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2005/12/01

『ビジネス・キャリア・メールマガジン-情報・事務管理分野-』

企業が認めるビジネス・キャリア。
あなたの大切なスキルが客観的に評価されます。 Today is... 2005.12.01
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      『ビジネス・キャリア・メールマガジン』Vol.44

         + Business Career Mail Magazine +

               ―情報・事務管理分野 ―

           http://www.bc.javada.or.jp

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 今年も残り少なくなりましたが、皆さんにとってどんな1年だったでしょうか。
振り返ってみるとこの1年は国内も、そして国外においても大地震・台風等の自
然災害、また、テロ・鉄道事故等による死亡者がとても多い年でした。誰もがも
っと自然を敬い人命を尊重することの大切さを改めて感じました。
 新しい年は穏やかで平和な年でありますようお祈りします. 
 
 平成17年度後期ビジネス・キャリア試験の受験申請受付が年明けの1月4日
から始まります。早めに申請書類を整えて新年を迎えましょう。 

 このメルマガでは、皆さんに情報・事務管理に関する役立つ情報を提供してい
きます♪
 これを読んで、ぜひビジネス・キャリア制度を活用してみてくださいね♪

           キャリアアップに最適です!

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―≪第44弾≫――――――――――――――――――――――――――――

全社的情報化立案(3)

 EA(エンタープライズ・アーキテクチャ)の概要
 
                   木暮 仁(ITコーディネータ)

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 EAに関しては,「EAは万能なのか」(2004.09.01)でも取り上げてい
ますが,ここでは,EAを全般的に理解します。

1 EA(Enterprise Architecture)とは

 Enterpriseとは「企業」のことで,Architectureとは「様式」や「体系」
のことです。EA(Enterprise Architecture)とは,企業(行政機関や非
営利団体も含む)において業務と情報システムを同時に改善することを目的
とした体系です。
 日本での顕著な動きは府庁省での取り組みです。政府はそのEAフレーム
ワークを「業務・システム最適化計画」としています。そして,2003年
12月に,米国連邦政府のFEAF(Federal Enterprise Architecture 
Framework)を参考にして,日本独自の事情を考慮した「業務・システム最
適化計画について Ver.1.1 〜EA策定ガイドライン〜」を公表しました。
その後改訂が続けられています。
 以下,EAをこのガイドラインをベースにして説明します。
 
2 EAの構造

(1)4つの体系
 EAは,政策・業務体系,データ体系,適用処理体系,技術体系の4つの
体系で構成されています。

○政策・業務体系(BA:Business Architecture) 
 政策・業務の内容,実施主体,業務フロー等について,共通化・合理化な
ど実現すべき姿を体系的に示したもの。大雑把には,これがビジネスモデル
とビジネスプロセスモデルであるといってよいでしょう。 

○データ体系(DA:Data Architecture) 
 各業務・システムにおいて利用される情報(システム上のデータ)の内容,
各情報(データ)間の関連性を体系的に示したもの。単純には,ERD
(Entity-Relationship Diagram)やUML(Unified Modeling Language)
のクラス図などの作成のことです。

○適用処理体系(AA:Application Architecture) 
 業務処理に最適な情報システムの形態(集中型か分散型か,汎用パッケー
ジソフトを活用するか個別に開発するか等)を体系的に示したもの。データ
処理と業務との関係を示す体系で,必要とされる処理機能をモジュールとい
う細かい機能に分解します。これにより,標準化を進めたり,共通機能をま
とめたりすることができます。

○技術体系(TA:Technology Architecture) 
 実際にシステムを構築する際に利用する諸々の技術的構成要素(ハード,
ソフト,ネットワーク等)を体系的に示したもの。特に,従来のレガシーシ
ステムからオープンシステムへの移行やWeb環境の活用などでは,これが
重要なものになります。

★参照モデル(Reference Model)
 これらの体系を策定するのに,白紙の段階から考えるよりも,成功したベ
ストプラクティスを参考にしたほうが便利でもあり安全でもあります。その
ようなベストプラクティスを参照しやすく収集・整理し,知識ベースとした
ものを参照モデルといいます。
 FEAFでは
  政策業務参照モデル(BRM:Business Reference Model)
  業績測定参照モデル(PRM:Performance Reference Model)
  データ参照モデル(DRM:Data Reference Model)
  サービスコンポーネント参照モデル
          (SRM:Service Component Reference Model)
  技術参照モデル(TRM:Technical Reference Model)
を設定しており,業務・システム最適化計画でもこれらの参照モデルの作成
を進めており,IPA(情報処理推進機構)では,そのプロトタイプを作成
し公表しています。

