2009/06/29
【かしこい人の見分け方】No.189 「分け隔てなく話せる人」
○●○━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━○●○
か し こ い 人 の 見 分 け 方
○●○━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━○●○
2008/06/29 No.189
【今週のポイント】
○ 分け隔てなく話せる人
× 知らない人と話せない人
*******************************************
日本でしか暮らしたことのない僕にとって、イギリスに住んで一番驚いたことは、
「よく道を聞かれる」ということでした。
日本で暮らしていたとき、外国人の外見を持った人に対して、道を聞いてみよう
と思ったことなど、もちろん一度もありません。警察官がいれば警察官に、いな
ければ、できるだけ地元で暮らしていそうな人に声を掛け、いくらその付近を歩
いているとはいえ、外国人に道を聞いてみようとは、考えたこともありません。
ところが、こちらでは、僕がまるで外国人ではないかのように、実に自然に(も
ちろん英語で)道を尋ねて来られます。
住んでいる家の近くや、職場の近くで、とりあえずわかるときには答えるのです
が、もともとこちらに長くいるわけでもないので、当然「申し訳ないけど、わか
りません」と答えることの方が多いのは致し方ありません。
それでも、相手は全く気にせず、OK. Thank you. とだけ言って、また他の人に
道を尋ねに行きます。
考えてみると、ここロンドンは、実に様々な国から来た人々が暮らしており、外
見を見ただけでは、誰がイギリス人、あるいはイギリス在住の長い人で、誰がそ
うでないのかは、全く区別は付きません。アジア系だって、祖父の代やもっと前
からこちらでずっといる人もいますし、逆にアングロ・サクソン系でもアメリカ
人やオーストラリア人の旅行者、あるいはこちらに来たばかりの人はごまんとい
るので、そもそも外見では誰に道を聞けば知っていそうかの区別がつかないわけ
です。
ということで、とりあえず「手当たり次第に」聞いているようだということがわ
かったのですが、このエピソードを、こちらにいる知り合い(彼女自身、イギリ
ス人とオーストラリア人のハーフで、オーストラリアで生まれ育ち、日本人と結
婚してイギリスに来たというインターナショナルな人です)に話したところ、自
分の場合には、逆に日本に国際交流員としてオーストラリアから来て、三重県白
山町で3年暮らし、単に日本語がきちんと話せるようになっただけでなく、地元
の地理にも文化にもかなり自信を持つようになってからも、ついに誰からも道を
聞かれたことはなく、むしろ単に日本語を話したというだけで、目を丸くされる
経験ばかりで、結構疎外感を感じた、ということを逆に言われました。
このことは、深く考えさせられることでした。
私たち日本人は、非常に礼儀を重んじ、人に気を遣う国民性があることもあって、
ともすると、どのような礼儀で接して良いかわからない他人、特に外国人に対し
ては、とても話しかけるのをおっくうがるところがあります。
もちろん、礼儀を重んじ、人に気を遣うことは、とてもすばらしいことであって、
外国人からも日本人のそのような国民性は、常に高く評価されているのですが、
一方で人間関係を広げる機会を非常に損なっている面もあるように思います。
「語学の壁」と言われることもありますが、たいていの日本人は、中学・高校・
大学と8年ほど英語を勉強してきていて、基本的な語彙や文法や構文、あいさつ
などの短文は一通り知っていますので、実は、基本的なコミュニケーションに、
「困らない」とまでは言えなくても、「できる」レベルには、おそらくたいてい
の人があると思います。コミュニケーションにとって大事なのは、「流暢さ」や
「正確さ」ではなく、「基本的な語学の知識」に加えての「話したいという気持
ち」だけだからです。
もちろんこれは外国人とのコミュニケーションだけでなく、同じ日本人同士のコ
ミュニケーションについてもあてはまります。
かしこい人は、「分け隔てなく話す」、少なくとも「話そうとする」人と言える
でしょう。
【編集後記】
昨年年末に、久々に「見分け方」をロンドンから発行し、その際の「編集後記」
には、「今後も、定期発行はまだちょっとしんどい気がしますが、数ヶ月から半
年に1回のペースでなら、それなりに書きたい気分の時も出てくるように思いま
すので、これからも不定期発行で細々と続けていこうかな、と考えています」と
書きました。
でも、実際のところ、時々「ネタ」について考えてみることはあったのですが、
どうしてもぴんと来るものがなく、結局強制休刊直前のここまで来てしまいまし
た。
このまま強制休刊でも別にいいかな、と思っていたところ、一つだけは、やはり
書いておきたいことがありましたので、このような形でメルマガを発行すること
となりました。
「道を聞かれる」エピソードは、僕が知らなかっただけで外国で暮らした経験の
ある日本人には非常にポピュラーなものだそうで、そんなに目新しい話題でもな
いかな、とも思いましたが、それでもやはりどこかに書いておきたい話題でした。
いかがだったでしょうか?
この調子だと、次回の発行はまた年末になるのか、あるいは今度こそ「休刊」と
なってしまうのか、僕自身にもわかりませんが、いつかまた、ご縁があればお会
いしましょう。
ではまた。
◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
発行者 : 藤島 昇
Webサイト : http://fujishima.main.jp/
メルマガサイト : http://www.mag2.com/m/0000118741.html
メール : noboru.fujishima@gmail.com
◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇
転載ご希望の場合はご一報ください (C) Copyright 2004-2008



