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2006/10/17

経営者のための人事・労務の最低必要知識【vol.82】

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■□                             2006.10.16号
□■ ”知らなかった!ではもう遅い!!”
■□『トラブル防止!経営者のための人事・労務の最低必要知識』Vol.82
□■   http://www.toma.co.jp/mailmagazine/mag_human.html
■□       発行者:株式会社日本人事コンサルタンツ
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■┃今┃週┃の┃テ┃ー┃マ┃   「就業規則を作ろう!! 」 第18回
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 前回まで、有給休暇を中心とした労務管理上規定すべき休暇に関してみてきまし
たが、今回からは3回にわたり「退職」をテーマに、定年や解雇といった退職に関
して就業規則に規定すべき事項を労使トラブル防止といった観点からみていきたい
と思います。
 退職にまつわるトラブルは、労使トラブルの中で最も多いトラブルですので、こ
の部分をしっかり規定することで、労使トラブルの大半を防止できるといっても過
言ではありません。   

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 ●第7章 退職〜第1回 定年・再雇用
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【 今週の条文 例 】
(定年)
第●条 従業員の定年は満60歳とし、定年に達した日(誕生日の前日)をもって、
    退職とする。
  2 本人が希望し、かつ、第4項の嘱託再雇用基準のいずれにも該当した者は、
    定年に達した日(誕生日の前日)の翌日から65歳に達する日(誕生日の
    前日)まで嘱託従業員として再雇用する。
  3 再雇用契約の期間は原則として1年以内のとし、契約期間満了ごとに契約
    内容を見直し、前回の契約と嘱託再雇用基準を勘案して反復更新するもの
    とする。
  4 嘱託再雇用基準は労使協定の定めるところによる。

 定年を定める場合は、最低60歳以上(誕生日の前日以降)でなければならない
と、高齢者雇用安定法で規定されています。
 これに加えて、今年の4月から高齢者雇用安定法の改正により65歳までの雇用
を確保する措置を講じることが企業に義務付けられたため、企業は定年廃止、定年
引き上げ、再雇用制度、勤務延長制度のいずれかの措置を設けなければならなくな
りました。
 この法改正以後、各企業で最も多く導入された措置が再雇用制度です。なぜ上記
の4つの制度のうち再雇用制度が最も多かったかというと、賃金の処遇を定年前よ
りも低く抑えやすく、労働条件を柔軟に変更でき、法定雇用年齢まで契約更新で対
応できる点など、高齢者雇用に伴う賃金と生産性の乖離を上記4つの制度の中で最
も低く抑えることができる制度であるからです。
 このような観点から、例文では再雇用制度を導入した定年制を規定しています。
 再雇用制度を導入する場合、今までは、企業が必要とする従業員のみを、企業の
都合で再雇用させることができましたが、今回の法改正以後は、原則として、従業
員が希望する場合は、企業が必要とする・しないに関わらず、再雇用しなければな
りません。しかし、例外として企業は再雇用の対象となる従業員の基準を労使協定
で締結することで、基準に該当する従業員のみを再雇用することが可能になります。
一見すると、基準を定めれば、企業が必要とする従業員のみを再雇用することがで
きるように思えますが、基準は労使協定で定めなければならないので、従業員代表
または労働組合代表の同意が必要になり、基準を会社の都合で一方的に定めること
ができないので注意が必要です。
 この労使協定を締結する際に、従業員代表(労働組合代表)との協議が不調に終
わり、労使協定を適切に締結することができないときは、企業は就業規則に基準を
規定することができます。(大企業は平成21年3月31日まで・従業員数300
人未満の中小零細企業は平成23年3月31日まで)
 再雇用に関する基準を設ける場合、基準には様々なものが考えられますが、これ
らの基準は、客観性と具体性のあるものでなければなりません。次に基準例を示し
ます。
 
【 基準例 】
 再雇用基準は次の通りとする。
 1 定年3ヶ月前において、再雇用する職務に求められる健康状態を医師による
   健康審査により、異常がないと認められること
 2 定年3ヶ月前において、過去1年間の所定労働時間の9割以上勤務している
   こと
 3 再雇用後も定年前と同様の仕事量を遂行できること
 4 直近3年間の勤務評価の平均評点が3以上であること

 次に、基準を設けた後の実際の運用において、定年を迎え、従業員が再雇用を希
望する場合、例文の第4項の基準を満たしていれば、企業は企業の都合に関係なく
再雇用しなければなりません。しかし、再雇用後の労働条件は、企業の合理的な裁
量の範囲で労働条件を提示し、労使対等の立場において決定するものであれば、自
由に労働条件を決めることができます。したがって、能力の低下等の合理性があれ
ば、賃金等の労働条件を定年前に比べて引き下げるこも可能ですし、また、労使間
で労働条件の合意ができず、結果として再雇用に至らず、定年退職してしまう場合
も考えられます。しかし、これらは今回の改正法には抵触しません。
 また、再雇用を希望せずに、定年退職する従業員には、定年退職日を明示した定
年退職通知書を明示すると、後になってから定年退職を撤回して再雇用を希望する
といったトラブルの防止につながります。
 このように、法改正によって65歳までの雇用確保が企業に求められても、企業
にとってメリットのある再雇用制度の設け方や運用というものは存在します。
 皆さんの会社で定年・再雇用制度に関する規定が適切に定められているかどうか、
就業規則の条文を見直してみてください。
 
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■ 編集後記 ■
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 今年の4月に改正施行された高齢者雇用安定法に対応するためには、今回ご紹介
した再雇用制度の創設が必要不可欠になってきます。法律が施行されてから半年が
経過し、多くの企業でこれらの対応がなされてきましたが、その一方で中小零細企
業になればなるほど、その対応は遅れています。
 弊社におきまして、高齢者雇用制度構築コンサルティングを行っておりますので、
高齢者雇用安定法改正に対応した再雇用制度の策定にお困りの方は、お気軽に弊社
人事労務指導部にご相談ください。

                       人事労務指導部 須貝耕二
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