっぱ詰まって、どんな仕事でもいいから仕事に就きたい!
…というような状態でないと、そういう事はできません。


だから、派遣切りにあった人の再就職が進まないってことは、
なんとなく予想できたわけです。






---------------
★ サービス業中心の経済は、低賃金経済
---------------

しかし、だんだんそうも言っておられなくなります。
お金がなくなり、借金の当てもなくなってくると、
働かざるを得なくなる。

こういうのを「飢餓の鞭(むち)」と言います。


しかしサービス業というのは、低賃金なんです。

理論上、サービス業の賃金というのは、
生存賃金に近づいていきますので、どうしてもそうなります。

なぜかというと、サービスというのはたいていの場合、
地域内でやりとりされる価値だからです。

製造業のように、日本で大量に造って
世界中に売るって訳にはいきません。

たとえば散髪屋さんは、その地域内に住んでいる人の髪しか
切れませんし、お店にきた人しか切れません。

また、たいていのサービス業が、
あまり大きな資本を必要としませんので、
散髪屋さんが儲かるなら散髪屋さんが増え、
一人あたり生活するのにぎりぎりの収入に落ち着くわけです。


実際、サービス業では、金融などのセクターでは高賃金ですが、
そのほかのサービス業は低賃金です。

たとえば日本最大の労働組合組織の『連合』が発表している
平均賃金のデータをみてもわかります。

http://tinyurl.com/dhqgnd

この表の『産業間比較指数』という表をみると、
全産業の平均賃金を100とした場合の、
各産業の平均賃金の高低がわかります。

表の見方は、100以上のセクターは高賃金で
100未満のセクターは低賃金ってことですね。



これでみると、電機や自動車などの製造業は軒並み100以上。
鉄道・電気・ガス・水道などは120以上もあります。

一方、スーパーをはじめとする小売業は、86。
社会福祉・介護サービスなどは、76。
タクシーなどの道路旅客運送業は、69。
飲食店なども、83です。


サービス業としては、銀行や証券などの金融関係、
それから広告業などが120以上あって突出していますが、
工業から余って出てきた労働人口は、
金融や広告業には流れ込めませんので、
結局社会全体の平均賃金は下がります。




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★ 日本は、低ランニングコスト社会に移行する
---------------

この流れは、数年後、もっと大きくなるでしょう。

というのも今までは、先進国の工業が衰退した分を
日本の工業が埋め合わせる形で造って儲けていました。

たとえばテレビやパソコン、DVDといった電化製品を、
アメリカの会社が作らなくなった代わりに
日本のメーカーが造って供給しました。

またアメリカの自動車会社が儲からないからと言って
造らなかった小型車を造って売って稼いでいたわけです。


ところが今や中国やインドといった巨大人口国が工業化して、
そういう儲け方ができなくなりつつあります。

他国の消費者のための産業は、だから衰退・縮小するでしょう。
そして、自国の消費者のための産業が発達するわけです。


医療・介護サービス、教育サービス、流通サービス、
コンサルティング(相談)サービス、情報サービス…


ただそうなると、給料は大幅に下がることになります。

さっきも書きましたが、サービス業の賃金率というのは、
経済理論上、生存賃金近くまで下がるもんですから、
月20万円以上もらえたら、御の字だと思ってください。

世界最大のスーパーのウォルマートでも、
店長クラスでも給料は、月35万円くらいだそうですから、
それ以上は期待できません。



これから大学進まれる方は、卒業後、
自分がどういう産業で飯を食うのか、
そしてどういう生活レベルで生きていくのか、
在学中に考えて準備しておかないと、大変ですよ。


5年たったら、日本は相当変わっているはずですから。




(つづく)


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さていよいよ、2次試験が迫ってきました。

受からないといけない人は、絶対受かってください。

1点でもたくさん点数を積み上げて、明るい春を迎えてください。

吉報を待っています。



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■□ 発行人:(み)宮崎 淳 E-mail:ga2a-myzk@asahi-net.or.jp
□□ 48歳のおじさん。現在横浜あたりで生きています。
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このメルマガ上で紹介させていただくことがございます。ご承知おき下さい。
 またこのメルマガの引用や私のHPへのリンクなどはご自由に行って下さっ
て結構です。引用するときは私のwebサイトも紹介していただければ幸いです。
 難関大学を目指すお友達にも、教えてあげてください。
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