2007/07/26
人材育成の110番-人材を人財に変身!
人材育成の110番 ― 人材を人財に変身!
株式会社 総合経営センター流人材育成の考え方
第89回「言葉は世界のはじまり 言葉は力」
●先日、7月24日の午後7時から、名古屋商工会議所名駅西支部と私ども中小企業
診断協会愛知県支部が共催で実施している講演会に、株式会社ジェイプロジェクト
の新田治郎社長にお越しいただきました。
●新田社長は、今年41歳になる若くておしゃれで、魅力的な経営者です。1997年に
ジェイプロジェクトを立ち上げ、飲食店を複数同時オープン。2003年東京へ進出。
全店が直営方式で、名古屋、東京を中心に居酒屋やレストランを展開し急成長。
06年11月東証マザーズへ上場しました。
●急成長する起業家には、言葉の魅力があります。リーダーシップは言葉によって
決まります。言葉はリーダーシップの世界そのものです。
●またたく間に66店舗を展開し、従業員は1500人。この会社の特色は、業界がほと
んどパート・アルバイトで運営されているのに対し、正社員の比率が約4割(私の
聞き違いがなければ)と高いこと、離職率が年間通して1.8%(これも私の聞き違
いがなければ)と極めて低いことです。
●新田社長は言います。「あなたの会社はどんな会社ですか」という質問に対して
「うちは人を育てる会社です」「みんなの喜びを自分の喜びにする会社です」「有
難うとお客様から言っていただける会社です」と答えているそうです。そして新田
社長は、社員を含め「人」をその気にさせる名人なのです。
●トップのその姿勢が全社員に浸透しているためでしょう。リクルートの社内調査
で「仕事にやりがいを感じている」という回答が90%を超えるという不思議な会社
なのです。それも無記名アンケートですから本物でしょうね。
●1500人の会社になっても新田社長が励行していることの一つが、社員の誕生日に
自筆の手紙でメッセージを贈ること。社員の中には、年1回の誕生日に貰う手紙を何
枚も大切に保管している人も多いとか。テレビの取材で、それらを見せながら「私
の宝物です」と語っていた人もいます。
●手書きの手紙。メールなど、パソコンを使わないのが新田社長の愛情です。私な
ども、研修でパワーポイントを使わないのは、使い慣れていないこともありますが、
聴き手の反応を見ながらボートに手書きした方が、「生」の感覚が伝わると信じて
いるからです。社員の人たちもパソコン製のメッセージであれば、宝物にはしない
でしょう。
●手書きの言葉が、それを読む社員に社長と同じ気持ちを共有させるのです。言葉
は力そのものです。愛情によって絆の世界を創造するのです。それが社員のやる気
(無限大の)を引き出し、驚異のスピードで会社を成長させているのです。
●新田社長が気をつけていることは「トップはポジティブでなければいけない」
「社員・スタッフに何を求めているか明確にすること。そのために社員・スタッフ
が何を求めているかを理解すること」「一対一で対話する」、つまり同じ時間を共
有すること。「社長は専門家にならない」トップが専門家気取りになって、一ヵ所
しか見ないというのはダメ。色々な意見を集めることが大切。それが大局的な判断
をするもとなのです。
●「オシャレになること、いつもシャッキとしていること」。人の上に立つ人がダ
サイようでは下の敬意は集められません。私なども、今でも服装と持ち物に気を使っ
ていますが全盛期の頃は、ズボンにシワができるのが気になり、仕事に出掛ける途
中、そして仕事の休憩中にも足を組んだことがなかったですね。
●「任せてやること」人は任せなければ育ちません。指示待ち人間ばかりでは会社
が成り立ちません。「がんばれよ」とは言わない。「頼むよ」。この別れ際の一言
が社員のやる気に火を点けるのです。「可能性を引き出す言い方をする」。例えば
新人に向かって「お前ではまだムリだよ」と言ってはいけません。彼のやる気を引
き出す言葉を発することです。
●新田社長の偉いところは、売上げや利益の話し、つまり数字でモノは言わないこ
とです。そんな話しは、社員・スタッフの首を締めかねません。数字は目標という
よりもノルマになることが多いからですね。目標は本人の意気込みを示すもの、ノ
ルマは義務です。明暗がくっきり分かれます。
●「いま君は何をしたいのか」「そのためにどんな会社にしたいのか」「そして10
年後どんな会社にしたいのか」。企業は人。人は「生(なま)」。生な人に生な言
葉を発しない限り、運命共同体の絆は生まれません。運命共同体の根底にあるもの、
それは「愛」です。
●講演会にはほぼ100人の経営者、管理者、中小企業診断士の皆さんが集まっていま
したが、驚いたことに講演会終了後もロビーで新田社長と名刺交換する人が長い列
を作りました。この講演会には、苦労していつも素適な講師をお呼びするのですが、
こんなことは初めての経験でした。
●まさに言葉は世界を創るのです。「はじめに言葉ありき」。私たちは心から「生」
でいい言葉を発しないといけませんね。
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株式会社総合経営センター
代表取締役社長 加藤 靖慶
(中 小 企 業 診 断 士)
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経営革新サポーター&経営パートナー
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