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人材育成は組織にとって命です。その命を育むためのヒントをこの場で、あらゆる角度から提案していきます。人間としての生き方を問う基本から、時事的で身近な問題まで、人材育成に関する全情報を取り上げます。

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2007/04/12

人材育成の110番-人材を人財に変身!

人材育成の110番 ― 人材を人財に変身!

株式会社 総合経営センター流人材育成の考え方

第83回「今年の新入社員」 

●通年採用が増えてきたといわれていますが、ただ今現在は新入社員研修の最中で
す。研修会場で今年はどんな新人に出会えるだろうかという期待感は、一方では身
の引き締まる思いになります。

●就職氷河期がこの少し前まであったことが嘘のように今年は金の卵たちの集まり
です。大学全入時代、卒業生の売り手市場の時代を迎えて態度のでかい、礼儀しら
ずの人に出会うのではないかと恐れていましたが、今までの新人セミナーでは、そ
んな場面には遭遇しませんでした。どの会場も、物静かで真面目な人がほとんどを
占めています。

●これまでも企業内の研修は、個性のある新人でも枠内に納まり、こちらの指示を
表向きは守ってくれるので距離はあってもやり難いことはほぼありませんでした。
これが公的機関等の行うセミナーですと事情が一変します。講義が開始すると、
早々にウトウトし始めたり、質問をするとそれが全部終わらないうちに「分かりま
せん」と言い、グループワークになるとテーマそっちのけで気の合う人と雑談する
わ、というようなシーンによく出くわしたものです。

●今年も、公的機関のセミナーの初日は不安がよぎりました。企業に行く時より、
はるかに緊張します。事前に送られてきた受講者情報によれば、年齢は中途採用の
30歳から高校卒の18歳まで幅がありました。このケースではどこに視線を合わせる
かがポイントになります。幸いその会場は大学卒が主流を占めていましたので、そ
こへ照準を合わせることにしました。

●結果はどうであったか。今年の新入社員は真面目です。こちらの指示には素直に
従ってくれます。冷めた顔をして、こちらへ視線を向ける人もいません。高校卒の
人たちも、ほぼ例外なくグループワークには意欲を見せながら、積極的にこなして
いました。先輩の中途採用者も知っている内容ばかりだったでしょうが、新卒者の
レベルまで降りてきてくれました。

●要するに講義は勉強だからメモを取りながら聴こう。グループワークはグループ
仲間とのコミュニケーションが大切だから、一人はぐれることなく輪の中に入って
参加しよう。このような気配りをする人がほとんどでした。セミナーの場合はスタ
ートから全体の雰囲気がいいと、みんながその中に融合されるという傾向がありま
す。逆だと惨めな結果になります。

●今年の新入社員の人たちは、大学卒の場合、1984年に生まれています。日本経済
が円高を克服して、2年後の86年12月にはバブル景気になりましたが、この浮かれ
景気を幼児期のために一切体験していません。高校卒の人たちは1988年の生まれで
あるため、幼児期からデフレの暗く冷たい風にあたっています。

●父親や母親の深刻で不安な顔を見ながら少年期、青春期を過ごしてきているので、
浮かれて騒ぐということはないのだと思います。人生は頼れるのは自分だけ、その
ためには学ぶことを学んで自分なりにしっかり生きていこうと決意しているのでは
ないでしょうか。

●その証しでもあるかのように休憩時間も物静かに一緒に来ている社の同期の人や、
グループの人たちと雑談しています。浮かれてはしゃぐという光景には出会いませ
んでした。

●仕事面でも、この人たちは自分を見失わず、自分らしく、自分なりにしっかり与
えられた職務をこなしていこうと考えているに違いありません。無謀なことはしな
いで、自分の身の丈に合った目標を持ってコツコツ真面目に成長していくのではな
いでしょうか。

●暗い世相の下で育って来た新卒の人たちですが、家では大事に育てられてきたは
ずです。少子化の流れの中で生まれた大切な子息なのです。そのため職場で怒られ
ると萎縮するに違いありません。

●怒る前に叱る(言い方は厳しいけれども、指導をする)こと、叱る前に注意する
こと、注意する前に助言するというように接することが大切です。この人たちは素
直で真面目な人が多いですから、その点を上司・先輩はよくわきまえなければいけ
ません。

●職場の上司・先輩は、よく新入社員を観察し、教える時、つまりOJTの際はそ
の人を上手に育て上げるという気持ちを忘れないことです。人を育てるには、愛情
を持って接してほしいものです。

●企業風土に合わない人や、能力レベルが全く合っていない人を採ってしまったら
辞めて貰う以外に道はないと思いますが、最低限の常識とまともな考え方を持った
新卒を採用したのであれば、今年の人たちは戦力になる人が多いと思います。僅か
な研修会合数で大きなことは言えませんが、今までの経験で勘は当たると思います。

●新人を受け入れる側は、まず親切に接し、「あなたを信頼しているよ」と期待感
を示すことです。まずは新人の気持ちをこちら側へ引き寄せることです。それがO
JTの第一歩です。

     
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           株式会社総合経営センター
            代表取締役社長 加藤 靖慶 
            (中 小 企 業 診 断 士)
          ★ ご意見・ご感想をお待ちしております。
         E-mail:katoh@skc-katoh.jp
           URL:http://www.skc-katoh.jp/
            経営革新サポーター&経営パートナー
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