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人材育成は組織にとって命です。その命を育むためのヒントをこの場で、あらゆる角度から提案していきます。人間としての生き方を問う基本から、時事的で身近な問題まで、人材育成に関する全情報を取り上げます。

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2007/10/12

人材育成の110番-人材を人財に変身!

人材育成の110番 ― 人材を人財に変身!

株式会社 総合経営センター流人材育成の考え方

第93回「品格と眼力(めじから)」 

●就職氷河期が嘘であったかのように、大学、高校の新卒者に求人が群がっていま
す。特に昨年から様相が一変しました。世の中の移り変わりの早さに驚かされます。

●季節の方はようやく秋。昨夜など、地下鉄を降りて自宅へ向かう間、後から西風
が首筋を通り抜けるたびに心地よい秋冷を感じました。つい一週間前まではミニタ
オルで首回りにふきでる汗をさかんに拭いていたのですが。夏の気だるさを季節が
連れ去った後は、しっかり読書などして、頭を鍛えねばいけませんね。これから年
の瀬まで情報収集に精を出しましょう。

●さて、苦労して採った金の卵ですが、その4割の人が入社半年で「辞めたい」と
言っているそうです。これは、人材サービス会社シェイクのインターネット調査で
す。全体の43.5%が「入社半年で会社を辞めたいと思った」。そして38.9%が「3
年以内に退職の予定」。

●これから新卒採用コストは上がっていく一方です。それゆえに入った人を辞めさ
せない施策を講ぜねばなりません。これほど簡単に辞めたいと言われてはいけませ
ん。企業にとっては面白くないデータですね。

●同調査では働く意欲を低下させている原因は「自分が成長している実感が持てな
い」(50.0%)「上司の指示、指導方法が不満」(41.7%)。特に上司への不信感
は強く、44.5%の新入社員が「上司との関係で悩みを抱えている」と回答している
そうです。

●つい先頃まで、先輩たちが就職活動に苦労していた実態を今の新卒者たちは知っ
ています。だから我が儘で会社や上司を批判しているのではありません。それを
「最近の若者は辛抱がたりない。われわれの新入社員の頃はみんなそれなりに根性
を持って耐えてきた」などと管理者、監督者が言っているようではおしまい。

●まずは管理者教育ありきです。管理者を鍛えていない企業は、これからの求人難
の時代に臍をかみますね。

●管理者・監督者は、新入社員に対して計画的にOJTを実施し、その場、その時
に的確な指示を出し、そして助言し、育成に情熱を持っているか。また新入社員か
ら尊敬されるような人間性を磨き上げているか。そのあたりに欠陥があると上司と
して失格ということになります。

●上司の多くが、バブル期に蝶よ花よと言われて採用された時期の人たちであると
問題の根は深いかも知れません。甘い採用基準、甘い社内教育の中で育ち、その上
自己啓発を怠ってきた人たちであるとすれば、それは論外です。

●バブル期に大量採用された人たちは、組織的な教育をほとんど受けないで加齢化
しました。その後の失われた10年間、企業が教育投資をおざなりにしたつけは、現
在もそうですが、将来暗い翳を落とすに違いありません。コストダウンの号令が一
番大切な教育投資にまで及んだことに問題があるのです。

●トヨタの場合は、奥田社長誕生以降、歴代の社長が教育投資の大切さを繰り返し
強調しているので、強い組織がますます強くなっているのです。企業が行う投資の
中で、教育投資は最も回収が確実な投資だとかつて奥田氏が言われました。

●人が育つのは簡単ではありません。根気よく粘り強く、計画的に、そして組織的
に教育をしていかないと、思うように人は育ちません。

●現在私が所属しています中小企業診断協会の本部でも「中小企業診断士人材育成
事業」を立ち上げております。中小企業診断士は、中小企業支援法に基づく経営コ
ンサルタントの唯一の国家資格で、簡単に取れる資格ではありません。

●その有資格者に対してすら、プロコンサルタントになるための育成事業を行わね
ばならないほど、経営支援は、方程式どおりには進まない困難な仕事なのです。

●難しい試験といえども資格を取っただけでは、中小企業の経営者が、経営革新や
経営改善のために中小企業診断士を指名するかどうかは分かりません。本当に企業
経営者が診断士を必要としているかどうか。それには診断士が経営者を満足させる
だけの力量があるかどうか。これほど経営の舵取りが難しい時代に、経営革新の処
方箋をだすという仕事は厳し過ぎるほど厳しいものです。

●プロをめざす診断士は、普通のビジネスマンに較べれば経営に関する多くの情報
を多角的に収集し、その情報を分析、整理、編集をして、すぐ使えるような知識に
蓄積しているはずです。しかしそれをもって力量があるとは言えません。

●力量とは、その時々のクライアントのニーズにどのように応えてあげるかという
点にあります。それにはクライアントの力量にあったレベルに目線を合わせ、現状
を分析し、共に考え工夫するという相手本位の支援が求められます。相手本位にな
るということは、実力がない人には出来ません。

●診断士には、知識を活かす知恵が求められます。人材育成委員会の席上、「知恵」
とは何か、という話しがでました。一言で言えば知恵とは戦略です。戦略が分かる
ためには知識以外に現場力、さらに先を見据えた判断力がないといけません。その
あたりは「教える」レベルを超えて、本人の理念・哲学、人生観からスタートする
全人的な人間性によるものと考えられます。その上で、現場を経験し、実践的な対
応力を身につけることが求められるのです。

●企業経営者も診断士もプロと言われる人は、まず人間性が高くなければいけませ
ん。そして成功への情熱、何としても成功するぞという強い、強い願望がないとい
けません。人間性の高さは「品格」にあらわれます。強い情熱は「眼力(めじから)」
にあらわれます。

●クライアントは品格の劣る人、眼力のない診断士には目もくれないでしょう。
良き第一印象をつくること。これがプロの条件だと言えます。


     
        ◇−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−◇
              株式会社総合経営センター
             代表取締役社長 加藤 靖慶 
             (中 小 企 業 診 断 士)
        ★ ご意見・ご感想をお待ちしております。
              E-mail:katoh@skc-katoh.jp
              URL:http://www.skc-katoh.jp/
          経営革新サポーター&経営パートナー
       ◇−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−◇
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