2007/07/12
人材育成の110番-人材を人財に変身!
人材育成の110番 ― 人材を人財に変身! 株式会社 総合経営センター流人材育成の考え方 第88回「まわりの人たちに満足を」 ●ほぼ20年ぶりに中小企業診断士の、以前では第3次実習と言っていました実務補習 の指導員をやっております。診断士試験の第1次、第2次試験を合格した人が最後に 通らなければならない関所です。15日間で3企業の診断をします。その内容(企業 でのヒアリングおよび診断報告書のまとめから発表内容と態度までのすべて)が基準 値に達していれば合格となり、翌年4月に中小企業診断士として登録されます。 ●以前は、12月に発表される第2次試験合格者に対して翌年の2月に実施していたの ですが、制度が変わった昨年からは7月にも8月にも行っています。私が今回担当し たのは7月コース。受講者は少なくて4名だけの編成で、職員15名の経営会計事務 所の診断に入っています。 ●その受講者の1人に大学の4年生が入っています。彼は3年生の時に第1次、第2 次試験を1回で合格しました。名古屋の試験会場では過去最年少の合格者ではないか と思います。数年前に診断士の父親の影響で大学在学中に合格したお嬢さんがいまし た。 ●さて、大学4年生がどのような診断報告書を書いてくるのか、こちらの方は期待と 不安が交錯しています。いや、不安の方が大きいです。しかし、10年も立てば押すに 押されぬ立派なプロ診断士になっているのかも知れませんが…。 ●一方では、診断士2年目の岐阜県支部の29歳の女性が、6月の下旬に25分番組のN HK教育テレビ「あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑」にほぼ出ずっぱりで出演しま した。中小企業診断士を志望した動機、美容院の開店コンサルティング、和食店のメ ニュー改善などのテーマで、フレッシュな感覚で一生懸命努力している様子が映し出 されていました。 ●このような若い人たちが中小企業診断士という資格を盛り上げてくれるのは大変有 難いことです。ボランティアで本部会員8,380人の常任理事をやり、会員委員会委員 長の職を任せられている私としては、何としても診断士の知名度向上と活動分野の拡 大をはかっていかねばなりません。その意味ではよい刺激を受けています。 ●恥かしいことですが、中小企業診断士の資格保有者は約1万9千名もいますが、中小 企業診断協会の組織率は50%を割っています。これでは国家資格が泣きます。有資格 者の2人に1人が自分たちの出身母体に背を向けているのです。 ●企業内診断士の人で、診断士の資格に恩恵を受けていない人(そもそもそんな人が 資格を取らなくていいと思うのですが)にとって、約5万円の年会費は高いのでしょう ね。が、資格の取得のための試験制度、資格維持のための登録更新制度にはお金はか かるものです。 ●今後の私の目標の一つは、会員組織率の向上をはかり、事務局の財政を少しでも安 定させ、向上させることです。診断士を取った人たちが、進んで会費が払えるような 有難い資格にしたいものです。 ●経済的にはメリットどころか、デメリットの多い協会役員をなぜやるのかと笑う人 もおられるでしょうが、「50歳過ぎてボランティア一つできないような者はろくな死 に方をしない」とか「これまで診断士として生きて来られたのは、先輩が努力してく れたからだろう。その恩返しをこれからはしなさい」と目上の先生方から言われたの が、のめり込むきっかけになりました。 ●診断士の地位の向上と活動分野の拡大という使命感を持ってボランティア活動して おりますと、思わぬメリットが生まれます。その第一は、まわりの人たちが私に尊敬 の念を持って接してくるようになることです。さらに、会務で訪問する先々で丁重な 応対を受けます。これは大変な励みになります。 ●仮に私が診断士のプロとして仕事のために駈けずり回って(10年前まではその通り でしたが)、私益を優先することばかりしていれば、現在のような充実感はなかった ろうと思います。私益を抑えて公益を優先させることによって、私に対するまわりの 見方が変わってくるのです。 ●不思議なことに今、少しも貧乏していません。なぜかといえば、意外にも仕事がよ く回ってくるのです。自分で売り込みに行くよりも、人の紹介で日程が詰まってくる のです。なぜか。多分、自分の人間性が高まっているからなのでしょう。 ●優れたリーダーシップの持ち主は、まわりの人たちが一目置く人間性の高さを持っ ています。人間性とは人格、識見、教養、思いやりなど人間の内面のすべてをいうも のですが、それはその人の置かれている状況とか、人生観、使命感などによって少し ずつ積み上げられていきます。 ●私のような年齢になれば、クライアントが求めているより高い人間性によって、求 められる的確なアドバイスをする必要があります。 ●前述した2人の若い診断士は、クライアントの要請にはすべて応えてコンサルティ ングのスキルを磨いていかなくてはいけないでしょうが、最初のうちは目標になる人 を見つけ、まずその人の長所をよく観察すること。その後一人前になるには自分流の 確立。世阿弥の「守」「破」「離」です。 ●さらに、一流になるには、「あの人」と指名される専門分野を持つこと。それは自 分らしさ。自分が最も多くクライアントを満足させることができる分野。そのために はクライアントがいつでも待ってくれるような人間に成長していかなくてはなりませ ん。 ●それは人まねをしている時代には築けないものです。早く人まねから脱皮して、自 分は「これだ」という分野と専門を持つこと、そしてそのことを向上させることがワ クワク、楽しくてしようがない状態にいつもなっていること。その先は、クライアン トにそれを伝えたくてしようがないという情熱にかられることが大切です。 ●そのためには嫌いなことはやってはいけません。好きな分野を見つけ熱中すること です。診断士を目指したのであれば、企業診断、コンサルティング、教育研修等で得 意分野を早く見つけること。そして、この仕事が好きでしょうがないという気持ちに 駆られないと一人前にはなれませんし、その先の一流まではとても行けません。第一 嫌いなことで人を満足させることなど出来るはずがありません。 ●例えば、小売店や飲食店に働いている人たちが、店内で生き生き仕事をしていれば、 その気持ちは必ずお客に伝わります。リピート客が増えるのは入って気持ちの良い店 なのです。それは味や品揃えと同じように、店にとっては重要なことです。従業員の 目が生きていない店は早く閉めるか、トップを替えることです。 ●今回は少し長くなりました。まわりの人たちを満足させることの大切さを、自分に も言い聞かせる意味で語りました。 ◇−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−◇ 株式会社総合経営センター 代表取締役社長 加藤 靖慶 (中 小 企 業 診 断 士) ★ ご意見・ご感想をお待ちしております。 E-mail:katoh@skc-katoh.jp URL:http://www.skc-katoh.jp/ 経営革新サポーター&経営パートナー ◇−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−◇



