2008/03/31
【かしこい人の見分け方】No.186 ジェフリー・サックス教授
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か し こ い 人 の 見 分 け 方
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2008/03/31 No.186
大変長らくのご無沙汰でした。実に3ヶ月ぶりですね。
さぼっていて、すみませんでした。「かしこい人の見分け方」2008年の最初
の号をお届けします。
今回からは、これまでとパターンを変え、「○×」でのポイントを示すのではな
く、僕が本を読んで感銘を受けた「かしこい人」についてご紹介するスタイルで
お送りしていきたいと思います。
これまでも、読んだ本の感想のご紹介はしてきましたが、これからはこれがメイ
ンコンテンツになります。
ただし、読んだ本を何でもご紹介するのではなく、僕が「かしこい人」を見つけ
たときだけ、のつもりですので、今後とも、やはり不定期発行にならざるを得な
いと思います。
あしからずご了承ください。
それでは、今回の「かしこい人」です。これはとびきりですよ〜。
【今回の「かしこい人」】
コロンビア大学経済学教授 地球研究所長 ジェフリー・サックス氏
著書「貧困の終焉―2025年までに世界を変える」
(この本のレビュー: http://tinyurl.com/yoncob )
いやー、感動しました。間違いなく、ここ最近読んだ本の中では、文句なしのナ
ンバー1です。最初図書館で借りてざっと読んでいたのですが、半分ほど読んだ
ところでアマゾンで注文し、以後はじっくりと時間を掛けて味わいながら読みま
した。
お恥ずかしいことに、僕はこれまで全く知らなかったのですが、国連の「ミレニ
アム開発目標(MDGs)とミレニアム・プロジェクト」というものがあり、このミ
レニアム開発目標では、2015年までに達成すべき8つの目標が、具体的数値
基準を上げて掲げられており、その第1の目標が「極度の貧困と飢餓の撲滅」で、
達成基準が「2015年までに1日1ドル未満で生活する人口の割合を1990年の水準の
半数に減少させる」「2015年までに飢餓に苦しむ人口の割合を1990年の水準の半
数に減少させる」とされています。
この本は、この目標を定めるに当たって中心的役割を果たした、アメリカの開発
経済学者サックス教授の著書で、アフリカを中心とする世界の貧困が、どのよう
な原因で発生、拡大し、なぜそこから抜け出すことが困難なのか、また、抜け出
させるためには、具体的にどのような支援をいくらぐらい行う必要があるのかと
いうことを、実に明快に、説得力を持って記述してくれています。
これまで、人道的見地からの支援の必要性や重要性について論じられたものはよ
く見かけましたが、それらは、どうしても「必要性や重要性は確かによくわかる
が、では実際にお金を出したとして、本当にそれで貧乏な国が救われることにな
るのか」という肝心の点に関しては、どうしても得心のいかない点がありました。
というのも、この本の中にも繰り返し出てくるのですが、ODAというものが、
ドナー国の企業や仲介者の利権になっていたり、支援を受ける国の政治家や役人
の懐に入ってしまったり、あるいは現地の実情に合わず、効果の乏しい使い方を
されてしまったりして、実際の「支援」にはつながっていないのではないか、と
いう不信感がぬぐいきれず、かといって、ではどうすれば本当の支援というもの
が可能なのかもわからなかったからです。
ところが、この本の著者サックス教授は、十分の専門知識、行動力、人脈のすべ
てを使って、この特大の難問に、大きな道をつけてくれていたのだということが、
本を読んでよくわかりました。上に上げたような問題点は、当然ながらすべて考
慮され尽くしていましたし、何より、経済学者らしく、あらゆる主張に数値デー
タの裏付けが伴っており、単なるイデオロギーのみから出た意見でないことが、
実によくわかります。そして、この計画が実行されれば、成功の確率が高いこと
も、十二分に納得がいきました。
正直言って、あとはこれを実行するだけの話です。ところが、そこに現実政治の
壁があることも、本の中で指摘されている通りなのでしょう。著者がやり玉に挙
げているのは、著者の母国アメリカですが、日本にもその批判は完全にあてはま
りそうなことが、実に悲しいところです。
この本については、まだまだいくらでも語れるし、語りたいところですが、なに
よりも、まずはこの本を、ぜひご一読いただきたいです。
ほんと、すごいですよ。
【ひと言】
ということで、「かしこい人の見分け方」リニューアル再開第1号をお届けしま
したが、いかがでしたでしょうか。
この本を読み終えたのが、今月(3月)はじめだったので、ちょっと間が空いて
しまいましたが、未だにこの本を読んでいたときの興奮をまざまざと思い出せま
す。
僕より7歳年長なだけのまだ53歳で、世界を股に掛けてのこの八面六臂の大活
躍ぶり。本当に驚異のひと言です。
そして、何よりいいのが、ハンディキャップを負った地域の人々に注がれる温か
いまなざしと、それと対照的な熱血ぶり。きっと付き合っても楽しい人なんだろ
うなと思われます。
自分もがんばんなきゃって気にさせられました。
では、次回、また僕が別の「かしこい人」を見つけたときに、お会いしましょう。
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発行者 : 藤島 昇
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