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人材育成は組織にとって命です。その命を育むためのヒントをこの場で、あらゆる角度から提案していきます。人間としての生き方を問う基本から、時事的で身近な問題まで、人材育成に関する全情報を取り上げます。

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2007/06/14

人材育成の110番-人材を人財に変身!

人材育成の110番 ― 人材を人財に変身!

株式会社 総合経営センター流人材育成の考え方

第86回「トップとミドルマネジャーの関係」

●ここのところ中小企業団体の総会があちらこちらで行われていますが、会場で来
賓の挨拶や会話では景況のよい話しはいまだに聞かれません。GDPが年率換算で
実質3.3%も増えているこのご時世にもかかわらずですよ。会話の多くはグローバ
ル化した大企業の高収益へのやっかみばかりです。小規模企業のほとんどは長期景
気回復の恩恵を受けていないというのが実態です。

●それほどまでに中小企業の実態が悪いのかを探るために、中小企業診断士の集い
があった際に訊いたところ、状況が全般的に良くないことは事実であるが、しっか
り実績を上げている小規模企業もあるという意見が多かったです。小規模企業即ち
弱者という考え方は、そのままはまらないということです。

●では、良い企業と悪い企業の違いは何か。それは経営者のあり方というのが、ほ
ぼ一致した結論です。企業の優劣を決めるのは経営者ということです。経営者が優
れていれば、規模に関係なく企業の業績は上がるのです。

●ただ、組織は経営者一人では動きません。経営者を取り巻く優れた管理者がどれ
ほどいるかがポイントになります。人は簡単に育つものではありませんから、常日
頃の経営者の姿勢が大切です。

●ミドルマネジャーを育成するには、まずトップの意思決定の舞台へ彼等を引き上
げることです。つまり経営参画です。セブンイレブンのような大組織でも、毎週O
FC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)と呼ばれるFC店の経営指導
をしているアドバイザーが全国から東京本部に集まり、トップとFC会議で直接会
話をしています。このダイレクトコミュニケーションは創業以来続けられておりま
す。このため交通費・宿泊・日当などのコストは年間で30億円になるといわれてい
ます。

●一つの流通企業が30億円の営業利益を上げることは大変なことです。セブンイレ
ブンは惜しげもなく、トップ自ら直接情報発信するために、これほどのコストをか
けているのです。これはまさにOFCに対する教育投資です。この投資が数10倍の
経常利益になって返ってくるのです。

●経営参画とは、それほどまでに効果のあるものなのです。ミドルマネジャーは
トップの意思決定の座に加えられることによって、自分の使命感を持つことができ
ます。トップとは指示命令を受ける関係ではなく、自分自身が部署の長として主体
的に動く場が与えられたと考えるものです。

●部下のモチベーションを高め、やる気を引き出すミドルマネジャーは絶えず上か
ら注目されていますが、そのためには、まずトップがミドルに自分がやって貰いた
いことをやって見せねばなりません。

●組織の長が部下に対して最初にやるべきことは、部下の人間性を尊重することで
す。部下を尊敬し、部下の働きに感謝することです。昨年、日本ハムファイターズ
を日本一に導いたヒルマン監督は、自分は選手・裏方すべての人を心から尊敬して
いる、と語りました。その姿勢が選手を始め、縁の下の力持ちで日の目を見ない裏
方の心を動かしたのでしょう。

●部下は上から信頼され、その上に尊敬されていることをわが身に感じれば、やる
気は倍増、三倍増とふくらみます。そして、同じ気持ちで部下に接するはずです。

●6月4日号の「日経ビジネス」がコマツの特集をしていましたが、その中で坂根
正弘社長は日本の企業が強くあり続けるためには「トップが現場に密着し、トップ
ダウンを明確にすることだ。だから私自身、会社の状況を社員に自ら説明すること
を何よりも重視してきた。トップが十分に話をすれば、社員はどう動くべきかを自
分で考えるようになる」と言っています。日本の企業の強さは、トップと現場の一
体感で形づけられます。「トップが説明しきれない部分は、ミドルに補ってもらう
必要がある。コマツには社長が方針を出すと、黙っていても工場の課長クラスが活
動計画書を1ヵ月以内に出してくる。『社長が言っているのはこういうことですね』
と、全社に展開してくれることが強みだ」。

●なるほどコマツは強い会社です。しっかりしたトップの下に強いミドルがいるか
らです。ミドルが主体的に動く場を作り、トップの方針を社内展開するために、自
らの意思で自ら決定し、自ら行動している様が目に浮かびます。

●トヨタ自動車のある室長が「大学を出て間もなく現場へ回された際、徹底的にし
ごかれた上司がいました。その上司が定年退職するという話を聞いたので、お礼に
伺ったところお礼はいらないから、私が室長を育てたように、室長も部下を育てて
ほしい。私に感謝しているのなら1人ではなく2人育ててほしい」と言われたこと
話してくれました。「トヨタのDNAは人を育てるということにつきます」と彼は
笑って語っています。

●人を育てる組織風土を築いていくためには、トップがミドルをまず育てることで
す。これからの強い組織をつくるもとは、ミドルの力だと考えるからです。

        
         ◇−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−◇
              株式会社総合経営センター
              代表取締役社長 加藤 靖慶 
               (中 小 企 業 診 断 士)
          ★ ご意見・ご感想をお待ちしております。
            E-mail:katoh@skc-katoh.jp
             URL:http://www.skc-katoh.jp/
           経営革新サポーター&経営パートナー
         ◇−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−◇

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