(2)移行プロセス
 業務やシステムの改善・改革は「現状分析→理想状況の設定→それへの漸
近的接近」のプロセスで行われます。EAでも,次のようなアプローチがと
られます。

○現状(AsIs)モデル
 まず,現状の業務やシステムを上記の4つの体系で整理して分析すること
により,改善・改革するべき事項を発見します。

○理想(ToBe)モデル
 現状分析や経営戦略の検討により,業務やシステムのあるべき姿を4つの
体系に整理します。このとき,まず政策・業務体系を検討し,それを実現さ
せるには,他の3つの体系をどうするかという順序で検討することが大切で
す。

○次期モデル
 一挙に理想を実現できればよいのですが,その間のギャップは大きいので
困難です。それを円滑に行うためには,現状と理想目標とを比較しながら,
理想目標に至るまでの移行計画を立てることと,業務・システム開発に当た
っての組織内共通のルール・標準を策定することが必要です。それが「次期
モデル」です。

★EAサイクル
 組織を取り巻く環境は激変していますし,情報技術の発展は急速です。組
織内外でのEAの認識も変化します。また,十分に検討して構築した次期モ
デルも,実際に運用したときに多様な不都合が生じることもあります。その
ために,EAは一度策定したらそれに向かって猪突猛進すればよいものでは
なく,常に状況をチェックして軌道修正することが大切です。
 マネジメントの手法にPDCAサイクルがあります。そのPDCAをEA
の運営で考えれば,「管理体制とコントロールの確立」−「アプローチ」−
「現状モデルの作成」−「理想モデルの作成」−「次期移行計画の策定」−
「EAの利用(実施)」−「EAの保守」−「モニタリング・コントロール」
と分解できます。これをEAサイクルといいます

3 EAの意義

 EAでの個々の考えかたは,特に目新しいものではなく,従来からもいわ
れてきたことです。EAの意義は,それを体系化し標準化することにより,
関係者に全体を見渡せるようにしたこと,部分最適ではなく全体最適の観点
から改善・改革を進められるようにしたことにあります。

○業務とシステムの一体化
 従来から経営戦略に基づいたIT化であるべきことがいわれてきました。
EAでは,政策・業務体系を最上位とするピラミッド体系を示すことにより,
それを明確にしています。また,各体系間の整合性を重視することにより,
IT技術の発展を政策・業務に反映させることも考慮しています。

○全社的な最適化
 EAで紹介されている手法も,SWOT分析やERDなど,これまでにも
活用されていた各種技法を援用しています。それらを体系づけすることによ
り,それぞれの整合性を図ること,標準化して全社統一の書式にすること,
さらに,それを通して,全社的な観点から最適化を図ることができます。

○業務・システムの可視化
 EAを推進することにより,部門にバラバラで複雑に絡み合っている業務
やシステムを,経営者をはじめ関係者が「見える」ようになります。それに
より,経営者がITガバナンスを確保することができますし,個々のIT化
の経営への貢献度も明確になります。

●参考文献
・経済産業省 ITアソシエイト協議会「業務・システム最適化計画につい
 て(Ver.1.1)〜 Enterprise Architecture 策定ガイドライン 〜」平成
 15年12月
 http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0004840/2/031225it-asosi-3.pdf

・各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議「業務・システム最適化計画
 策定指針(第3版)」2004年11月
 http://www.e-gov.go.jp/doc/20041112doc2.pdf
 
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【執筆後記】
 街には,早くもクリスマスの華やいだ雰囲気と師走のあわただしい人の流
れによって年末をまじかにした独特の空気が漂っています。そんななかでデ
パートのショッピング・ウインドウには、もう来春の鮮やかな色彩のファッ
ションが並び道行く人の目を楽しませています。いつもながらこの業界の先
取り感覚には感心させられるとともに、なんとなく春が待ち遠しい気もしま
す。
 今年1年ご愛読いただきましてありがとうございました。来年も皆様に役
立つ情報を提供できますよう努力しますのでよろしくお願いいたします。
 
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